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第4回 家族のありかた

血のつながりとは?

 再婚し、義理の父親の実家に住むことになり、中学生1年生となった。
自分が通っていた中学は至って、普通の公立中学だった。下駄箱には、先輩が吸ったタバコの吸い殻がいっぱい落ちていて、運動会の時には、なぜかテンションが上がって、校庭のネットに登る変な生徒がいたり、まあどこにでもある普通の中学生活だった。
 義理の家族たちとの生活は、まあ普通に楽しかった。だけど、初婚の息子に連れてきた子連れの子供達には、きっとあんまり印象は抱かなかっただろう。子供なりにもやんわりとそんな気持ちを抱いていた。
 義理の曽祖母もおり、かなりの高齢で、介護をしていたため、学校から帰ってきた後は自分の食事の前に、曽祖母の食事の介助を行い、ベッドに寝かせる手伝いをして、義理の祖母祖父の手伝いをするようになった。どこか心の片隅では、住まわせてもらっている以上は何か手伝いをしなくてはいけないと、子供ながらには考えていたんだろう。
 血のつながりのない、父親、曽祖母、祖父、祖母。童話のシンデレラよりは、楽しく生活していたと思う。まぁ、血のつながりがあったって、恵まれない生活や、望んでない生活をしている家庭だってあるし、家族のありかたなんてものは色々とあるもんだ。
 結局は、家族なんてものは血のつながりがなくてもうまくやっていける、そう思っていた。
 そうして、義理の父親の実家から、
巣立った中学2年生。

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