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「コミュニティ型経営」という未来の経営へのパラダイム・シフト

今日は「コミュニティ型経営」という未来の経営の形について書きます。

え?自分は経営者じゃないよ? 自分と関係ないよ?と思った方!

経営者でなくても、働く側にとっても経営方針・経営方法の違いはとても大事です。そしてこれから会社がどう変化していくのか?ということも良い職場を選ぶ上でとても大切です。

たとえば、 

- 今の会社で働き続けることに不安はありませんか?
- 変化が激しい昨今、これから働き方がどう変わっていくのか 気になりませんか?

そんなみなさんのお役に立つ内容になっています。 是非最後まで読んでみてください。(読むのが大変!という方は最後に動画へのリンクもあります!)

その前に「事業サイクル」とは?

伝統的な日本企業の仕組みについてお話を書きます。

上のグラフは横軸に時間 縦軸に売上があります。

売上というのが事業としてどれだけ成長しているか、どれだけ大きくなったかというのを指し示します。

最初は「創業期」ということで事業として いろいろ苦労しながら試行錯誤しながら その事業を作っていきます。だんだんと売上が立つようになっていきます そうすると今度「成長期」に入っていきます。

事業が軌道に乗り出して組織もどんどん大きくなって 売上がグイグイ伸びていきます。

そうするとどこかでてっぺんが見えてくると頭打ちになるんですね。そこから「衰退期」が始まっていきます。

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伝統的な企業、新しい企業とは関係なく「事業サイクル 」と呼ばれています。

どの会社も最初は事業をどういう形にするか試行錯誤し成長させていき、やがて頭打ちになります。永遠に 伸びていく企業というのはないので、どこかで衰退期というのに入っていきます。この事業サイクルというのをどの会社でもやっています。

伸びている企業はこの衰退期に入る前に新しい事業をはじめていきます。

伝統的な日本企業の仕組みとは?

この伝統的な日本企業での伝統的な事業というのは この事業サイクル が非常に長いです。

 100年近いケースが多いです。

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事業の例としては、造船とか製鉄など、だいぶ昔からあるような事業 そして今も存続してるような事業はこのような伝統的な事業に入ります。

とにかく事業サイクルが非常に長いような事業のことを「伝統的な日本企業」と呼びたいと思います。

では、そのような「伝統的な日本企業」というのはどうなっているかについて説明します。

やることは決まっています。もう 数十年間、100年間やってきたわけですから。あとはこれをどれだけ効率的に、生産的にやっていくかというところが 会社としては一番大事な経営陣としては考えるべきところになっていきます。

やることは決まっているのでこれをどんどん分解していって、それを社員の皆さんに渡していくような形になります。

例えばマーケティング・セールス・経理とか それぞれ役割というのはどんどん部品化されていくという形になります。

「会社の歯車」とかよく表現されますが、まさにその通りで 自分がその会社の営業の中の一つの部品として決まったことをやってもらいます。

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この「会社の歯車」っていうのはこの決まったことその通りやっていることを期待されます。

ここからはみ出てしまうと、他の歯車とぶつかったり全体の仕組みとしては不調をきたすので そういうことをしてほしくありません。「会社の歯車」として役割をそのまま忠実にやっていただく、それが経営者として社員に対して期待していることになってきます。

「会社の歯車」になってほしい 歯車として忠誠を持ってこの役割を果たす、これがこの「伝統的な日本企業」において非常に大事になってきます。

新卒という古い仕組み

「伝統的な日本企業」の仕組みをお話しましたが、この会社を 成り立たせるために多くの会社がとっているやり方というのがあります。

大量の新卒採用です。

「会社の歯車」をつくるための仕組みです。社会・世間を知らない若い方をある意味洗脳していきます。この会社が一番良い環境だと勘違いさせます。外にでることに対する恐怖を植え付けます。

さらに「囲い込み」をしていきます。つまり定年までこの「会社の歯車」として生き続けてもらうようにします。

経営陣として 新卒で入った皆さんには、ずーっとその定年まで40年で働き続け、逃げずに、他の会社に目を向けないで欲しいと考えています。

この 囲い込みは大きく3つ施策があります。

伝統的な日本企業が行う「囲い込み」施策

a. 出世・給料アップ

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いわゆる人参をぶら下げる形ですね
今後君には非常に期待している 課長昇進試験に推薦しておいたよ このプロジェクト成功したら次はいよいよ部長かな
みたいな そんな話をして 部下のやる気を出してですね この仕事をやり続けたいと思わせるようなところを続けています
出世・給料 そういうニンジンをぶら下げて ずっとこの会社への忠誠をモチベーションを上げていきます

b. 部署異動

2つ目としましては部署異動 部品の仕事なので飽きてきます

当たり前です

飽きてくるとだんだん腐ってきて「なにこれ毎年同じ事やってて 面白くなくなってきた」という状態になります。

 部署異動させられます。

この間まで営業やってたのが「君は今度 新年度からマーケティングだ」 とか「今度は経理部に行ってほしい」という形で異動させられます。

仕事が部品化されているので新しい部署にいってもそんなに難しいことをやることはなく、前の方から引き継ぎを受けてまたこれをやっていきます。

しばらく2年3年くらいまたやると今度また部署異動という感じで 環境を変えることで目先を変えていくというのをやっています。

だんだん飽きてきたところをまた新しい仕事を与えられます。新しい仕事を与えられるとしばらくは一生懸命やります。また飽きてきてはまた違う仕事を、という繰り返しをします。

飽きさせないという以外にもうひとつ効果があります。

どうしても大量に人がいる場合はマネージャー(管理職)にも当たり外れが結構激しくなっています。自分と合わないマネージャー が上司に当たると人はまた腐ってしまいます。

「あの上司はわかってないな~」となります。

これまた部署異動するとたまにいい上司にあたったりします。

「 この人のためなら頑張ろう!」というふうになります。

新鮮な気持ちになってもらうために「部署異動」が「囲い込み」の2つ目の施策としてあります。

c. 福利厚生

3つ目としましては福利厚生があります。伝統的な日本企業だと保養施設や住宅手当等のいろいろと手当があります。

社員に対して大事にしてますよというところを アピールする事を大事にしてる所があります。

この福利厚生が結構 曲者で実際に転職される方とかの 話を聞くと

「給料は実はそんなに変わらないんだけど 住宅手当が前の会社は手厚かったから。これがないとちょっと今の住宅ローン払うの厳しいなあ」

とそれで転職を躊躇する方実際にいます!

こういう福利厚生に慣れさせて、ここから抜けられないようにしていきます。

こんな3つの施策でもって企業は 新卒から入ってもらった社員を囲い込んでで、逃がさない!定年までなんとか働いてもらうということをやっております。

さてここまで話を読んでいて

「なんだこれ 伝統的な会社に対して ダメ出しをしてるんじゃないか」

 と思っている方がいると思いますが、そういうことを伝えたいわけではありません。

伝統的な会社がみんなこうしているわけでもありませんし、このやり方が間違っている と言っているわけではありません。

実際、経営者としてこのような事業サイクルが長い会社を 自分がもし任されたとしたら、経営の仕方や、社員をモチベートしてやり方、として上記のような手法・施策は非常に取り得るだろうというふうに思っています。

ただ、ここで大事なのは社員の皆さん このままでいいですか?というところです。

このまま囲い込まれた状態で、ずっと働き続けて大丈夫ですか?

社員の皆さんとして自分が部品になっている ような働き方をすると本当にその会社に依存するしかなく、そこで一生働くしか選択肢がだんだんなくなってきます。 部品なので他の会社に行っても なかなか通用しません。

 「あれ?私の会社 そういう会社なのかしら?」

と思ったら 一度考えると良いかもしれません。

「囲い込み」を見抜くチェックリスト

「囲い込み」を見分けるための大事なチェックリストを書きます。
下のチェックリストを利用して、部品化されているかどうか?「囲い込み」をされているをご確認ください。

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①誰かに常に指示を受けないと働けない
②マニュアルがないと仕事ができない
③自分で提案ができない/提案したことがない
④全体の仕事業務について理解できていない
⑤社内の調整が仕事のほとんど

上の内容に当てはまると思った方は、会社の部品になっている、「囲い込まれている」可能性が非常に高いです。

 要するに全く別の会社に行ってその部署で「一人でまとまった仕事ができるか?」「一人前としてまとまった仕事を任せてもらえるか?」ということです。

一生今の会社で生きていきたいのか?それとも自分の意志で 新しい仕事にチャレンジするか? 選択肢をしっかり把握して、準備しておきたいですね。

「囲い込み」でも大丈夫な状況

実際「いやいやうちの会社は全然大きいから 大丈夫」という方もいると思います。

その際にこれから書く2つの質問を考えてください。

1. この会社は「今」は大丈夫だが、定年を迎えるまで 事業が好調である可能性はどれくらいありますか?

2. 部署異動をしてどんな部署に異動になっても今後も本当に楽しく働き続けられますか?

上がどちらも「イエスです!問題ありません」っていうのであれば 今の働き方を続けるのは全然問題ないと思います。

やめろとか転職しろということを強制したり お勧めしてるわけではありません。

ただ上のようなことが心配の場合は、転職、副業、他の会社で働くことを選択肢として可能性を考えていくと良いと思っています。

「プロフェッショナル」の時代

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 これらをまとめますと、これから活躍する方っていうのは「プロフェッショナル」だということがわかるかと思います。

自分で新しい会社に行き、最初から活躍できる方々がこれから求められます。

未来型企業とは?

未来型企業として話をしたいのは最近活躍している成長著しい会社 Google・Amazon・AppleとかいわゆるGAFAと言われているものだったり、日本の中でも楽天だったり ソフトバンクだったり非常に勢いがある会社、最近だと皆さんも使いかもしれませんが、LinkedIn、slack、zoomとかを指しています。

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これらの会社が先ほどの伝統的日本企業と何が違うのか?

事業サイクルが短いです。

創業して古くても30年40年ぐらいしか経っていません。早ければ10年以内で創業しているような会社があります。

そうすると何が違うのか?

先ほどその組織設計としてマーケティング・セールスなどの組織に縦割りされ、それをさらに歯車として分解した絵をお見せしましたが、これができなくなります。

あの構造は長い間に固定的に同じことを 繰り返し場合につくれます。

実施することが変わらないため、丁寧に分解して歯車にします。歯車は変わらないため、その歯車の役割しかできない人材を新卒から育て、安く使います。

スピードの速い事業においてはこういう歯車を用意し、その歯車の役割しかできない人材を育ているうちに 変化が訪れ、変わっていかなきゃいけないなくなります。(もちろん、部署や役割等によっては「未来型企業」においても部品化・歯車化しているところはあります。例:Amazonの倉庫のピッキング業務)

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部品化しているなかなか時間がないです。大量の部品を集めて事業を回していくというところがなかなかやりづらく、そういうのに適していない事業になってきます。

未来型企業における組織とは?プロジェクト型組織

未来型企業の中ではどんな風に会社が 動いていたりどういう組織ができているのか?

「プロジェクト」があちこちでつくられます。

こういう新しい技能 作りたい!
新しいマーケティング施策を実施したい!

新しい取り組みをしていきたいということで いろんなプロジェクトができていきます。

それぞれのプロジェクトに対して社内のリソースから、できそうな人を集めたり、外からのタレントを惹きつけて このプロジェクトへの参加を促します。

今までやってこなかったことをプロジェクト型で進めていくことが多いです。プロジェクト型で会社の事業を どんどん成長させていきます。

未来型企業が、プロジェクト型で事業を成長させていることを理解できたかと思います。

今度は経営の観点でどのように「未来型企業」を経営しているのか?について書きます。

未来型企業の経営方法:コミュニティ型経営

伝統的日本企業は囲い込みをしてますねっていう話を前半していました。

未来型企業はどのような経営をしているかについて書きます。

何かやりたい新しい機能を作りたい!
新しい事業をやりたい!

このように考え、「これやるぞ」と唱え、旗を立てるリーダーが現れます。

この内容がプロジェクトになります。

このプロジェクトやそのリーダーが魅力的だといろんな人が集まります。

社内でも「あ!そのプロジェクト面白そう」 「 この人の言っていることを面白いね」

またプロジェクトを広く社外にも広げると、社外からも人が集まります。

必要な人材、エンジニア、マーケティング、等々が集まってきます。

未来型企業というのは囲い込みではなく、人を惹きつける ことが力になります。

「あ!自分はこのプロジェクトに行きたいな」 

と周りの人に思わせることが大事になってきます。

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これを私はCommunity Based Management(コミュニティ型経営)と呼んでいます。

人材獲得競争時代におけるコミュニティ型経営の大切さ

これから優秀な人材獲得競争がますます熾烈になっていきます。

 優秀な人たちはいろんな選択肢があるわけですから当然です。

GAFAにいくっていうのもあるかもしれない。フリーランスなっていくこともできます。副業という選択肢もあります。NGO/NPOのお手伝いを週末やることもあります。

プロフェッショナルは自分の能力をよく理解しており、その能力が一番活かせる環境、またはワクワク働ける環境を求めていきます。プロフェッショナルであればあるほど、希少性があるため選択肢が増えます。

そのようなプロフェッショナルが、自分がはじめたプロジェクトや、自分の会社、自分のやっていることに参加してくれるかどうかっていうのは、いかにその人に 振り向いてもらうのか 惹きつけられるのかというところにあります。

ここがCommunity Based Management(コミュニティ型経営)の大事なポイントになります。

プロジェクトの成否もいかに必要なプロフェッショナルが集められるか?というところに依存します。

コミュニティ型経営時代、プロフェッショナル時代での生き方

さてこのようなコミュニティ型経営の未来型企業が増えていく中で 皆さんとしてはどういう人材になっていくか?

どうなるべきかというところについて最後に書きます。

いわゆる I型人材・ T 型人材 ・π型人材とか専門性がある人材を目指すべきです。

上記のとおり、コミュニティ型経営において必要なプロフェッショナルになるかどうかで働き方の選択肢や市場価値も変わってきます。

マーケティングならマーティング、セールスならセールス、事業企画なら事業企画、経理なら経理と一人でそこの部分をあるまとまった範囲任せてもらえるようなプロフェッショナルを目指しましょう。

教えてもらうのではなく自分でそこに飛び込んで 自分の役割を果たしていく
プロフェッショナルな人材が必要になってきます。

その中で I型 T型 π型という型があります。

I型プロフェッショナル

ここをどれだけ深く掘れるかというところがあります
でこういう人材はまさにここの知識とかいうところにおいては むちゃくちゃ重宝されます
ここドンピシャの場合ですね もう お金はいくらでも払うから ぜひぜひこのプロジェクトに来て みたいな話になるかと思います
ここのIにしてる専門性として深く掘っている所が どれだけ市場として魅力的なのかどうかというのが
非常に大事になってきます

T型プロフェッショナル

次に、T型について書きます。

一般的なスキルとしてのコミュニケーションスキル、問題分析スキルとか いろいろなものがある程度あった上で一つドーンと深く専門性がある人材のことを指します。

これもこの Tの足(縦の線)になっている部分がどれだけ市場として魅力かどうかということと、Tの横棒のところですがここがどれだけ分厚いかが大事になってきます。専門性もしっかりあり、他のことも一通りできると非常に重宝がられます。

特にその最初のプロジェクトや スタートアップの一番初期メンバーだとなんでもやらなきゃいけないため、なんでもある程度をこなせる人材は非常に重宝がられます。

π型プロフェッショナル

π型プロフェッショナルは先程のT型プロフェッショナルに近いんです。

 π型人材はこの専門性の足が2本 あるような人材です。

たとえばマーケティングもできるしエンジニアのスキルもあるという例です。

テクノロジーを使ったマーケティングしたり マーケティングオートメーションをもっとやっていきたい場合、この両方の専門性が必要になってきます。 もちろん2人採用できれば良いですが、それが予算的にできない場合やその2ポジションのコミュニケーションが非常に大事な場合は一人でπ型として2つできると非常に重宝がられます。

プロフェッショナルとしては、とにもかくにもこの専門性である程度深さが必要です。「そのエリアなら まかせとけ!」というところをどうやって作っていくかというところが非常に大事になってきます。

外向けにもアピールして、「あの人にお願いしたいな」と 思ってもらえるようにしておきます。

新しいプロジェクトに惹き付ける人、そして一方のプロフェッショナル、そこがうまく会うと面白いプロジェクトになります。

最後に

今後こういう話を書いてほしい、こういう動画をつくってほしいとか 今日記事についてのコメント・感想とかを下に書いて頂けると非常にうれしいです! 必ずコメントは見させてもらってるんでぜひぜひ コメントをお願いします!
ビジネス 働くを楽しくメリービズの工藤でした。ちなみに、この記事の元になっている動画もぜひ見ていってください。(チャネル登録、いいね!もお願いします!)

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