年収_実験_学生除く_と日本の分布_

【参加者募集編2】20万円で私生活データを売るExographの経過報告

二週間が経った

最低限生活に困らない金額を人々に提供する代わりに、その私生活データを全て収集してその費用を賄うことに挑戦するExographも、応募開始から二週間が経ちました。

この数日で支給額の「生活保護費用と同額」というキーワードが意図しない捉え方をされてしまったこともあり、本日から支給額を「20万円」と増額して引き続き募集を続けることとしました。

応募された方の概要(~11/10)

この二週間で応募された参加者の属性は以下の通りです。

1. 応募人数と男女比

419人(10/27~11/10、男性:330人、女性89人)

男女比

参加者が50人から400人越えとなり、思ったよりも応募者がいて素直に嬉しかったです。
そして男女比については、当初の50人の時よりも女性の割合が増えています。

2. 年齢分布

画像3

左の年齢分布は最初の一週間、右の年齢分布はその後にPRTimesでリリースされた記事が「生活保護」というキーワードや倫理面での批判などで拡散した結果に得られたもの。
本実験に応募してくれる人の多くは、20代という結果が非常に面白いと思います。

スクリーンショット 2019-11-11 15.26.59

「生活保護受給者を食い物にするな」という意見を多数頂いていたので、そこらへんについても少し言及してみます。
こちらは厚生労働省の資料からの生活保護受給者の年齢別の割合の推移ですが、受給者の9割は40代以上であり20代の割合は3%ほどと圧倒的に少なく、今回の実験の対象者は生活保護受給者とは別の層に受け入られていると思いました。
一方で、PRで利用しているメディアが比較的若い世代が利用しているオンラインメディアであることから、もっとマス向けの紙の新聞やテレビなどへの露出によっても年齢分布は大きく変わってくるだろうなとは思うので、参考までに。

3. 職業

職業について自由記述式にしてしまったため、表記ゆれなどがあります。
おおよそ分類すると以下のようになっています(当てはまりにくい人もとりあえずどれかに分類しました)。

職業」

6割ほどがいわゆる会社員ですが、それ以外は1割が無職、2割が学生、5%ほどはフリーランサーや自営業・企業経営者でした。
もっと学生や無職の方からの応募が多いのかなと思ってましたが、働いている方からのご応募が多いというのは特筆すべきことかと思います。

4. 居住状況

割合として、2人以上で暮らしている家庭・シェアハウスの方からの応募が増えているのが興味深いです。
同居人がいる人の応募動機を見てみると、金銭面よりも実験参加に対する興味や好奇心の方が強そうな印象でした。

画像5

5. 年収分布

以下のグラフは青色が実験全体、赤色が学生を除いた場合の年収分布です。

年収(実験全体、学生を除く)

学生を除いても年収100万円以下が15%おり、無職の人の割合10%を除いた残り5%の人の状況が気になるところです。
ざーっと見た所、年収100万円以下で無職でない人の多くは同居人の数が1人以上の人が多そうで、結婚されていたり実家暮らしなどで本人以外の収入も含めて生活をされているのかなっと感じました。
(詳細な分析結果は後日まとめようと思います。)

また以下は、学生を除く実験集団(青)と、日本全体の年収の分布(赤)を並べたものです。(参照HP

年収(実験(学生除く)と日本の分布)

年収100万円以下と200~300万円の層が厚めではありますが、おおよそ全体的に応募がされているように感じてます(恣意的です)。

6. 実験応募の理由

すみません。
応募理由の欄を自由記述式にしてしまったこともあり、この項目をどうまとめるか悩んでいます(下の表は本当に雑で、項目に当てはまらない回答も多くありました)。

実験動機(自由記述式を無理やり項目化、複数回答あり)


皆さん本当に色んな想いを抱いてこの実験に応募されていると知りました。
単純に「経済的な理由、お金が欲しかったから」という理由だけの人は2~3割ほどの印象です。
「実験コンセプトにワクワクした」「新しい未来を作ることに協力したい」といった実験自体を面白がってくれている人もいれば、「自分の日常を提供して社会に貢献する感覚を味わいたい」「障害を負っていたり社会的マイノリティな自身の状況のデータを提供することを通して、自分と同じ境遇の人が暮らしやすくなる社会を作りたい」などといった意見もありました。
「社会の役に立っている感覚」というのは、お金と同じかそれ以上に人が物事に取り組む動機になりうるのだと感じました。

今後の課題

1. 紙の新聞・マスメディア(TV・ラジオ)で取り上げられた時の参加者分布の変化を知りたい

予定している募集期間(10/27~11/15)まで、あと数日しかありません。
紙の新聞・マスメディア(TV・ラジオ)で取り上げられた時の参加者分布がどうなるか、非常に興味があります。
ここの部分の検証が難しそうなのが、ちょっと悩みどころです。
あまり友達いないのですが、取り上げてもらえそうな方をご存知でしたら、紹介頂けると嬉しいです。

2. データ経済やそれに関わる倫理、スマートシティ構想に関わる有識者の方に今回の取り組みに関して意見を伺いたい

今回の実験は賛否両論あることは前提の上で、ありうる未来のデータ社会の生き方を提案できたらと思っています。
この実験の結果や取り組みについてどう思っているか、これを踏まえた上でどんな社会が描けるか、専門家のご意見を伺いたいです。
あまり自分にコネクションがないため、もしご興味を持たれている方が身の回りにおられれば紹介頂けると大変嬉しく思います。

3. 今回取得されるデータが1000人~1万人規模で取れた場合に利用したい企業の方と打ち合わせしたい

既に数社から問い合わせを頂いてますが、今回のような動画による自室のユーザー行動データが取れる場合に興味のある消費財メーカーや食品・飲料メーカー、医療や広告代理店といった企業の方と利用方法やその市場価値について話をお伺いしたいです。
その結果を踏まえ、この実験終了後に実際にサービス化していくかなどを検討したいと思っています。

4. 被験者を増やしたいので、協賛をしてもいい企業・個人を募集したい

もともとは予算の関係で被験者5名ほどを想定していました。
ですが予想以上に応募者が増えたこと、色んな想いで参加を表明している人の想いを組みたく、もう少し被験者を増やしたいと思っています。
協賛したい方は、実験終了時に公開するレポートに名前とコメント(100文字程度)を載せて頂くなど検討できればと思っています。
興味がある方がおられればご連絡頂けると嬉しいです。

最後に

批判を含むフィードバックを下さる方や応募して頂いている方、その他協力頂いている方に大変感謝しています。
興味のある方からのご意見など大歓迎ですので、気軽にメッセージ頂けますと幸いです(全てに返信できておらず、申し訳ありません。)。



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