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中小企業診断士1次試験独学勉強法

中小企業診断士とは、MBAとの違い、志望動機などは前回記載しました。

1次試験は2019年のみ受けました。中小企業診断士の1次試験は、7科目、A経済学・経済政策、B財務・会計、C企業経営理論、D運営管理 ( オペレーション・マネジメント )、E経営法務、F経営情報システム、G中小企業経営・中小企業政策で受験した科目の平均点が60点以上、かつ、40点未満の科目がないことが合格条件です。科目によっては試験免除もありますが、免除できる条件がなかったので、全科目受験しました。

3月末に参考書を買い、勉強をはじめて、8月に受験しました。結果は、
A64点、B52点、C65点、D68点、E48点、F84点、G51点
合計432点、平均61.7点で、合格となりました。

ギリギリの合格ですが、これは戦略的に取った点数でした。その戦略と戦術について今回は紹介したいと思います。

試験勉強を始める前に

勉強を始める前に、まず受験要項をよく理解しましょう。1次試験の合格基準は、受験科目の平均点が60点以上で、かつ、40点未満の科目がないことです。受験勉強や試験勉強で慣れている人が多いと思いますが、高い点を取ることは重要ではありますが、必須ではありません。しかも、2割はどんなに勉強しても正解できないような難問が出されているとすら言われています。半分よりは多く正解すれば良いと試験への心構え、マインドチェンジを行う必要が私にはありました。

勉強の手順

1. 過去問を解き、各科目の自分の現状を認識する
2. 重点科目、暗記科目の順に参考書を読む
3. 問題集を解く
4. 過去問を解く

そうです、試験はどの試験でもそうですが、過去問に始まり、過去問に終わるのです。

すべての始まりにして終わり、過去問を解く

まずは過去問を解きます。過去問はタダで中小企業診断士のサイトにおいてあります。

公式サイトは解答が年度毎にまとめられていないので、LECの過去問センターで問題と解答を入手するのが便利かもしれません。

1年分で十分です。この段階では参考書で勉強する必要はありません。現状で、どの科目が得意なのか不得意なのか、各科目の中でもどの分野が得意なのか不得意なのかを理解することがここでは重要です。

ここで不得意な科目、40点を超えていないを洗い出す必要があります。すでに60点を超えていて、重点科目でない場合は勉強の優先順位を下げてもいいと思います。一方で得点源とするために勉強するという手もあります。

過去問1週目で、すでに企業経営理論、経営情報システムは60点を超えていました。経営情報システムは70点くらいだったかと思います。経営情報システムについては息抜きで勉強するのみとして、他の科目を重点的に行うという方策を立てました。記憶系で2次とも関係性が薄い経営法務と中小企業経営・中小企業政策は40点の足切りをクリアする程度の勉強で良いと割り切ることにしました。

2次に向けて重点的に勉強すべき科目

2次試験は4科目あります。事例I 人事組織、事例II マーケティング、事例III 運営管理、事例IV 財務会計です。それぞれ、1次試験科目の企業経営理論が事例IとII、運営管理が事例III、財務・会計が事例IVです。1次のこれらの科目は2次でも使うことから重点的に勉強すべき、特に2次で頻出論点についてはそらで解答できるレベルになったほうが良いでしょう。

1年で合格するためには2次も並行学習すべき

私は1次が受からないと2次の事考えてもしょうがないだろうと思って1次が終わるまで2次の勉強は過去問を前年分を解くくらいしかしていませんでしたが、今にして思えば並行して学習をしていくべきだったと思います。

理由は1次試験合格後では、みんな同じことを考えるので、2次試験用の問題集や参考書が書店から消えるからです。並行学習を行う気がなくても、問題集だけは確保しておくべきでしょう。問題集については2次試験編で紹介します。

2次頻出論点については2次過去問を10年分くらい解く、最低でも5年位は解くことと見えてきます。一通りは目を通しておくことをおすすめします。

科目免除はすべきではない

中小企業診断士には科目免除という制度があります。特定の資格を有しているか、過去2年で60点以上を取った試験について受験を免除するという制度です。私は科目免除はすべきではないと思います。

科目免除をしないことによるメリット
免除できるような科目は得意科目である可能性が高く60点以上取る可能性があり、加点要素になりうる

科目免除をしないことによるデメリット
7科目受けるので、2日間のタフな試験を受ける必要がある
得意科目だとしても勉強する必要はあり、勉強時間が削られる
年によって科目の難易度は変動するため、60点以上取れる保障はない

以上のようなメリット・デメリットがあります。私は科目免除はたまたま合格した不得意科目があるという場合は以外は60点以上が取れる可能性が高いことが免除しないことをおすすめします。特に重点科目は免除はせずに積極的に得点源として行くことが良いと思います。

使った参考書

基本的にはTACの通称”スピテキ”を使いました。スピード問題集も購入しましたが、あまり使いませんでした。スピテキの中にも過去問などの問題が入っており、それでアウトプットの代わりになったからです。

中小企業経営・中小企業政策だけはTBCの問題集がおすすめです。YouTubeで講義動画が公開されるからです。

中小企業経営は前年の中小企業白書から出題されます。読むべきは当年ではなく、前年版であることに注意してください。当年版は発行が例年4月頃で、試験に間に合わないため、前年版が参照されているとされています。

過去問が半分は意味がないので、この科目だけは過去問の重要性は低いです。

中小企業白書から半分問題が作成されますので、覚える範囲が少なく、高得点も狙いやすい科目の一つとも言えます。私の場合は、中小企業診断士の知り合いから中小企業経営・政策の勉強開始は直前で良いと言われ、その言葉を鵜呑みにしていたので、試験の1ヶ月前に勉強を開始したため、覚える期間が短すぎて、51点しか取れませんでした。勉強時間を限定して、足切りされないレベルにするか、得点源とするための勉強を行うかは個人の判断かと思います。

過去問

過去問はタダで問題も解答も手に入れることができます。しかし、解説がないため、わからない問題は自分で解答を調べる必要があります。

自分で調べることによって記憶への定着も図りやすいのですが、時間はかかります。時間効率を考えた場合は、解答解説がついた過去問題集を使うことをおすすめします。

私は試験2週間前は、過去問題集を過去5年分行って頻出論点については間違えないように重点的に暗記していきました。

おすすめ勉強法

問題集を読んだり、メモをしたりしても記憶には定着しにくいものです。覚えた用語などを人に教えることで記憶に定着しやすくなります。あのとき、誰々に教えたな、という体験も相まって文字だけでなく他にも思い出すトリガーが身につくからです。

友人や配偶者に内容を話して教える、ツイッターやフェイスブックなどSNSやnote、ブログに勉強したことを人に教えるつもりで書く、YouTubeに覚えたことを教えるつもりで動画を取って上げるなどを行うと覚えやすいと思います。一番手軽なのは人に話すことです。身振り手振りをつけるとより覚えやすいので、おすすめです。

まとめ

1次試験は過去問に始まり、過去問に終わります。

過去問で各科目の自分の実力を知り、勉強の優先度を決めます。2次にも共通している科目については優先度はいずれにせよ高くなります。

そして、最後に過去問をもう一度解き、頻出論点の知識定着を行っていったことで合格を勝ち取りました。

実はこの方法は企業経営理論でも出てくるSWOT分析の手法と同じです。

自分の強みと弱みを知り、機会を活かすのです。実は1次試験の勉強の中にも戦略的思考を用いたコンサルタント思考のエッセンスが散りばめられていると言えるのです。

つぎは2次試験について書いていきたいと思います。では、ごきげんよう。

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