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サカナクションのユリイカで泣きそうになる

ここ数日サカナクションのユリイカにハマってリピートしていた。都会に暮らす人はその曲に心揺さぶられる人もいるのではないかと思う。以下自分なりの解釈を書いてみた。

東京でせわしなく働いて、空もビルで覆われている。意味もないのに生き急ぐ、色んな出来事が押し寄せ、必死で乗り越えながら気づいたら長い時が過ぎ去ってしまっていた。そしてそのせわしなさはいつ終わるかも分からないようにずっと続いていくようだ。

そんな時にふと思い出すのはかつては夕日に髪を染めていた過去の自分だ。「あなた」は過去の自分を指しているのかもしれない。昔は都会のせわしなさに寂しさを感じていた。今ではそれも忘れてしまっていた。母親のどくだみを刈る背中の姿は過去の心象風景なのだろう。

自分は生きている実感を味わえているのか、生き急いでいた自分に気づいてしまった。それに気づいた自分の心は震える。時が震えるかのように激しく自分の感情が揺さぶられる。そして涙が流れ、夜空の月が涙で見えなくなっていく。過去の自分が今の自分に何か言おうとしている、それは今の自分に対する慰めなのかもしれないが、それも耳にはとどかない。

逆説的ではあるが、自分が東京という街で夢中に過ごして時が移ろってしまったことの気づきに心動かされていることが、自分が生きていることの気づきでもある。「ユリイカ」はその気づきを指しているのかもしれない。

前半の淡々としたメロディラインが都会のせわしなさの中で生き急ぐ情景をあらわすのに対して、後半のエモーショナルなメロディラインは感情が揺れ動いている様を表しており、その対比によりグッと感情を動かされる。

自分がこれまで都会で過ごしてきた日々、仕事に追われながら過ごしてきたけど、それがどれだけの意味があったのだろうかと自分の存在を虚しく思う瞬間が、ふとした時に訪れて泣き崩れてしまう。そんな感情は自分にも重なるところがあり、泣きそうになる。

サカナクションの山口さんは療養中とのことだが、早く回復されることを願っている。サカナクションが日本に生まれてよかった。

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