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八戸でつくったお面のこと

壁一面にお面がついてる。布切れとか画用紙とかくっつけたいろんな顔が並んでる。お面をいじるコーナーに来た。

ベースのお面の顔は企画した人の顔で、色々加工していいらしい。人の顔をいじるのはどんな感じなのか気になって参加してしまった。担当と話してお面を選んで机に持ってったけど、そこでもう1人の担当になんか文句を言われる。そこのお面じゃなくて、使うのはこっちのお面だったらしい。まじで知らん案件すぎる。そして担当と仲悪くなって、でも半ば強引に制作が始まった。

画用紙とか毛糸とかの道具が置かれて、この上でやってくださいって感じで新聞紙を渡されたけど、なんか説明通りにするのが嫌だった。だからあまり在庫がなさそうな下敷き用の新聞紙を使うことにした。「一度壁に飾ったものは他の人は触らないように」っても言ってたから、作った後でも何かしら干渉できるようにしたいと思った。という感じで作り始めた。でも意外といいものができた気もする。

お面が企画者の顔であることはもう頭になくて、どんどん新聞を貼り付ける。宣伝用のキャッチーな安っぽいフレーズがあるからなんでもいいから貼ってみる。そこにちょうどQRコードがあった。これがよかった。丁寧に切り抜いてデコに貼って。お面の顔は広告に覆われて、隙間にベタついた肌が見えてる。このお面はベタベタする

僕が新聞を切ってるのを見て、2枚目を渡してくれた。ここら辺でなんか担当とちょっと仲良くなってた。少し後ろめたい気持ちがあったんだきっと。

2枚目の裏を見ると一面にイケメン俳優が大きく載ってた。もうこの顔がいいと思って、お面に当ててみると同じくらいだ。顔を切り抜いてお面に貼った。でも凸凹だからちょっと崩れる。でも元がいいからまだイケメンだ。QRコードは貼り直してやっぱりデコに貼っておく。これで完成。よく似合ってる。切り抜いた新聞の方をみると、切り抜いた顔のところが後ろの広告に置き換わっている。こっちの方が作品かもしれない。悪い意味じゃない。

お面の方は、担当がQRを読み込んでみてた。そしたら新聞のサイトに繋がったらしい。なんのQRかもう忘れてたけど、これはきっといいことしてしまったかもしれない。みんな読み込んでくれると、新聞社にもきっといい。

完成して、新聞紙は捨てて、お面を飾って挨拶して。早足にでてく。お面は満足だけどなんか居心地はイマイチだったから。でも楽しかった。

ここで思い出したけど、元のお面を撮るのを忘れてた。でも個人の顔だからネットに載せないほうがいいのかも。個人情報だから。載せてもいいのはわかってるけど。だから一枚だけ。


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