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サッカー界の指導者ライセンス制度廃止論について思うこと

本田圭佑さんが前回のW杯前くらいから、メディアで発言するようになって、加熱している論争です。

その過程で今年、日本サッカー協会の会長が宮本恒靖さんに代わってからすぐに二人は会談し、この件について本田さんが言及したと報道されていました。


指導者ライセンスとは

内容や取得期間、必要項目などの詳細は
日本サッカー協会のHPをみてほしいんですけど



ようはC~Sまであって、
それによって指導できるカテゴリが違うというもの。


今回議題にあがっているのは
その中でも最上位のS級ライセンスというもので、
Jリーグと代表の監督ができるというもの。

講習期間は1年で、その中に1か月以上、Jリーグのチームに帯同しての活動と、海外での2週間以上の活動なども含まれている。

ちなみに費用は550,000円だそうです。


この1年の講習期間というのが問題で、
受講資格もその一つ下のA級ライセンス保持者でないといけない。
というもの。


本田さんの主張


一貫して
・育成はライセンスが必要、何ならもっと厳しくするべき
・トッププロに限って、現役を終えてから何年もかけてライセンスを取得してからでないと、現場で指導できないのは時間がもったいない。

というもの。


最近また本田さんが発言したことについて、
世論が乗っかっていく動きが見られたので、
色々考えたことを書いていこうと思う。




現行の制度を変えるということの難しさ

まず本題とは違うが、結構大事なことを話すね。

この『ライセンス制度廃止』というのは、
何か大きな問題がおきたわけではく、
特段日本サッカー界を揺るがす
ネガティブな問題が起こる危険性がありますよ、
という段階でもない。

ただ、ライセンス取得の過程に
時間とお金がかかりすぎて、
日本サッカーの発展にマイナスでしかないです、
って主張だから。


これだけの理由で、
仕組みを変えるのって
日本のお堅い人たちの、
お堅い組織ではかなり難しい。



この仕組みによって、
何か世論に示しがつかないような
大きな問題が起きましたか?


No


僕も学校で働いていたし、
高野連との関りの中で、何回も呼び出されて
やり合った経験があるから、わかるけど、
制度を変える=やばいことが起こっ”た”(was)
→これじゃだめだな
(世論の目、意見、が、、、)よし、変えよう!


なのね。


問題が起こってからじゃないと、
大きな変更ってないの。



これは仕方ないのよ、組織が大きくて公で、営利活動、勝利至上主義(金儲けや成果)を前面に出せない”建前”があるから。


そういう社会の仕組みを
理解しなきゃいけないのと同時に、
こうやって、建設的な改革が
”誰の手によっても進められない”

(反対ではないし、良いとはわかっているけど、変えるリスク、手間と天秤にかけたときに、現状維持が楽だよね。危機にさらされているわけではないし。変えて失敗したら、マイナスな“イメージ”と“評価”しか残らないでしょ?ってなる構図)

を理解すべき。


今の日本の政治にそっくりですよね。

これでわかった?

そういうこと。

大きく、公に建前が大きくなりすぎると、身動きが取れなくなる。

中にいる人も自分の立場を守りたいように映ってしまうけど、
本質はちょっと違って、

やりたいことを一人でやっても
どうせ進まないし、
この現状維持をキープすることが、
とりあえずの平穏をもたらしている
というのは一応事実ではあるから、

その任務を遂行している自分はスゴイ。
(うん、もちろんスゴクなくはない)


こうやって組織とか社会は
出来上がっていくんだ、
という何の学問で語れば良いのか?

みたいな議題を頭の片隅に置きながら、
考えないと、おかしな方向にいくので、
その前提を忘れずに話していきたいと思う。


中で話しているであろうこと

おそらく、

『ホンダが言ったから変わった』
ってなるのが一番嫌だ。

じゃないかなって思う。


先の理屈から考えるとわかるだろう。



会長も、
これで制度を変えて仮に問題が出てきたら?
制度改革による10個の成果よりも
1個の問題によって責任を問われることになる。

これがよくある
『誰が責任をとるのですか?』

学校や高野連でよく聞いたセリフだ。


僕はまあ一貫して『僕が辞めます』
と貫いてきたが、
日本サッカー協会の会長はそうはいかない。

その次にくる
『辞めるのが責任の取り方ではない』
みたいな議論

になる。


変化して失敗することに対するアレルギーが
ちょいと強すぎるきらいがあるからな。


まあ仕方ないのよね。
国民性とその組織の文化ってものがあるから、

(この辺も言及したいけど、今回の議題とズレるからまた後日)


世論のリテラシー

ここで大事になってくるのが
我々庶民(世論)のリテラシーだよ。
ちゃんと自分で情報を収集して、咀嚼して、自分なりの意見をもつこと。

アホみたいなことを言っているメディアやユーチューバーにそそのかされないで、発言できるか。だ。


メディアも政治と同じように考えてみると良い。
国民をどちらに誘導したいか、誰とどの局がつながっているか?
誰を当選させたくないか?

などが露骨にわかる。


まぁ今回は“たかが”サッカーなのだが、
同じようなことがある。


だから仮に今後、
本田さんの主張が認められて
制度が変わったとして、
問題が起きた瞬間に叩くとか、
会長はどう責任を取るんだ、とか
言う世論にはなってほしくない。

メディアはそう煽ると思うが。

これが大事な問題だと思うなら、
どんどん議論して、SNSにでもアップして、自分たちがおおきな世論になること。



メディアとの付き合い方を学ぶこと。

世論の形なんてあってないようなもの。

無責任だけど、強力だ、ということくらいか。


本田さんの狙い

おそらくこの構図を理解しているからこそ、
本田さんは世論をうまく巻き込もうとしているのだろう。

一人で意見書を提出したところで
何も変わらないのなんて、
目に見えているから。


だから賛同するなら
巻き込まれていってください。



僕はこういうのを見て、野球にどう応用できるかなど、考える良い機会を頂いたな、と思ってみています。



本題

私見

僕は本田さんの意見に賛成かな。

育成は逆に欧州みたいにもっと体系化すべき。
上は誰がやっても、ね。
大人だし、
結果が出なければクビだし、
知識や指導力がなければ選手は言うこと聞かなくて、チーム崩壊するだろうし(そうしたらもちろんクビだし、自分で気付くでしょ、そして勉強するでしょ、この仕事で食べていきたいなら)

育成は相手が子どもだから。
人間的な部分での”失敗”はある意味許されない。
”はい、サッカー下手だからさよなら”が使えないからね。
大人はそれで良いけど、


既得権益


ライセンス制度が変わらない要因の一つに
『既得権益者が自分たちの利権を守るため』
という指摘があるが、あながち間違いではないだろうね。

この法の傘のもとに、スーパーだった選手たちが言うことを聞いて
”一応”リスペクトしてくれるだろうから。

お金も入るしね。
(お金は下のカテゴリのライセンス取得者がわんさかいるから、そこで集めるのが狙いなんだろうな)


いまのサッカー界って、実力や知識、指導実績で比べたら、
申し訳ないけど30~40代の人達がすごすぎるじゃん?

一気にレベルが上がって世界に出ていった世代だから、今現役の選手も含めると雲泥の差よね。

ミランの10番に
インテル、ドルトムント、リバプール、アーセナルのレギュラーにチャンピオンズリーグベスト4とかプレミア優勝でしょ?

今の50、60の人たちはそこを知らないわけじゃん。


でもそういう人たちと競争になると、勝てないだろうから、
ライセンスという制度で古い人たちを守っている、みたいな構図。


HaHa



自由競争

これが既得権益の問題から派生する
自由競争が生まれにくい状況ね。


もっといえば、選手として全然だったけど25で引退してバルセロナの通訳からスタートして、チャンピオンズリーグ優勝監督になりました、みたいな人も現れる可能性だってある。



し、そのセーフティネットをはらなければいけないし、固定概念で指導者を見ることをなくすべき。


まとめ

指導者も自由競争にさらされた中で、既得権益にしがみつかない、実力主義の本物の資本主義がみたいな、と。


それで生き残った者がすべてだよ、という世界にした方が全体のレベルは上がるし、下の間口も広がるから理想の形だな。



実力ない人は淘汰されるのがプロの世界だからさ。
僕も生きているうちに日本のW杯優勝をみたいよ。

野球でWBC優勝してもあのくらいだから。
やっぱり世界一のスポーツはサッカーよ。




僕の人生設計では60で自分のサッカークラブ持って監督をやることです。
(自己満)


スポーツ的な楽しさでいうと、野球の何倍もサッカーが好きです。



あ、ライセンスとりにいかなきゃ(笑)




Hiroki Iijima

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