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若手エンジニアに必要な第3の場所

 今日は世間はAdvent Calendarで盛り上がっている中、何のAdvent Calendarにも引っかからないことをつらつらと書いていこうかなと思います。

先日、翔泳社さん主催のDevelopers Boostという"U30版のDevelopers Summit"と称されるイベントに登壇してきました。

 ちなみにそのときの資料がこちら

 公募枠でお話をさせていただき、いつものように全力で臨んだのですが、ありがたいことに自分が思っている以上に多くの反響をいただきました。

などなど。

正直、自分の中では意外なもので、今日は改めてこの背景にどんな状況があるのかを考えてみようと思います。

参加者の傾向

 今回はU30ということで参加者は23~30歳に限定されています。また、セッションの内容からもエンジニアもしくはその周辺のデザイナーやディレクター、はたまたエンジニアを目指している方がほとんどだと思います。

 開催日は土曜日。わざわざ休日を返上して、参加するようなモチベーションの高い方々でしょう。そのモチベーションの方向性には

・「外の世界を見てみたい」

・「事例を聞いて生かしたい」

・「モヤモヤした気持ちを晴らしたい」

などいろいろあると思います。

私も自分の出番までにいろいろなセッションを覗かせていただいたところ、特に興味の方向が強いのは"キャリア"や"マネージメント"だったのかもしれません。

 そんな中で私のセッションに多くの方々が反応してくださったのはなぜか。その背景には何があるかを考えてみました。

自分の中でモヤモヤしてるけど、どうしたら良いかわからない

 私のセッションは「組織にモヤモヤしたら聞く話」というタイトルでした。我ながら抽象的なタイトルでしたが、こんな導入文を書きました。

組織において、“若手”というだけで辛い出来事がたくさんあります。

・やりたいことがをやらせてもらえない。
・“誰でもできること”に時間を取られ、自分の価値に自信を持てない
・チームの雰囲気が悪く、やりづらい。

これはひとえに「若手だから…」と雑用をやらされたし、全体像の説明もなく意味もわからず部分的な作業を強いられたり、明らかにおかしくても「こういうものだから…」と流されたり。

そんな時にどのように立ち振る舞うか、一人からできることは何かを考えてやってきた私は30歳の今、認定スクラムプロダクトオーナー、AWSソリューションアーキテクト、1000人以上を対象にした働き方改革担当という社内でのポジションと月1本以上の外部登壇、年間100人以上の知り合いの増加など自信を持って“やりたいことを自由にできる”ようになりました。
そんな経験とその裏にある理論をお話しさせていただき、このセッションの後には目の前の霧が晴れるようなお話をさせていただきます。

この導入文だけで多くの方にきていただけたということは、若手エンジニアたちは

・理不尽なことに悩まされていたり・・・

・ギクシャクした人間関係の中にたたずんでいたり・・・

・「若手だから」と雑用を押し付けられてたり・・・

という現状から共感してきてくれたのかもしれません。

実際にセッションの始めに期待値をすり合わせる時間をとり、Twitterに呟いてもらいました。

その時にも

・単純作業ばっかりで・・・

・転職以外の具体的なアクションを・・・

などが上がっていました。

これはある種の採用活動のギャップなのでは?と思います。

以前、こんなお話をさせていただきたことがあります。

人事担当は「活躍できる、個性ある方を積極採用します!」と言っているのに、いざ入社してみたら、単一なトレーニングを行い、個性を自ら平準化してしまっている。それにより、結局個性が強い人材は早期で退職し、それに耐えられる柔軟な人、もしくは個性が比較的ない人のみが残る。ここに矛盾がある。そして捨て台詞のように「最近の若いもんは根性がないからすぐやめる・・・」と。

どうでしょう?同じことが起こっているのではないでしょうか?

結局、その子の個性や才能を買って採用したのに、誰でもできる単純作業を押し付けている事実。それがこのようなリアルな声になって帰ってきているのではないでしょうか?

ちなみに上記のお話をしたときの資料がこちら。

こんな状況だと、会社の人には相談できないですよね?

周りに相談できない。むしろしたくない

 最近巷では1 on 1が流行っています。そう、あえて"流行っています"と表現しましたが、口には出さないものの「"流行っている"からやっている」という状態で本質的な対話の場ではなく、一方的な進捗確認、時には上司の愚痴を聞く場に成り下がっているのもよく聞きます。

 そして、挙げ句の果てに何か問題が起こると

「なんで 1 on 1で言ってくれなかったんだ!」

と。こんな状況で相談ができるわけがないでしょう。

むしろ、「悩みの種はあんたなんだよ!」ということもあるのでしょう。

そんな時は全く関係性のない赤の他人だからこそ、話を聞きたい。聞いてもらいたいということもあります。

そう言った意味でも私のセッションに期待してくれたのかもしれません。

自分から変われるのか不安。自分でどうにかできることではなさそう

 一方でその悩み自体があまりに大きなものだったり、自分の手でどうにかできる自信がないこともあるでしょう。今回で言うと"組織"と言うテーマがまさしくそうでしょう。

 これが経営層やマネージメントに関わる人ならまでしも、20代となると会社の規模にもよりますが、直接、効果的なアクションを今すぐできるのは限られた人でしょう。

いろんなこと勧められるけどハードルが高い。自分に合うかわからない

 そしてすでにいろんな打ち手を試していたり、相談したり、書籍やニュースなどからアイディアを得て行動している人も多くいると思います。

 だけど、具体性に欠けて何か遠く感じたり、ピンとこないことも多くあると思います。そう考えると私のセッションの中で触れた以下の2点

・アウトプットを使用

・「自分が何者なのか」を問い続けよう

は小さな一歩であり、誰でも始めれることだったことが大きいのかもしれません。

不安な若手エンジニアはまだまだいっぱいいる

 そもそも、前述の通り、このイベントに来た人はアクティブで何かしらのモチベーションを持って足を運んだ人たちです。

 そんな方々でもこう言ったテーマで悩みを持っている事を肌で感じました。

 私自身、30歳になった今こうやって少しは自信を持って前に立てるようになったのは主にこの1年半の間多くの方々と出会ってからです。

 もしそのような出会いがなく、背中を押してくれる人がいなければ、今でも自分の将来への不安や自信のなさに押しつぶされているかもしれません。

仲間を探そう。アニキを探そう。

 ただ、私が思うのは思っている以上に背中を押してくれる人はいっぱいいます。

 社外に飛び出すとエンジニア勉強会はいっぱいあります。その種類も初心者向け〜上級者向けまで様々です。

 初心者向けイベントであれば、自分と同じ境遇や悩みを持つ仲間がたくさんいます。利害関係のない彼らとそこで積極的に話をすることで自分のヒントになることもたくさんあります。

 私もそう言った同じビジョンを見ている仲間と立ち上げたコミュニティーが会社でも家でもない第3の居場所となっています。

また、そんな仲間だけではなくて、自分の知らない知識や経験を持つ人々と出会えるのもコミュニティーです。積極的に質問をしたり、Twitterをフォローしたり、「今日はありがとうございました!」と声をかけるだけでも力になってくれます。私がDevLOVEと言うコミュニティーで出会ったのはそんなたくさんのアニキたちでした。

 このようなたくさんある第3の場所に気づけること出前に進める若手エンジニアが増えるとキラキラした状態からそのまま成長して活躍できる人材がより一層育つと感じています。

 そのために、私自身も是非力になりたいと思い、この機会に質問箱を立ち上げました!

 些細なことでも、重ーいことでもぜひあなたの仲間として、アニキとして頼ってもらえれば嬉しいです!

主にPjM、PO、セールスエンジニア、AWS ソリューションアーキテクトなどを務める。「映像業界の働き方を変える」をモットーにエンジニア組織を超えたスクラムの導入、実践に奔走。DevLOVEなど各種コミュニティーにおいてチームビルディングやワークショップのファシリテーションを行う