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ミクロサイクルにおけるエネルギー系を考慮したトレーニングの決め方


ミクロサイクルとは、一週間単位のトレーニング計画のことで、適切に強度を調整することがアスリートの疲労やオーバートレーニングを防ぐ鍵です。
具体的には、異なる日に異なるエネルギーシステム(無酸素系や有酸素系)を使い分けることで、選手が回復しつつも必要な適応を促すことができます。

主なポイント:

  1. トレーニング強度の調整

    • トレーニングの強度は運動の種類によって異なります。高強度のトレーニングは無酸素系エネルギーシステム(ホスファゲン系と速い解糖系)を多く使い、低強度では有酸素系(遅い解糖系と酸化系)が主に使われます。

    • 強度が高い日と低い日を交互にすることで、アスリートの体は適応しながらも適切に回復することができます。

  2. エネルギー貯蔵量の管理

    • 競技後や大会後の疲れが蓄積している場合、トレーニングの強度を下げることが重要です。これにより、選手は適切に回復し、次のトレーニングや競技に備えることができます。

  3. トレーニングと回復のバランス

    • 準備段階では、選手が基礎から力をつけることに焦点を置いているので、完全に回復するまで待つ必要はありません。

    • 一方で、大会直前のアンローディング期間では、完全に回復して最高のパフォーマンスを目指す必要があります。

  4. トレーニングセッションの計画

    • 毎日のトレーニングは、その日の目的に合わせて特定のエネルギーシステムをターゲットにします。無酸素性非乳酸(ATP-CP)・無酸素性乳酸・有酸素性、全てのトレーニング活動を一日で行うのではなく、異なる日に異なる焦点を置くことが可能です。

  5. システマティックなアプローチ

    • トレーニングの各セッションを計画する際には、どのエネルギーシステムに焦点を当てるかを明確にし、それに基づいてスキルや運動能力を分類します。

  6. スキルや運動能力の分類

    • 負荷のかかるエネルギー系に従って、すべてのスキルとトレーニングの種類を分類する

    • 注意点:スポーツに関連するスキルと生体運動能力を体系的に分類すること。

交互エネルギーシステムのためのスキルとフィジカルトレーニングの分類

野球の練習を分類した場合、以下のようになるかと思います。
実行する時間によってエネルギー代謝が変わるため、実行時間に基づいてトレーニングの組み合わせを考えると効果的です。
多彩な練習メニューを以下の表に当てはめることで、メニュー作成時に考えやすくなるでしょう。

エネルギーシステムをさらに細かく分類すると、以下の通りです。

以上の点を考慮してメニュー作成を行う際には、技術的・戦術的セッションはトレーニングの生理学的特性を考慮しながら、そのスポーツに特化したドリルを設計する必要があります。

トレーニングの相性

強度ゾーン1:ATP-CP系のトレーニング。パワーと最大筋力の筋力トレーニングと相性が良い。

強度ゾーン2:乳酸系パワーと乳酸容量のトレーニング。パワー持久力と相性が良い。

強度ゾーン6:回復を促進させるトレーニング。ドリルの合間や最後に取り入れると効果的。

トレーニングプランの例

考え方としては、それぞれの強度ゾーンのトレーニングタイプがどのエネルギーシステムを使っているのかと、そこに組み合わさるストレングストレーニングは同様のエネルギーシステムを使うトレーニングであることが重要です。

例えば、強度ゾーン1とウエイトトレーニングを行う日であれば、以下のように実施します。

・ATP-CP系のトレーニング:ピッチングやバッティング、サインプレーなど
強度ゾーン1のドリル:メディシンボールスローやプライオメトリックトレーニング
ストレングストレーニング:1RMの70%から90%の負荷で、1回から5回のレップを行う最大筋力のトレーニング

以上のように、エネルギーシステムとトレーニング強度を考慮したメニュー作成を行うことで、効率的かつ効果的な練習プランを設計することができます。

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