【乳房にがん】40日目

2020/06/30

6月中にここまでこれたこと、本当に良かった。

素直な気持ちです。

朝、なかなか手術に呼ばれない母はソワソワしたのか、何度もラウンジに顔を出してくれました。そしていざ出発。

「頑張ってくる!」というので「頑張るのは先生であって、ママではない」なんて軽口を言いながら送り出しました。

その背中に、『どうか無事で』と聴こえない祈りをかけながら。

立会の場合、家族は院内で飲食しながら待ったりするものだけど、私も緊張してるからかなかなかお腹が空かず、このnoteに投稿したら、本を読みながら過ごした。

看護師さんからは12時には先生からの説明があるから戻ってくるようにと言われていたが、トイレ以外では席を立つ気にはなれなかった。

11時すぎ、急に眠気が襲ってきた。昼食後に襲う、あの制御しきれない眠さ。それがガーっと押し寄せてきて、止まらなかった。

思わずコクコクしていると、かすかに遠くで「ひろかわさんーひろかわさーん」と呼ぶ声がする。

はっと目を覚ましてあたりを見回すと手術着姿の先生が私を探してうろうろとされていた。

「はい!」といいながらスマホを触ると「11:21」と表示されている。想像以上に早い。これは!と期待してしまう。

「手術終わりました。まず、見張りリンパが見つかって、転移はありませんでした。それから、腫瘍の周りを四隅調べても癌の転移は見当たらなかったので、昨日の話の中で最もベストな方法である、腫瘍だけを切り取ることですみました。抗がん剤などに関しては退院後となりますが、一先ず今日はこれで終わりました」

こんなにもかと思うほど、全身に安堵が広がる。安堵とはこういうものだと体に覚え込ませるような感覚があった。

涙が出そうになるのを堪えながら、先生の見立てというのは素晴らしいと感心しながら、ただただお礼を述べることしか出来なかった。

「11:45くらいには麻酔から醒めて戻ってくると思いますのでそれまではね。あと、見張りリンパは炎症してました。でも大丈夫。ではね」

そういうと颯爽と戻っていかれました。本当に不安を与えない素晴らしい先生。

疲れたであろうに笑顔を交えての説明に癒された。

そこからがちょっと長く、なかなか看護師さんから声がかからない。

母の兄にあたるおじに電話で結果を伝えると、電話口からもわかるホッとした声が。

おじもとても心配してくれていたのであろう。

そわそわして待つと、12:30くらいに看護師さんが登場。セキュリティケースの鍵を預けると、『では』という感じだったので、「顔見ることは出来ませんか?」と粘った。

不安であろう母を少しでも早く安心させたくて、結果を伝えたかった。そして顔を見て励ましたかった。

看護師さんから5分だけ許され、面会できることに。

母は麻酔の影響で酸素マスクをしていた。一目みると途端に顔が緩む。

結果を伝えると、目を真っ赤にした。

「よかった。転移がないか本当に不安だったからよかった。」

と今日は嬉し泣きした。

「今日は先生が頑張ったから、明日からはママが頑張る番だよ」

そんなどこかの台詞のような言葉を言いながら、顔を見て会話できたこと、麻酔で喉が腫れてるのに必死に思いを伝えようとしてくれる母にありがとう!という思いだった。

ここからの治療も長いだろう。でも、まず幸先の良いスタートが切れたこと。ただただありがたい。

お疲れ様!ママ!

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