【乳房にがん】40日目 part2

2020/06/30

6月27日。病院から、29日に入院出来るか否かの連絡が一応あるはずと思いながら待っていました。

母とは、『入院延期になったら、病室が第一希望の9000円の4人部屋に変更できるかもよ! そしたら浮いたお金で快気祝いで温泉だ!』なんて話していました。

ところが一向に連絡がありません。

母が仕方なしに病院に連絡すると、29日入院手続きをしてほしい、ベットは3人部屋(12000円)で変わりないことが伝えられました。

「なんだー!病室変わらないー!」なんて叫びながら(笑)とりあえず29日に入院が無事に完了することを祈りながらあと1日過ごすことにしました。

結論から言うと、29日には入院が出来ました。

入院受付で問題なく手続きが終わり、病棟へ行くことに。

病棟について看護師さんに荷物のトランクを預けると、ここからはもう私はついていけないとのこと。コロナですから。。。

看護師さんに連れられ母は病棟へと吸い込まれて行きました。

しかし、手術前の最後の先生からのオリエンテーションがある時間を聞かなくてはならないので、しばし待機。

すると20分ほどして母がラウンジに登場しました。

この20分の間に、担当の先生が無事復帰となってgoサインが出たとのことで、あわよくば、病棟に入ってからも退院の可能性があったことを母から伝えられて、なんたることや!!と思いました。

ほんと、患者への負担たかい。。。

母は5分しか面会が許されないとのことで、そそくさと用件を伝えると病棟へ戻って行きました。

コロナじゃなければ、もっと病室内で荷物の整理を手伝ったりしながら励ましたりできたんですが、そんなこともこの世の中じゃままならないんですねー。

でも相変わらずで、元気そうでした。

その後、病院にいてもやれることはないので、先生のオリエンまで自宅で待機することに。

再度夕方に病院に戻ってくると、日中とは打って変わって静かさに満ちている病院で、静かさに落ち着くと同時に不気味さも感じました。

先生からは生検の結果、PET-CTの結果をあわせての現状が伝えられました。

①明らかな他臓器、骨、リンパ節への転移は見られない

②ホルモンを餌にして成長していく癌であること

という2つのハッピーなニュースが伝えられました。

②がなぜハッピーかというと、ホルモン対抗があるということは、ホルモン治療での効果が非常に期待できること。そしてホルモン治療は副作用が極めて少ないこと。なので、術後の対応が明確で根治に向かいやすいとのことでした。

ただ、癌の活性化率が60%と非常に高く、ホルモンに依存している癌は通常5%の活性化率であることから、急速に進行していると考えられる、つまりこの2〜3ヶ月で癌化してきたのだろうと。

母は2年に一度乳がん検診を受けていて、かつ、前回の検診が2019年2月だったから(そのときは良性石灰化で癌の可能性なし)絶対進行が速い癌だと思っていて、その予感が的中したことに、むしろ謎が解けてほっとしていました。

ただ、60%という数字に強い衝撃を受けていて、涙目になり、先生もとても驚いていました。

「まぁ数字はビックリするものだけど、前回伝えたnuclear grade3と同義だから、2回落ち込む必要はないよ」

となだめてくださるのですが、まぁ、大女優ばりに胸に手を当てて、「ショックです」を繰り返す母。本人の悲劇は他人の喜劇なんて言いますが、私はここにそれを見ましたね(笑)それくらいオーバーでした。。。

先生のオリエンテーションはスライドを使ってわかりやすくとても丁寧なものでした。

何度も思うことですが、一流の大学病院のセンター長なのに横柄なところがひとつもなく、とても柔らかい先生です。数度、「ここまででわからないことありますか?」とこちらの歩調に歩み寄ってくださる。

おかげで分からないことを質問しながら、しっかりと明日の手術をイメージ出来ました。

ちゃんとリスクも伝えていただけたので、こちらとしては最悪、も想定でき、それでいて、ベストで終わって欲しいなーという気持ちでオリエンを終えることが出来ました。

オリエン自体終始なごやかで、笑いもあり、まだ不安定になりながらも前を向うと必死な母に拍手喝采です。

診察室を出て、おじが見舞いがわりとくれた図書カードで買った旅の本を渡し、オリエンを2人で振り返りました。

不安定の極みだけれど、私はオリエンで本当にポジティブになれたことを母に伝え、とにかく今日はよく寝ることをお願いして、エレベーターで別れました。

病室まで見送ることのできない寂しさに包まれ、根治に向かって進む母をただ見つめながら、急に歳を取ったような背中に声にならないエールを送りました。

そして今日、いよいよ手術です。

祈ることしかできないけれど、どうか無事こちらに戻ってきてほしいばかりです。

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