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繋ぎ目が必要な理由

こんにちは。
今日は服を作る際に工場とブランドの間に存在するOEM会社・企画会社・商社・振り屋は必要かどうか。僕としての考えを簡単に書いておきます。

結論で言うと「必要な場合が多い」です。

理由も簡単に書いておきます。現場として受ける側、依頼する方として出す側どちらの側面も経験もあるので少しは参考になるかも。
先に必要がない場合を書いたほうがわかり易いので書きますと

①企画に時間や足を使うことを厭わない
②商品や素材知識が豊富
③縫製工場や機屋さんとのやりとりや交渉を苦にしない
④資金力がある(やりたい規模にあわせ)

etc.....

このあたりがクリアであれば正直必要ないです。(必要性が低い)
逆にこのあたりに不安を抱えていたり、先々の成長を考えて時間的な余白を持ちたいと感じる場合は必要性があるか、経験のない初期段階では絶対必要に近いかも。必要な場合は上の反対です。

1.時間や足をつかう手間を省きたい
2.商品や素材知識が乏しい
3.縫製工場や機屋さんとのやりとりや交渉を省きたい
4.資金力が乏しい・自転車操業である

こういった状況次第で、中間業者に頼んだほうがいい場合、頼まざるを得ない場合があります。
ざっとした事ですがここまでで基本となる僕の考えは終わりで、以下は細かい例や状況です。必要そうでしたら見てください。中間業者を介するメリットデメリットを僕なりに書いておきます(ほかにもあると思うので参考までに)。

1.時間や足をつかう手間

間に居てくれる事で、服を作る際に必要な情報を一気に集めやすくなります。
生地ひとつとっても自分自身で探すとなると布帛生地・ニット生地など各々の素材に対して結構な数の生地メーカーさんがあります。芯やボタンなども同様に。それらを1件ずつ問い合わせして商材を取り寄せたり訪問して確認したり…。結構な重労働です。これらをある程度固めて情報を持っている中間業者さんがいれば話は早くなります。スケジュール管理にしてもそうで素材の納期に、縫製関連の納期管理などやるとなると、確認先も多くなりますし、結構時間持って行かれます。
 ただ直接メーカーから購入するより、直接工場に依頼するより割高になります(1社介する分の利益が上乗せされますので)。時間・手間暇をどう見るのか。ですね。

2.商品や素材知識

ここは結構重要な点になります。
服が好きだと言っても、縫い方・パターン作成能力・デザインが書けるか・素材関連の知識など。服を作るとなると思っている以上の知識が必要になります。アパレルで勤務経験があったとしても企画や生産業務に深く関わってなければこのあたりの知識は持ってないことが殆どです。とはいえ生地・資材・縫製・パターン、各々が特化したエキスパートでもないと深い知識とは言えません。全てを中間業者が深く知ってることはほぼ無いですが、広くそこそこ深く知っているところであれば商品企画を進行することが非常にスムーズになりますし、深く知りたい場合はその繋がりで質問できる相手も見つけやすいです。
 たとえばある生地は洗濯することで縮む、ある生地は縮まない。この2つを組み合わせたデザインで何も知らずにパターン作成して縫製してしまって、お客さまが洗濯してしまったら…。怖い怖い。
 こういうリスクに関しては予め伝えてくれるはずです。大体どこも1点は強みを持っていたりしますしね。

3.現場との交渉ややりとり

基本的に工場や現場の作業者や職人は、コミュニケーション力が高いわけでは無いです。そもそも作業の手を止めることが嫌なので、やりとりは端的に手短に済ませたい人が多いです。
実際やりとりしてみれば分かるのですが、人によっては愛想がないとか怖いと感じる人も居るかもしれませんね。これは現場側も問題ではありますが、いままで基本的に依頼を請け側として仕事をしてきたので仕事の主たる部分がコミュニケーション(営業)ではないので僕はここは得手不得手で仕方ないと感じてます。あわせて生産管理や品質管理は現場ごとに基準が違いますので、求めるレベルにあわせてやりとりは増えます。(場合によっては拒否される)
 こういった人たちとのやりとりや交渉は、人情味と冷静さの両方をもって対応していかないといけない部分です。何かあった場合はリスクを回避できる知識も人脈も必要です。理詰めだけではうまくいきません(経験上これは絶対)。予想以上に精神力使います。
ここのストレスや時間を担ってくれるのは結構大きいことです。
現場とやりとりする場合は、作業をスムーズに進行するために質問や確認事項には素早く答えたり、知識もある程度持っていないと話にすらならないことも多々あります。そこを怒られながらも覚えたい人は別としてですけど。

4.資金問題

ここわりと重要です。
服を作り、それが売れて現金化されて利益となり手元に残るまでには結構な時間が必要です。商品が出来上がるまでだけを考えても…
・デザインやパターンを作り
・材料関連を揃え
・サンプルを作り
・縫製して製品にする
・それを販売する
という流れがあります。この流れの一つ一つで掛け売りでなくキャッシュオン(現金で即購入)対応していたら、販売までに結構な資金が必要になります。商社(当然信用情報は見られますが)さんなんかはこういった資金面を先行して払ってくれていて、材料や工賃含めた製品代として最後にまとめて請求してくれたりします。
 製品の受け取りまでに資金を用意すれば良い時間的な余裕と、支払い回数の手間を省いてくれるわけです。当然途中で起こるリスクも加味しないといけないのでバラバラに対応するより結構割高です。
 地味なことですが、材料や商品を都度都度あずかって貰える場所的なメリットも大きいです。すんごい場所とるのが服作りなので。


最後に。こういった役割を担っているので必要なのであって、何一つ役割を果たしていないとか、全部自分でやれるという人には必要がない部分です。
ただ、そういった中間にて対応している会社に必要ないからと言って
「直接やるので紹介してください」
何てことを言うのも間違ってます
ので、全部やれるという人は自身で一つずつクリアして開拓して覚えていきましょう。人脈もその方々が培ってきた財産です。高い安いと感じて言えるのはやってみて初めてわかることなので。ね。


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