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映画:バービー

我が家は姉がいましたが、バービーではなくリカちゃん派でした。

日本では公開前から変な方向で炎上し、一躍話題となったこの映画「バービー」。その炎上のせいで、本映画のレビューが残念なことになっていたり、変なところに波及していますが、その炎上内容はひとまず置いておいて、ただ単に映画としてのレビューです。

そもそも、日本人であり、男であるのであまりバービーというものに思いれはなく、予告をみてもなんだかキラキラしていて、マーゴット・ロビーやライアン・ゴズリングがワイワイする程度の映画かなというくらいの印象で怖いもの見たさに似た感覚で鑑賞。

冒頭からまぁ出てくるわ出てくるわ色々なバービーたちが。昨今でよく話題になり、映画界でも切っては切れない様々な人種的問題がチラついてしまうも、これらはあくまでバービー人形たちである。

バービーランドでは女性が全てを統率し、さまざまなバービーがそれぞれの役わりをこなしながら暮らしている。主人公のマーゴットバービーは「定番バービー」であるため、これといった職業についてるわけでもない。その主人公がとある理由で人間界にくるのだが、まぁここの理由は正直どういうことよ(笑)、っていう内容ではあったけれど、観ていくとわかるのだが、この映画はコメディである。コメディにそんな物語の展開の難癖をいちいちつけることほど残念なことはない。

さらにいうと、映し出される独特なこの世界観、舞台やセットは制作側のバービーへの本気度が垣間見えるし、小道具なんかへのこだわりもさぞすごいのだろうなと感じた。

そして、リアルワールドに訪れたバービーとケン。バービーランドと同じように女の子たちがパワーにあふれ、活気に満ちて幸せに暮らしていると信じていたバービーだが、リアルワールドをみて驚嘆。バービーランドのような女性たちはリアルワールドには見当たらなかったのだった。
そしてここからがケンの出番である。バービーランドではケンは付属品のようなものでおまけであり、もちろん扱いもバービーと同等にすらなることはない。リスペクトされることがなかったのである。明確に彼氏設定がない?のか、友達以上にすらなることができないのだった。

そんな彼が現実にきて、女性にただ丁寧に時間を聞かれただけで自分にはちゃんと尊厳があると自己肯定感が芽生えるのであった。彼にとってリアルワールドは自分が活躍できる可能性がある世界であり、そんな世界に胸を躍らせ、憧れを持ってしまう。個人的にはここのパートが結構好き。リカちゃんにもなんか彼氏みたいなキャラがいたが、もはや名前すら出てこない。まぁきっとそういう立ち位置だったのだろう。

まぁそこからバービーランドに戻るなどてんやわんやあり、そこには男社会の設立を目論むケンの姿が。男たちにだって可能性があるんだ!と言わんばかりの主張である。セリフにもあったが、免疫がなさすぎて一気に暴走するいい典型で面白かった。バービーは自分の世界が奪われたと自信を失い、もう何者でもないとすべてを放棄してしまう。

こうして始まった争いにバービーランドの行く末は…!?

この後も結構笑えるパートが多く、男たちをなんとか手玉に取ろうとするシーンなんか普通に笑っちゃった。ゴッドファーザーのくだりとかね。

全体的にコメディが全推しされていて、普通に笑って面白かったし、マーゴットやライアンはもちろんその脇を固める役者さんたちも良い味出していました。

映画として普通に面白いのに、(公式側の)あんなくだらない発言のせいで余計なノイズが入ってしまうことが本当に残念。

また、この映画の内容を現実のフェミニズムとかに絡めるのもおかしな話だなとも思う。だってこれ、バービーランドの話よ?っていう。ただ、まったく関係ないかといえばどうだろうとも思うところももちろんある。ただそういった問題をあくまで「バービー」の世界で描いたのはとても上手いなぁとも思った。まぁだからこそ、それを現代社会の問題を持ち出してあーだこーだというのはエンターテイメントに対しての冒涜のようにも感じてしまう。

もし制作者側の意図でそういったことを感じ取れ!っていうのがあったらごめんなさいだけども…笑

最終的にそれぞれが自分が何かの枠にハマるのではなく、自由であっていいんだというのがこの映画のテーマだと感じるし、捉え方も自由でいいのかもしれないね。

本当もう一度いうけど、公式のあの不用意な配慮のないツイートのおかげでこの面白い映画に嫌なフィルターをつけてしまったのは本当に罪深いと思う。
本当を重ね重ね使ってしまうほど、本当にそう思う。

キラキラのお花畑ムービーであることには違いないが、しっかりとしたコメディにはっきりとしたテーマ、そしてエンディングがあるのでちょっとまだ悩んでるという人がいれば、気分転換に見に行くのはありかと思います!

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