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メモ

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個人的メモ書き.
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2023年8月の記事一覧

◆(de/co)を含むA→B→C→D…を受けて「ああ、面白かった」というのは単なる鑑賞(暗示直撃)であり、その面白いの理由を吟味省察し、内的構造、連関、相互作用等を解析、すなわち自身の分節体系で対象と切り結び(分節防御)、これを根拠に基づいて明晰な言葉で表現することが批評的鑑賞。

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◆文化現象の暗示戦-暗示攻撃と分節防御.A(de/co)に焦点を持たせ、次にB(de/co)に焦点を移動させると(「A+B」混合という新しい意味合いが生じるのみならず)Aはその意識下に潜入し、とりわけAの「co」が知れずに響き続ける。これを「因」とし「縁」で起動させ「果」を得る。

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◆「A→B→A´」という普遍構造の変奏.Aは現実・常界・日常・具体・物的、Bは非現実・異界・非日常・抽象・観念、A´は更新された新しいA.法華経の二処三会、お伽噺の浦島太郎、千と千尋の神隠し、同構造の裏ともいえる竹取物語など。さらに広くは旅行、文学・音楽・劇場体験から法適用まで。

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◆どう読んでいくか。「ある厳格な尺度を導入すると、その尺度にはずれるものは見えなくなってしまいます。そこで私は顕微鏡的視点の導入を考えたのです」(C・ギンズブルグ「歴史と想像力」現代思想 1986.14-12.p48)。これにより、一般化されていた認識を揺るがせることができる。

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◆「読む」というのは広く深い言葉だ。「自然という『この書物は数学的記号で書かれている』といったのはガリレオ・ガリレイだそうだが、人間の住む世界のかなりの部分は、むしろ、辞書のない暗号で書かれているのだ」(佐藤信夫『記号人間』32頁)。いわゆる「世界書物」「世界読書」というテーゼ。

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◆記号としての物的証拠は、そのシニフィアンが呼び出すシニフィエとの関係が説明できる結びつきを有している。他方、記号としての供述証拠は、その言語のシニフィアンが呼び出すシニフィエの関係が恣意的なので結びつきの論拠が範型に依存する。木庭顕『現代日本刑事法の基礎を問う』95-98頁参照

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