見出し画像

マッチングアプリに疲れた人へのレクイエム!

(この記事は3167文字約4分で読めます)
私が恋のお悩みを聞くカップルの出会いで最も多いのがマッチングアプリです。アプリを利用して彼と付き合うことになった方が約6割。また、アプリ以外でもSNSやオンラインゲームなどネットを通じて知り合ったという相談も多くあり、もはやネットを介して出会うのが普通のようです。

20年前の出会いと言えば、学校や職場、友達の紹介、ナンパが主流でアプリと言えばいわゆるヤリモクの少々アブナイものしか無かったと思います。
当時、私はまともな女性が利用するわけないと思って友人がせっせとアプリで女アサリしてるのを冷めた目で見ていました。

ところが、現在はアプリを利用している女性たちと直接お話をしてみると、知的かつ純粋でごく普通の人が多いのに驚きました。まだまだヤリモク主体のアプリがあるとはいえ、きちんとした人が出会えるように環境も整備されてきたのでしょう。

その女性たちにアプリを利用する動機を聞いてみたところ、失恋であったり家庭や仕事が落ち着いてきてふと寂しくなったり、友達に薦められたなど新しい出会いを求めて始めたということでした。

たしかに、普通に生活していると出会いというのはなかなか巡ってきませんよね。その点、マッチングアプリだと女性がプロフィールを出すと、新規参入ご祝儀の如くたくさんのいいね♡が付くそうで、その中から選ぶ作業が大変なのだとか。

ここから、とある女性がアプリに疲れるまでを一緒に見ていきましょう。


【H子さん40歳 バツイチ 子供2人と三人暮らし】
とある有名企業にお勤めでほぼリモートワーク。収入も安定しており自立している。自分磨きにもお金をかけており、オシャレにも気を遣い自分で言うのも恥ずかしいがまぁ、美人なほうだという。

子供たちもある程度手が掛からなくなり自由な時間が増えてきた。離婚してから子供たちのため自分を犠牲にして一生懸命働いてきたが、そろそろ自分の今後の事を考えてもいいんじゃないかという思いが脳内で巡りだした。今まで誰かに頼ることも、弱音を聞いてもらうこともなく、全部ひとりで頑張ってきたのだから。

どこかにいい人いないかな?職場?同年代の男性はみんな結婚してるし、後は年下かぁ、いろいろと面倒そうだし「まっ!・・・ないかなぁ」
改めて考えると出会いってないなと痛感する。

このまま待っているだけでは、歳を取るばかりで女の価値が下がってくる。その前にずっと添い遂げられる理想の彼氏をゲットしなければならん!
そう何かに追い立てられるように意を決してマッチングアプリに登録。

仕事がデキる彼女は無意識に効率を求めるクセがマッチングアプリにも出てしまったようだ。目標は3ヶ月以内に理想の彼氏をゲットする!開始後A~G君まで7名を見込みとして交流を始めた。人間の脳は同時に5~9個までしか処理できないというのにも関わらず、脳の計算処理能力を遣い過ぎではないだろうかと心配になる。

慎重に吟味しながら「理想の彼氏」になるであろう見込みを絞り込んだラインナップが次のとおりである。

・A君は小さな会社を経営しており比較的裕福だ。遠距離にも関わらず、夜中でも高速道路を使って会いに来てくれる。最初は優しかったが、次第に会いに来るのもお金がかかると不満を言い出した。案外ケチだった?

・B君はアウトドア派で話も合うのだが、お互い、会いたいね!と言い合ってるにも関わらず、一向に会おうとしない。なんでや?

・C君は優しくて気遣いができる人だ。だが、一向にカラダを求めてくる気配がない。何が目的だ?

・D~Fに至っては、容姿にこだわりがあるわけでもないのだが、特に特徴もなく可もなく不可もない。相手から積極的にくるわけでもないので、あまり印象に残っていない。男ども消極的すぎないか?

・G君は某雑誌の編集者。バツイチで子供は前の奥さんが引き取っている。あまりマメではないが、一緒にいて落ち着く雰囲気を持っており彼となら無言でも気まずくならないし、わたしの話も真剣に聞いてくれる。

う~ん、今のところわたしの気持ちはG君で決まりなのだが、一向に告白してくれない。モヤモヤする。それに、会う約束をしてもドタキャンになったり、直電も嫌がる・・・電話で話すのが苦手らしい。ほんとかな?

彼女は悩んだ末、決断を下した。自分の気持ちに正直に向き合い最終的にG君を選ぶことにしたのだ。他の候補には正式にお断りをして彼の告白を待つことにした。

この3か月間、仕事と家事の合間をぬって彼氏探しに没頭してきた。オシャレして出かけて行って、自分を良く見せるよう最高のプレゼンもしたつもりだ。ほんとにヘトヘト・・・G君に告白されなければ、また同じことをするのは多分無理だと思う。疲れ果てた。

それから2週間後、G君から待望の告白をされた。

嬉しかったが、もし彼とうまくいかなかったらどうしよう。。。また、アプリを使って出会いを求める?選んだ彼が間違っていたらどうしよう。不安が頭をめぐり彼が好きなのかどうかさえ分からなくなってきそうだ。

その後、何回かはG君との恋愛相談を聞いたのだが、理由はいくつかあるけども最終的にずっと添い遂げられる理想の彼氏ではなかったようだ。
それからH子さんがまた、アプリを再開したかどうかは定かではない。


通常、出会いを求めて活動する場合は様々な交流場所へ赴いて人間関係を構築しなければならないし、知り合いに紹介してもらおうとすれば広い交友関係が必要となるし、また、男性と違って女性からナンパなどよっぽど上級者でないと不可能です。このように時間もお金も労力もかかってしまうことが当たり前です。

その点、マッチングアプリは自宅にいながらたくさんの男性と交流を深めることができる便利なものです。もちろん自宅以でもスキマ時間を利用して彼氏を探すことができる差し詰めゲームのようなものではないでしょうか。

前述の通り人間が同時に処理できるのは5~9個の事柄です。日常の活動があるのに、短期間とはいえアプリで彼氏探しをするのは脳の活動領域を大幅に消費していると言えるでしょう。そんな中でも成功体験をすれば報酬系の脳内物質が放出されモチベーションも上がるでしょうが、残念ながら気分を害する事のほうが多い事と思います。

えっ、なぜ分かるのかって?私は長く営業をやってきました。新規のお客様を獲得するため来る日も来る日も数十件、直接、または電話で「初めまして」を繰り返しやってきたのですから、H子さんがやってたことが当時の営業活動と重なって見えたんです。

私は長く人とのコミュニケーションを生業としてやってきたので、人間のストレスの原因は「人間」なのだと実感してます。私は精神的健康についてこのように考えてます。
「人の悪意で年を取り、人の善意で若返る」
つまり、マッチングアプリに疲れた人は多数の悪意に触れ精神的に老化してしまったので、疲れやすくなったということです。

それでは精神的若者に戻るためにどうすればいいでしょうか?先ほどの標語の通り人の善意を受け取るのが一番早いですね。では人の善意を受け取るにはどうすればいいか?なんか回りくどくてすいません、禅問答みたくなりましたね。それには自分が善意を配るのが最も早いです。

人に善意を与えてそれがいずれ自分に返ってくる。善意の循環が起こります。そうすると精神的に健康になりピカピカに輝いた人間になれますよ。

焦る必要は全くありません!焦れば焦るほど上手くいかないのが世の常です。ガチガチに凝り固まった考えは昇天させてください。車のハンドルでも機械操作のときでも少しの「アソビ」があります。テンションを張り詰めた状態より「アソビ」が必要だということです。

老化した精神体を天国に送り出して、新しく生まれ変わり、いま一度理想の彼氏を探しましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?