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多様なチームだとやりづらい?それはうまく行っている証拠

#女性に活躍して欲しい理由 、いくらでもあります。男女で活躍の幅に差があるのは倫理的に間違っているから。優秀な女性が活躍できないのは社会としてもったいないから。日本の人口が縮小している中、女性にも活躍してもらわないと経済が回らないから、、、などなど枚挙に暇がありません。

どれももちろん非常に重要です。しかし一つ持ち続けたいのは「どの理由を前面に押し出せば、実際に女性の活躍の場が増えていくだろうか?」という視点です。

男性に刺さる「女性に活躍して欲しい理由」

2021年にもなって残念な話ですが、社会を変える力を持っている人の多くは男性です。経営者、国会議員、官僚などがそれに該当しますが、そのどれもだいぶ偏った男女比になっています(例:女性社長1割未満衆議院女性1割)。

現状力を持っている人の多くが男性である以上、男性に刺さる「女性に活躍して欲しい理由」を考えるのも一つ重要だと考えます。本質ではないという批判もあるかもしれませんが、現実的に変化を起こして行くことを考えた上での視点です。

そう考えていくと、一番刺さるのはずばり「その方がパフォーマンスが上がるから」ではないでしょうか。「社長!日本のゆく末を考えると女性をもっと登用すべきです!」よりも「社長!我が社の業績をあげるために女性をもっと登用すべきです!」の方が行動を喚起しやすいと思うのですがいかがでしょう。

人材が多様な方が業績が良い。これは多方面で報告されています。「多様なチームはそうでないチームより、平均以上の収益を上げる割合が25%高い」こんな明確な研究結果が、様々な大学、研究機関、マッキンゼーのようなコンサルファームなどから次々と報告されています。

女性を増やした方が収益が上がる。まずはこの事実が広まるだけでも大きな違いを生み出せるのではないでしょうか。


やりづらい?それはうまく行っている証拠

その中で一点強調したいのが「仕事がやりやすいこと」と「パフォーマンスが上がること」は異なるということです。

例えば以下のような実験結果があります。

アメリカの大学に出向き、同じサークルに属している学生3人のチームに対して、殺人ミステリーを解かせます。3人の間で議論がまとまってきたところで、4人目のメンバーを投入し、改めて4人で議論させるという実験です。

この4人目は、同じサークルのメンバーの場合(「似たもの同士チーム」と呼びましょう)もありますし、サークルとは全然関係ない人の場合(「多様チーム」と呼びます)もあります。

似たもの同士チームと多様チームを比較すると、似たもの同士チームの方がチームワークがうまく行ったと感じる、という結果が出ています。また自分たちが最終的に出した答えに対する自信の度合いも、似たもの同士チームの方が高い。

しかし、こうした感覚や自信は実は実態を表していないということが分かっています ー パフォーマンスは多様チームの方が良いのです。特に、最初の3人で話していた内容が間違っていた場合に限ってみると、似たもの同士チームでの正答率が29%、多様チームでの正答率が60%と倍の差が出ています。

多様なチームだと少しやりづらさを感じるし、最終的な解にも自信がないが、実はそれこそがチームとしてパフォーマンスが上がっている証拠なのです。

(私自身は新卒からAsanaでずっと多様な環境なので、多様なチームがやりづらいという実体験は持っていないのですが)


バイアスを意識できるか

上の話は一つのバイアスと言えるでしょう。似たもの同士でやっている時の方が、実態以上にパフォーマンスが上がっていると感じてしまう錯覚・バイアスです。

こうしたバイアスは誰しもあります。完全になくすのは時間がかかるかもしれませんが、バイアスの存在を意識することなら比較的早くできるはずです。

私個人がこうしたバイアスを一番意識するようにしているのが面接の局面においてです。候補者となんとなくで話をして、フィーリングで合否を決めるのが一番楽ではあるのでしょう。しかしそれでは、似たもの同士でやりやすさを感じるバイアスから逃れられません。自分に似たひとばかりを採用してしまいます。

客観的に評価できる評価軸をあらかじめ定めておき、それ以外の要因を評価に影響させないよう注意しながら採用を進めることが重要です。徹底するためにも、なぜこの人が合う・合わないと思うかを、書き残しておいて、後から説明できるようにしておくことも効果的かと思います。



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