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「これからの生き方図鑑」を読んで

 私はこれからどう生きて行けばいいのか、いつも考えています。

 先日公開された宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」という映画作品においても、これからの生き方をテーマとしているように、この不安定な世の中においてこれからの生き方は、極めて重要なテーマだと思います。

 そんな折に、私の尊敬する樺沢紫苑先生が出された新刊「これからの生き方図鑑」は、まさに現代のテーマにマッチしたもので、私の求めていた答えに行き着く指針を示してくれそうだと感じ、本書を手に取りました。

 目次の中で目に留まったのは、「これからの『メンタルを安定させる』習慣」という章でした。

 私にはメンタル疾患があり、常日頃メンタルの状態には気をつけています。メンタルの安定は私がこれから生きる上において最重要課題です。それゆえに、この章に極めて強い関心を抱きました。

 その中で真っ先に目に飛び込んできたのは、次の項目でした。


★これからは「自分は絶対に騙されない」と考えない

 実は先日、ネットで騙されました・・・。何十年も前からネットに関わり、ネットの知識にはある程度の自負がある、この私がです。

 いったい何が起きたのか。それは些細な勘違いでした。初めて使うサイト経由で知人からデータファイルが送られて来たのですが、それを見ようとそのサイトを開いた時に、メニュー画面の中に巧妙に紛らせてあった、広告サイトを勘違いして開いてしまったのです。

 普段であれば、全く関係のない内容ならすぐ気づくのですが、データの転送速度などが計測できる表示などがあり、正規サイトのメニューだと信じ込み、クレジットカード等の情報を入力してしまいました。

 入力完了後に表示されたメニューは中国語で、その時初めて騙されたと気づいたのです。すぐに警察のサイバー犯罪担当部署に電話をし、適切な処置をしたので被害は受けずに済みました。

 今回の理由として本書を読み、『確証バイアス』が原因だろうという事がわかりました。確証バイアスとは、「自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識に集めてしまい、反証する情報を無視してスルーしてしまう傾向」の事です。

 今回の件で言えば、データ転送サイトだから転送速度の計測画面が出る事は正しい(都合のいい情報)、だからクレジットカード等の個人情報の入力をしても大丈夫(反証する情報のスルー)というところでしょうか。

 私は今回の出来事を受けて、どんなに賢明であるという自負があっても、【「自分は騙されない」という思い込みを捨てる】という事の大切さを痛感しました。

 そこで、次に目に留まったのはこの項目でした。



★自尊感情が低い

 そもそもメンタル疾患を持つ人で、自尊感情が高い人などいるのだろうか、という疑問はあるのですが、私も例に漏れず自尊感情が低いです。

 先述の通り、ネットの偽装広告に騙され警察のサイバー犯罪担当部署に相談した時も、警察の担当者の方から、高齢者が受けるような注意を延々と聞かされてしまい、その時「自分はなんて馬鹿なんだ!」と猛烈に自分を責めました。

 しかし、本書を読んで「それでいい」「それも自分」と自分を肯定する言葉を口にすると良い事を知りました。「自分はなんて馬鹿なんだ!」と否定するたびに、自分の自尊感情はどんどん落ちていきますが「それでいい」を口癖にすれば、どんどん自尊感情や、自己肯定感が増していくのならなんて簡単なことなのでしょうか。

 これからは、自己否定の言葉を口に出さないようにして、もっと自分を認める言葉を口に出していこうと思います。

そして、次に目に留まったのはこの項目でした。


 ★これからは、悩みを一瞬で解決する

 ネット偽装の被害に遭った私の落ち込み方は、尋常ではありませんでした。正直、次の日にはかなりの不穏状態(落ち着きがなくなり、精神的に不安定になる)になっていました。

 しかし私の職場の同僚に、ネットの偽装広告に騙された事を相談した所、「それは気づかなくても仕方ないですよ!誰でも騙されると思いますよ!運が悪かったと思って忘れましょう!」と言ってくれました。

 それで私は少し落ち着きを取り戻し、1週間近くかかりましたがショックから立ち直る事ができたのです。

 本書を読み、まさにこれは『他人の視座を借用する』事によって立ち直れたのだと思います。「こんな偽装に騙されるのは自分しかいない」と思い込んで落ち込んでいましたが、「誰でも騙される」という発想は自分では、とても思い浮かばなかったでしょう。

 「そうか、自分だけじゃないんだ。」という安心感をその一言で得る事ができ、悩みが解消しました。悩みを自分一人で抱え込まない重要さを改めて認識する事ができました。

 生きていると色々不安になる出来事がありますが、本書を読んだ後はそういった世の中でも、楽しく生きることは十分可能だと思えました。それこそ、私の求めていた生きる指針なのかもしれません。

 未来はきっとワクワクしたものになると信じて、生きていきたいです。


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