セレン赤
みなさん、こんばんは!あー☆です。
「セレン赤」ってどんな色かわかりますか?陶芸をやる人でも知らない人は多いのではないでしょうか。
サンタクロースのような明るい赤です。
この美しいセレン赤ですが、焼き物の世界においてあまり見ることはありません。私のメモも兼ねて書いてみたいと思います。
セレンとカドミウム
セレン赤はセレン化カドミと硫化カドミウムを元に作られる無機顔料になります。
カドミウムというとあまり体に良くないイメージがあるかもしれませんが、概ねあたってまして、私たちが使用している食器やカップなんかで明るい赤はほとんど見かけません。
他にあまり見かけない理由として、「低い温度でないと発色しない。」というのがあると思います。低いといっても700~800℃くらいと高温なのですが、陶芸は1,250℃近辺というさらに高い温度で焼くので、セレン赤を釉薬にいれて施釉してもきれいに発色してくれないのです。
上絵具
それでも鮮やかなセレン赤で彩られた食器を作りたい人もいるかと思います。私もそうでした。そういう方の為に上絵具というものがあります。
上絵具とは顔料とガラスから作られた絵の具のことです。焼くと絵の具自体がガラス化するため、美しく発色します。
使用方法は一度1,250℃くらいで焼成が完了した作品に、上絵具で絵付けをし、700~800℃くらいて再度焼くのです。上絵具には鉛(これまた体に悪い)が含まれているものがあり、鉛は光沢を非常によくする働きがあるので、彩飾度を上げるのに好まれます。
セレン赤の上絵具に限りませんが、鉛を含んだ上絵具は果物の酸などで溶けだしていく恐れがあり、口に触れるような部分には適さないため、ここでもやはり食器に鮮やかな色彩が使われにくい理由がでできます。
以上、陶芸で赤が使われにくい理由まとめると、
あまり体によくない・温度が低すぎ・面倒くさい。
こんな感じだと思います。
誰か1,250℃でも綺麗に発色して安価で体にも悪くない赤を開発してください(笑)
マニアックな文章になりましたが、ひとすじ縄ではいかないセレン赤が、男女の恋愛みたいでロマンチックじゃないですか?
皆さんもぜひ陶芸の世界に足を踏み入れてみてください♪
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