妻を詠む
"Oh blessed a thousand times the peasant who is born, eats and dies without anybody bothering about his affairs."--- Giuseppe Verdi
早朝から珈琲豆挽く音で起こすなと妻我が淹れたての커피を啜る
福耳になれと妻我が耳朶を揉み我哂いつつ耳探る
(コロナ後に開いたコンサート)
秋の夜に妻が開きしコンサート渇いた年を潤い満たし
(妻が五十二歳の誕生日を迎え)
マリア・カラスの五十三にて逝きしこと吾妻憂ひしあと一年の命
毒呷り『吟遊詩人』で我妻の死ぬのを待ちて夕食となりぬ
桃ひとつ仕事帰りに買ひ求め妻と分かちしその実の黄金
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