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パートナーの自由を尊重する

医学が発達して人間の寿命が延びました。戦争が無くなって男性も長生きするようになりました。また経済的にも女性の社会進出が一般的になった事で、男女の役割分担が変わってきています。イスラム教の一部の国ではまだ一夫多妻制が認められていますが、これは戦争で死んでも別の男が自分の家族を養ってくれるので、安心して戦って死んでこいという宗教上の社会保障制度のようなものであったらしい。

社会の状況が大きく変わった今、カップルや結婚生活の在り方についても考え直したほうがいい時世になっているのではないでしょうか。

結婚ということ

人への思いや愛情は常に変わっていきます。一点には止まってはいません。若い時に出会った二人が永遠に死ぬまで愛し合っている。そんな男女がいたらそのカップルは奇跡的に相性がいいかあるいは全く二人とも進歩しない人たちなのかも知れません。

長い歳月の間に、夫と妻の考え方が食い違ったり合わなくなる事は無数にあります。そこから別れに至る事も少なくありません。それというのも一夫一婦制という婚姻制度そのものにかなり無理があるわけで、だからこそ教会で結婚式の際に、夫婦互いに『永久に愛し合います』と誓いを交わします。

しかしラーメンが好きな人に『汝は死ぬまで大好きなラーメンを食べるか』などと誓いを迫る事はありません。好きなら好きなだけ放っておいても食べ続けるに決まっていますから。『永遠にこの人を愛します』と神に誓わせるのは愛の持続がいかに難しいかを示しています。

それは人間の本性と異なる難題であり社会的に強いられた道徳に過ぎないから守る事が難しいのです。結婚とは安らぎの場を得る代わりにエロスが失われていく形態でもあります。

パートナーの自由を尊重する

いくら仲のよいカップルでも二人が一人の人間になる事はできません。考える事、感じる事はそれぞれです。お互いを尊重できるカップルになるには、自分自身の気持ちを整える必要があります。

◆やりたい事をする相手に嫉妬しない。
◆相手に不信感を抱いたり恨んだりしない。
◆相手が自立し、あなたと離れて違う世界に行く事を受け入れる。

これは意外に難しい事です。相手の事を思う気持ちが試される事になります。しかし、相手の自由をたくさん認めるほど相手はあなたのところに帰ってきます。自由を認められていると、信頼されていると感じて気持ちが離れなくなるからです。

逆に束縛されていると感じると束縛から逃れようとして、気持ちも離れていきます。それではパートナーがやりたい事に賛成できない時にはどうすればいいか。その場合は『賛成できなくても反対はするな』としか言いようがありません。パートナーも一人の人間であり、自分のやりたい事をする権利があります。

犯罪や浮気など、人として問題のある事なら話は別ですが、そうでないならパートナーの選択を否定する事はできません。あなたにできるのは相手を応援する事だけです。相手のやる事が気に入らないのは相手の問題ではなくむしろあなたの問題です。どこが気に入らないのか、なぜ気に入らないのか自問してみる必要があります。

もしあの人がこれを実行したら、最悪の結果はどうなるだろう。その最悪の結果をあなたが反対して実行させなかった時のシナリオと比べてみます。あなたが反対した事でパートナーが去ってしまったり、不満を抱えて不幸になる方がいいと言えるでしょうか。相手の人生を何らかの形で束縛する事はパートナーとしてのあなたの役割ではありません。パートナーが空高く舞い上がるのを応援するのがあなたの役割です。

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