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お布施の意味

蓄財とお金の価値

そもそも幸福のバロメータをお金中心に置いた考えをする事には違和感があります。

人類が狩猟採集生活を中心に生きていた頃、縄文時代は人間同士の争いが少なく平和な日々が続いていたそうです。農耕生活を始めた事により定住と富の蓄積が始まりました。より安定した生活を求めて飢饉に備えたお米の蓄積が始まった事は意味がありました。

ですがお金が発明されて、これを蓄積する事が競争になって更に安定を求める人類はこれを幸福のバロメータと考え始めました。これにより人々の争いごとが増えました。この状況はお釈迦様が生きておられた2500年前の印度でも起こっていたようです。

お布施の意味

お釈迦様がお布施の大切さを庶民に説き始めた頃、悪人がお釈迦様のふりをして托鉢をして庶民からお金を騙し取ろうとした事がありました。

この事を知った弟子たちは『庶民の心を踏みにじりお金を騙し取るなんて絶対に許せない!』と怒り狂いましたが、お釈迦様はひとり冷静な表情をしていました。その理由を弟子たちが尋ねると、お釈迦様はこう答えました。

『托鉢をしたのが私の弟子であっても悪人であっても布施をした人の気持ちには変わりはない。つまりその人は功徳を積んだ事になる。そういう人はいずれ幸せになれる。一方私の弟子を装ってお金を騙し取った悪人は、その罪を背負って生きていかねばならない為、いずれ不幸になる。だから皆、気を静めなさい』

つまりお金を騙し取られたにせよ、お布施をした人は『したいからさせて頂いた』という気持ちを大切にしていたのです。そういう人を天は決して見捨てたりはしません。いつか巡り巡って善き恩恵として自分に跳ね返ってくるという事を弟子たちに説こうとしたのです。

『やりたいから、やらせて頂く』の気持ちは無償の施しを行う上ですごく大切です。とは言え、人に親切にする、知恵や知識を授ける。悩んでいる人を助けるといった行い、誰かに幸福の種を植え付けたからといって、相手から直接幸福の実が狩り取れるとは限りませんが、それはこの宇宙を巡り巡って、いつか別の人から別の形で自分の元へ帰ってくるようになっています。

風が通る部屋

ですからギブ&テイクではなくギブ&ギブの精神を貫いて相手に喜びを与え、助ける事だけを考えましょう。それができれば、いい事がたくさん起こせる幸福な人間に生まれ変われるのは時間の問題です。

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