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自分自身を観る力

人は生きていて都合の悪い事が起きると、その原因を自分以外のものが悪いと、他人や社会や時代のせいにしたくなります。しかしそれをするとまた同種の都合の悪い事が起きます。

気高い心

もし本当に自分が向上したいと望んでいるなら『誰かのせいで○○○が出来ない』という愚かな考えは捨てなければいけません。自分を阻んでいるのは自分自身に他ならない事に気付きましょう。

上手くいかない原因を他人のせいにするのは自分の欠点を暴露しているようなものです。それに気付けば言い訳をしなくなりますし、智慧の光に照らされて心には安らぎが訪れます。そしてやがては利己心を克服できます。

多くの人が人間関係で悩んでいるのは、他人との関わりにおいて自分自身をより深く知って、自分の心の在り方をより気高く、揺るぎないものにしたいからでしょう。克服できない障害だと思っている事こそが実は自分の道徳的責任を果たして、持っている善のパワーを発揮すべき対象です。そして、それが最も自分を向上させてくれます。

これを知れば、自らの卑怯な行いを誰かのせいにすることは無くなり、どんな状況でも誠実に歩んでいく事ができます。

目からは自己欺瞞のうろこが落ち、それまでは自分が被害者だと思っていたのが、実は自分自身にその原因があった事にも気づくでしょう。自分の心の欠点を克服すれば同じ欠点を持つ人々と交わる機会が減って、自ずとより善良で高潔な人々との交流が多くなります。

そうして手に入れた心の気高さによって、やがては他の人々の心にも同様の気持ちを呼び起こす事ができるようになります。

争いは減ります

純粋自己観察

ただ自分を純粋に客観的に見る事ができるという心の能力にはすごい力があります。自分を観察する眼になり切っていれば『あ、自分は怒っているな』と観ているうちに怒りは消滅していきます。『あ、自分は浮かれているな』と観ていると興奮は冷めていきます。

消滅させるのではなく勝手に消滅して行きます。『自分の感情だ、大切な感情なんや』という主観的な執着を離れて『ああこの人(自分)は怒っている』と客観視できればその感情は流れ去っていきます。これで苦しみから解放される道のりを自動的に歩んでいく事ができます。

なぜかというと、苦しみの原因は欲望の感情から来ているからです。欲望があるから楽しい、と勘違いされがちですが、欲望が叶えられない時に人は苦しみ、イライラします。非難されて腹を立てるのも『褒められたい、承認されたい』という欲望があるからです。仕事の失敗で苦しむのは『自分はもっと出来る人間でありたい』という欲望があるからです。

裏を返すとそうした欲望が生じた時に、それをただ『そのような欲望によってこの人(自分)が苦しんでいる』と純粋観察してしまえば、それらは力を失って流れていきます。そして苦しみの原因はなくなってしまいます。つまりネガティブな感情の力を解除する力を持っている事になります。

人間は生きている限り利己の欲望から離れる事はできません。でもそれが不幸の種になった時に、それを取り除くようにできればもっと幸せな気分に近づく事ができます。

自分を俯瞰する

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