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子供目線

コロナ禍の騒ぎが一段落して、欧州に住む娘が孫たちを連れて一時帰国をしています。自分が幼かった時の記憶と子供達が幼かった頃の親としての経験から、幼児教育については、それなりの意見を持っています。

子供目線

『あれは ダメ、これもダメ』と言われると逆にそれをしたくなる事があります。それは大人も同じです。自分のやりたい事全てを否定されれば子供は親の見てない所でそれをやるようになります。あるいは『何を言っても認めてもらえない』とふさぎ込んでしまい五感を閉じてしまいます。

自発的に『あ、これはダメなのだ』と気付けばそこに納得感が生れます。親がいかに納得感を与えられるか、それはとても大切です。子供も立派な人格を持った一人の人間です。その存在を認めてあげると子供に自発性が育っていきます。

だからと言って親がいつも『子供目線』でいいのかと言うと、そうでもありません。本当にダメなものはダメと伝える親の目線と子供が何をしたいのかを考える子供の目線、その両方が必要です。

どちらにしても私が子供の時にやっていた危なさから比べれば今の子供たちの味わっている危険など100分のⅠくらいのものです。私がやっていたのと同じくらい危険な思いを孫にさせるなんていう乱暴な事は言いません。でも危険な事を経験するとそれは、その後の人生で必ず生きてきます。生きる知恵は遊びの中から学ぶ事が多いものです。

『ちょっとの背伸び』は面倒くさいように思われるかもしれません。しかし急がば回れというかこちらのほうが長い目で見て成長が早いのではないでしょうか。

最初に無理をさせ過ぎない事が肝心です。ちょっと背伸びして到達する。という達成感を繰り返し体験できる人は成長への欲求がどんどん強まるからです。意欲が全然違ってくるから成長のスピードは加速していきます。

赤ん坊はハイハイから始めて歩くようになるまで極めて短期間に様々な難事をこなします。着実に力をつけ『ほんのちょっとの背伸び』の連続が非連続にも見えるような躍進した成長を遂げさせます。

経験を積んで少しずつ成長して下さい


子供に自由と責任を与える

子供は成長し、やがて家を出ます。何もできない赤ちゃんがいつの間にか大人になり、親の目の届かない所でビールを飲んだりセックスしたりするようになります。そんな子供が成長するペースに付いていく事が子育てには必要です。子供の成長に合わせて、より大きな自由と責任を与えるのが親の役目です。代わりに手を出したくなる事も多いでしょうが我慢しましょう。

自分で目玉焼きを作らせて、自分で木工作品にペンキを塗らせなければなりません。子供に自由と責任を与えるのは、微妙なバランスが求められる難しい仕事です。手に負えないほどの責任を与えてはいけませんが、いつまでも子ども扱いしても成長が遅れます。最初に目玉焼きを作らせたり木工作品にペンキを塗らせたりする時は失敗する事を覚悟しなければなりません。フライパンの外に玉子を落とすかもしれないし、作業場の床にペンキをこぼすかもしれません。

その惨状を見ると『まだムリだ』と言いたくなってしまうでしょう。しかしまともな目玉焼きが作れるようになるには、玉子を何個か無駄にしなければならないし、ペンキがきれいに塗れるようになるにはペンキ一缶をぶちまけるつもりが必要です。

親は子供が何でも最初から完璧にできる事を期待してしまいます。非現実的なのは親の期待の方です。成長とは失敗の連続からできるものです。

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