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行列マーケティング

ラーメン街道

私の自宅は京都のラーメン街道と呼ばれるエリアの近くにあります。毎日、昼食時になると多くの店で行列ができています。こんなに暑い夏の京都でラーメンを食べる為にカンカン照りの太陽光線を浴びて若者が行列を作っています。これは私にとって不思議な光景です。

もう一つ不思議な事に以前、この辺りにはうどん屋やたこ焼き屋もあったのに今は、次から次へとラーメン屋になっていきます。店の前、東大路通りは駐車禁止ですが皆、路上駐車をしてでもラーメンを食べています。私も一度妻と一緒に食べている間に警察の取り締まりがありました。店の人が教えてくれて食券をくれたので、車の移動をして事なきを得ました。

この辺りのコインパーキングは一時間100円なのに近くの駐車場の料金は20分100円です。これはよく考えた料金設定の便乗商法だと思い、感心しました。

病院の場合

病院で順番待ちをするのは憂鬱なものです。今、通っている皮膚科と内科の医院は携帯電話から予約ができ、後何人待ちで予想の自分の診療は何分後という表示が出ます。これが分かると家の出発時間を調節できます。また待ち時間に買い物に行ったり、お茶を飲んだり、時間を有効に使えます。そして待合室での無駄な時間や人との接触が減って、感染症対策にもなります。

一方、大病院で診察予約のシステムがあっても、そこに行くまでの検査や自分の待ち時間の表示がないために、待合所で混乱が起こり、コロナ禍による待合座席の減少から、不要な争いが起こる事もあります。もう一工夫あればいいのにと思います。

行列マーケティング

『行列に並ぶのはすきですか?』という問いに対して『好き』と答えるのは僅か16%だそうです、つまり『行列に並ぶのは嫌い、避けたい』と思う人が84%を占めています。

心理学では人が行列に並ぶのは『同調行動』の現れであると言われています。人には『他の人がやっている事と同じ事がしたい』という欲求があるようです。それが端的に現れるのが行列という事です。

『何の行列なんだろう?』『何かいい事あるのかな?』とふと足を止めてしまうのは、すでにその同調行動の心理が働いている証です。

この同調行動を利用するのが『行列マーケティング』です。新規開店のショップや飲食店などでアルバイトのサクラを雇って、意図的な行列を作り出して、人を呼び込もうとします。行列を演出する事で街ゆく人の関心を集めようというわけです。

しかも人は自分の行動を正当化したがります。こんなに時間をかけて並んだのはそれだけの価値があったからだと思いたがるのです。

ネットでのグルメランキング上位のラーメン店にせっかく並んだのに、食べた一杯が平凡な味だったのでは、非常に都合が悪い。そこで合理化の心理が働いて、このように言うのです。『いやあ、やっぱり並んだだけあっておいしかったよ。やっぱり行列店は一味違うね』

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