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資本主義の副産物

資本主義の次に来るもの

18世紀後半の英国に始まった産業革命によって随分世の中は便利になり、資本主義が発展しました。ところが21世紀の今になってみると環境破壊など地球規模の様々な弊害が目に付くようになってきました。

地球は閉鎖系です。つまり大気によって閉ざされている為にもしある所に圧力が掛­­かるとその反作用の為に同様の圧力がその反対側に掛かります。一方を押せば他方は出っ張る。もちろん地球の体系はもっと複雑ですが基本的にはこう考えてもいいかと思います。

この道理は個人生活にも当てはまります。ある面がすごく便利になったとすると、その場では目に見えないかも知れませんが、生活に関わる別の側面ではその副作用によって不便さとなって後退させられます。例えば火は食物の煮炊きや暖を取るには誠に有用ですが、その扱い方をひとつ間違えると火事になったりします。

今年になってウクライナでの戦争が長引いて、これから冬に向かって暖房がたくさん必要になる寒いヨーロッパでエネルギー不足になると予測されています。そこで危険性は多少あるものの廃棄する事になっていた原子力発電を続ける事になりそうです。

あらゆる科学技術的進歩は常に副作用を伴っています。地球のような有限領域ではこうした事は必ず起こります。便利になった分、何かが不便になっています。

自転車も軽トラも便利だ

便利さの副作用の例

ある人が仕事場へ自転車で通っていました。毎日まるまる一時間掛かりましたが、自動車なら10分の距離です。そこでその人は奮発して自動車を買いました。その結果はどうなったでしょう。

自動車を使い始めて、それほど時をおかず町は大いに発展して人口も車の台数も増えました。車で10分の道路は毎朝渋滞して自動車を使っても一時間は優に掛かるようになりました。

お金をかけて『進歩』を手に入れたつもりでしたが、あっという間に因果は巡り高額の自動車は自転車と同じ機能しか果たしてくれなくなったのです。

このように自動車や飛行機によるスピードアップは一方では環境汚染、騒音そして事故による人命の損傷をもたらしました。科学的発展は進めば進むほどそれによる危険度も高まります。

お坊さんにとって家事は修行の一つだそうです。そう言えば、男性ばかりのお寺に行っても掃除は行き届いているし無駄なものは置いてありません。食事の準備や洗濯についても心を込めて工夫してやる事が修養になるそうです。掃除のできていない所には神が宿らないといいます。

『モノが古くなったら捨てて新しい物を買う』事が社会に貢献するというような資本主義の副産物として一般的になった考え方を見直して、同じものを自分で丁寧に手入れして長く使う事で別の満足感を得られます。



 

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