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挿絵小説『ラッキーボーイ』(全12話)〈luckyboy〉

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国境のないネットの世界では、入り口としての挿絵が重要なのではないか?という仮説から、ネット小説を再定義した作品です。
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2016年8月の記事一覧

挿絵小説『ラッキーボーイ』第2話

挿絵小説『ラッキーボーイ』第2話

「黒田家の人々」みなさん、こんにちは。やっと更新されましたね、『ラッキーボーイ』の第2話です。ここで我らが主人公の黒田哲也君をもう少し紹介させていただきますと、彼は大学で経済を勉強しております。ですが、円高が進めば日本経済はどうなる? と質問されて天井の蛍光灯の数を、ひい、ふう、みい、よお、と数えだす始末なので、頭の良さは推して知るべしといったところです。しかしながら、まじめさにかけては誰にもひけ

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挿絵小説『ラッキーボーイ』第3話

挿絵小説『ラッキーボーイ』第3話

「翔子さんの秘密」黒田哲也君は「僕は誰がなんと言おうと翔子さんを探し出してみせるよ!!」と、両親と父の後輩の松井さんに宣言して、家を飛び出しました。ところが通りを横断しようとして前方不注意のためにピックアップトラックにひかれてしまいました。まさにオーマイゴッドです。

ピックアップトラックは二十メートルほど走ったところで停車しまして、若い男性ドライバー君が車から降りてきました。彼は急に飛び出した哲

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挿絵小説『ラッキーボーイ』第4話

挿絵小説『ラッキーボーイ』第4話

「見合い写真」みなさま、ごぶさたでした、お元気で生姜。あ、パソコンが噛んじゃった。もとい、お元気でしょうか。さて、翔子さんが姿を消してから五年の歳月が流れました。不屈の精神で彼女を探し続けている哲也君ですが、真夏の暑さで夏バテがピークを迎えているせいか、少し弱気になるようなところがございます。今日は彼女に似た人を見たという情報を友人から入手して、目撃したというコンビニ店員君に話を聞きに行きました。

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