竹本博文
現代美術活動の中で考えるたこと。
歌麿風のえをアクリル画で描けば面白そうという思いつきです。
日々の絵画制作の実況報告です。今回は『鳥獣国技館戯画』シリーズ、略して『鳥獣国技』。
国境のないネットの世界では、入り口としての挿絵が重要なのではないか?という仮説から、ネット小説を再定義した作品です。
『ラッキーボーイ』で使われた挿絵の制作過程と解説を公開しています。
11月ですね。10月の制作は、P20号サイズが2点でした。ぼちぼちのペースです。始めたばかりのスタイルなので、まだ直すかもしれません。 さて、今は静かに、作品制作に勤しむ日々で、個人的なトピックがありません。なので、僕の基本的な考え方を、書きながら、自分でも確認したいと思います。 僕は8年ほど前に、美術の活動を再開した時、目標を決めました。人間は自分に限界を設けないことが肝要なので、ならば目標を「西洋美術史に名前を刻む」にしました。言葉というのは定義が重要なので,この「西
10月ですね。9月の制作は、72.7×53cm(20号)が3点でした。歌麿の大首絵は単独の肖像ですが、明暗を強調しようとすると、複数人の方が効果的です。「明暗における、人物間の関係性の美学」と言ったところでしょうか。そして、最新のインスタの投稿には、以下のテキストを英訳して付けました。 「私はこのシリーズで、明暗を重視しています。絵画の歴史では、カラヴァッジオから始まり、レンブラントやフェルメール、ラ・トゥールなどの偉大な芸術家たちが、明暗を効果的に使って作品を作りました。
9月ですね。8月の制作は、F4号が2点とP20号が1点でした。見てお分かりの通り、今回から背景が黒じゃなくなりました。まだ試行錯誤中ですが、大きな変化です。このスタイルを〈オーソン・ウェルズシリーズ〉と呼ぶことにしました。何故そう呼ぶのか?……それは白黒映画の影響を受けていて、特にオーソン・ウェルズの『市民ケーン』を参考にしているからです。 映画の中の白黒の画面は、色のある現実とは別の、言わば架空の世界なので、様々な美的な試みがなされて来ました。その一つの頂点が市民ケーンで
7月ですね。6月の制作はF4号(33.3×24.2cm)が4点でした。7月にCASで個展をさせてもらいます。昨年は途中で展示替えをしましたが、今回は選抜したものを展示する予定です。 さて、今、個人的に、アートワールドの認知度100%を目指した作戦を展開中です。具体的には、インスタグラムをやっている美術関係者(キュレーター、アドバイザー、コンサルタント、コレクター、ジャーナリスト、ライター、美術史家、オークショナー、アートラヴァー、たまにギャラリスト)を有名無名関係なく見つけ
6月ですね。5月の制作は、F4号が4点でした。このサイズをセンチに直すと、33.3×24.2cmで、すごく小さいです。でも、自分の表現の意図が反映しやすいので、これを元に、大きなサイズを描くのも有りかなと思います。 えー、さて。今、インスタグラムで認知を広げる作戦を実施中です。なぜそれを始めたかと言うと、アーティストが実際に関わる美術関係者なんて、たかが知れてますよね。例えば、美術関係者が1000人いるとして、その中で河原温を扱うのは数%でしょう。でも、その1000人の中
5月ですね。4月の制作はF4号が3点でした。4月はグループ展が月末に2つ始まり、なんやかんやで忙しかったです。先月、Facebookに投稿した、ヴェネツィア(16日まで)とソウル(5日まで)がそれです。 思えば8年前、15年ぶりに制作を再開して、初めて展示をしたのは、近所の画材屋さんの壁でした。そこから再始動し、直近のこの一年の展示は、ブリュッセル、大阪、ブリュッセル、バルムシュテット(ドイツ)、ブリュッセル、大阪、大阪、ヴェネツィア、ソウルと続いています。ありがたい限り
ヴェネツィアのPalazzo Pisani-Revedinにて、Art Unites the Worldが開催する国際展覧会"Earth and Space"が始まりました(タイトルが"Human and Space"と表記されているものもあり)。竹本博文作品のヴェネツィアデビューでございます。 ざっくり言って、ビエンナーレの公式か非公式かと問われれば、完璧に非公式な展示です。しかし、公式イベント以外にも、この時期ヴェネツィアには、メガギャラリーやら美術財団やらの展示が盛
4月ですね。3月の制作はF4号(33.3×24.2cm)が5点でした。制作する順番を、大きなサイズから、だんだん小さくして行くと、密度が高まるので、なかなか良い感じです。 さて、僕はよく「なぜ浮世絵を描いているのですか?」と聞かれます。至極シンプルな疑問です。その答えを一言で言うと〈好きだから、以上〉だったのですが、最近、なぜ浮世絵でなければならないか、という理由にたどり着きました。 僕の制作のコンセプトは「グローバル化とは西洋化のことである。それに過度に適応すると、
3月ですね。2月の制作はF30号が1点、P10号が1点、P8号が2点でした。P8号の歌麿2点は、次回の日韓交流展のために制作しました。 先月はFacebookのアカウントを作り直し、友達申請をやり直させていただきました。皆さんに、お手間をとらせて申し訳ありませんでした。いろいろあって作り直したのですが、いろいろあるのが人生なので、これも人生の一部ですよね。やり直しが利く人生は素晴らしい。 さて、超個人的な意見ですが、昨今、美術界を含めて、経験価値が尊ばれています。その
2月ですね。1月の制作は、P20号が4点でした。すべて鈴木春信を元にした作品です。微妙に試行錯誤をしながら制作しています。現在CASで開催中のパイロットプラント展に出品している小品が、そのスタイルの第一作です。 さて、直近のトピックは特に無いので、思いついたことを記します(かなり妄想が入っていますが)。 僕は制作のBGMとしてクラシック音楽をよく聴きます。ただし、時代で言えば、新しいものはラフマニノフ(20世紀前半)ぐらいまでです。ストラヴィンスキーやプロコフィエフは
あけまして、おめでとうございます。 元日早々の地震、大変です。被害が少ないことを祈っております。 さて、1月ですね。先月の制作は、P20号が4点と、P4号が1点でした。P4号(何かを投げようとしている女性の図)は、1月のPP展用の作品です。テーマに沿った作品が、歌麿では無かったので、今回は鈴木春信を描きました。歌麿作品と差別化するために背景は白です。 この見せ方は、グラフィック的で、唯一無二な感じではないのですが、鈴木春信の人物の動きのユニークさが、シルエットで際立
12月ですね。11月の制作は、P6号(41×27.3cm)が5点でした。全て、歌麿が全身を描いたものを、トリミングして大首絵として描いています。このサイズは、10点描いたので、次からは、少しサイズを大きくします。 現在、CASで開催中の『gallery Shimbori Collection』、最終日の12月9日(土)16:00から、対談相手として参加します。よろしくお願いします! さて、今月の日々雑感。 僕は基本的に、インスタグラムを重視して活動しているのですが、EU
11月ですね。10月の制作はP6号が5点でした。サイズが小さいので、点数は多めです。これらは、大首絵ではなく、歌麿の大首絵以外の作品から、トリミングして描いています。 歌麿は、全身像になると、頭身が伸びて、かんざしも長くなる傾向があります。だから少し、いつもと、バランスが違います。浮世絵初期の鈴木春信の描く人物は、サザエさんに出てきそうな、リアルな日本人体型ですが。歌麿の頃は、鳥居清長の描く八頭身美人が大流行していたので、その影響か、歌麿も体型は、ほぼ少女漫画の世界です。
井奥陽子著『近代美学入門』(ちくま新書/2023)を読みました。一部で良書と話題ですが、美学の考え方の変遷が、すごく分かりやすく書かれています。美学の非専門家が読むには、十分すぎる内容です。目次を見たら、章立ては芸術、芸術家、美、崇高、ピクチャレスクとシンプルです。 僕は後半のテーマの崇高に関して、星野太著『崇高の修辞学』を睡魔と格闘して読んだり、そこそこ高値な桑島秀樹著『崇高の美学』をポチッて読んだり、E・バークの『崇高と美の観念の起源』にトライして挫折したり、グランドツ
10月ですね。9月の制作は、P50号が3点でした。ここ数ヶ月は、P50号(116.7×80.3cm)を主に描いて来ましたが、次からは、少し小さな作品を描きます。まずはP6号(41×27.3cm)から。 さて、現代美術の作家活動に、課せられる試練は数々ありますが、避けて通れないのが英語です。アメリカやイギリスに生まれた、ネイティブスピーカーが、全員アーティストとして成功するわけではないので、それが成功の絶対条件ではないですが、作品を作る力量が全く同じなら、英語を話せる方が、格
9月ですね。8月の制作は、P50号が2点でした。最近は「完成しました」と言いながら、結構直します。展示前に保護ワニスを塗るまでは、直す可能性があります。 さて、数ヶ月前、YouTubeを見ていたら、ある広告を目にしました。それは、業務スーパージャパンドリーム財団の広告でした。へぇ、初耳やなぁ、と思いつつ、サイトに行ってみると、海外派遣事業(芸術分野)という項目があり、何と、海外で展覧会を行い、日本文化を伝えるための活動をしている芸術家を対象にした助成を、通年で募集していまし