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KNOCKS ME OFF MY FEET

6月。初夏のさわやかな季節になると、毎年聞きたくなる曲があります。スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の『Knocks Me Off My Feet』。1976年にアナログ2枚組としてリリースされ、数多いスティーヴィーの名盤の中でも最高傑作に挙げる人が多いアルバム『Songs in the Key Oe Life(キー・オブ・ライフ)』の収録曲で、邦題は『孤独という名の恋人』。もちろん原曲の素晴らしさは言うまでもありませんが、ドネル・ジョーンズ(Donell  Jones)、ルーサー・ヴァンドロス(Luther Vandross)などたくさんのアーティストによるカバー・ヴァージョンが存在する名曲です。

日本の中でも、僕が知っている限り2人の日本人アーティストがカバーしています。

1人目は清水翔太さん。2017年にリリースされたシングル『FIRE』のカップリングに収録されています。

2人目は今井美樹さん。1997年にリリースされたシングル『DRIVEに連れてって』のカップリングに収録されているのですが、実は僕がこの曲を最初に聴いたのはスティーヴィーの原曲ではなく、今井美樹さんのヴァージョンなのです。

印象的なピアノに続いて打ち込みのドラムが始まり、1コーラスのほとんどは今井さんのボーカルとドラムのみ。サビに入って再びピアノが静かに加わり、2コーラス目からベースやコーラスも加わる構成と今井さんの伸びやかなボーカルに、初めて聴いたときに心を奪われました。この印象的なアレンジは、布袋寅泰さんが手掛けています。その後、原曲が聴きたくなりスティーヴィーの名盤『キー・オブ・ライフ』を購入したのです。

もちろんスティービーの原曲が素晴らしいのが言うまでもなく、リリースされた1976年に、この曲のメロディーやコード進行は相当画期的で斬新だったのではないかと思います。

しかし、自分にとっては初めて聴いた今井さんのバージョンが1番好きで、シンプルなアレンジと伸びやかなボーカルが初夏の青空を連想させるから、夏の初めに聴きたくなるのだと思います。そして、シングルのリリースが6月だったことも、関係しているのかもしれません。

清水さんのバージョンもよいのですが、今井さんも清水さんもシングルのカップリングのみの収録なため、あまり知られていないのが本当にもったいないと思います。よかったら、聴いてみてください。

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