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ニホンミツバチの群れが巣を捨てたので強制捕獲し、花の多い遠方の山へ巣箱を移しました

 鹿児島県南九州市の実家にあるニホンミツバチの巣箱「実家1号」の群れが自分たちの巣を捨てて逃げ出しました。
 群れは4メートルほど先の軒下に丸い「蜂球」になってぶら下がり、引っ越し先を探しているようでした。
 

新しい引っ越し先が見つかるまで「蜂球」になって待機します

 引っ越し先が見つからないのでしょうね。
日没になっても飛び立たなかったため、強制捕獲に乗り出しました。
急きょ、新しく巣箱を組み立てて蓋(天井)を開けておきました。
 蜂球をこそぎ取るようにして大きい皿にミツバチたちを落とし、そのまま空の巣箱に入れて、蓋(天井)をしました。
 新しい家が気に入ってくれたら定着してくれるでしょう。

 逃げ出した巣を取り出したらカサカサに枯れて茶色に変色し、穴も開いていました。これでは逃げ出しても仕方ありませんね。
 どうしてこんな風に巣がダメージを受けたのか。はっきりわかりませんが、天敵であるスムシ(蛾の幼虫)のせいかもしれません


逃げ出した巣はカサカサに枯れていました

 今年は春先から雨降りが多く、さらに今は梅雨とあって、ニホンミツバチが好きな山の木々に花がありません。幼虫の餌となる花粉を巣箱に持ち帰る姿が見られないのです。幼虫が育たないと、今の働きバチたちの寿命1か月を過ぎたら群れは消滅してしまいます。

 そこで思い切った決断をしました。
 私の蜂場(巣箱を置く場所)がある宮崎県高千穂町の山の中へ巣箱を移すことにしました。
 夜中にミツバチたちが静まったところを見計らって、巣箱の台座を移動用に取り換え、出入り口の巣門を閉じて車に積み込みました。
 


巣箱を車に積み込みました。ミツバチの群れが入っています

 そして朝5時に南九州市の実家を出発し、九州自動車道(高速道路)経由で4時間後に蜂場に到着しました。

 蜂場は、山の中にあります。
今の日本の農業は農薬漬けなので、ミツバチや蜂蜜が安全・安心であるように、畑や田んぼから離れたところを蜂場にしています。
 山の中なので、オオスズメバチやキイロスズメバチはもちろん、マムシやヤマカガシという毒ヘビ、野生のシカ、イノシシも出ます。
 
 防護服をまとって山道を上り下りして巣箱や台座、養蜂道具を運び込み、木の根元で組み立て、箱の継ぎ目にガムテープを貼りました。


 

高千穂町の蜂場で組み立て完了

  ほかの巣箱をチェックしたところ、巣も群れも順調に大きくなっていました。やはり、花はあるようです。
 運び込んだばかりの巣箱の群れにとってはゼロからのスタートです。道のりは厳しいでしょうが、群れが栄えることを願っています。

 余談ですが、ほかの巣箱をチェック中に巣門の中へ手を入れたら手袋越しに針を差し込まれました。防護服とセットの革の長い手袋ではなかったので失敗でした。
 そこで道具箱から「ムヒ アルファ EX(液体)」を取り出し、塗りました。知り合いの薬店主さんからこの薬がいいと勧められて買っておいたのでした。虫刺され(蜂刺されも)にはおススメですよ!

 

虫(蜂)刺されには、このムヒがおススメ!

 果たして群れはうまく蜜源を見つけて大きくなるのか、あるいは順応できずに消滅するのか、はたまた新たな引っ越し先を探して逃げ出すのか……。
 2週間後に状況を見に行きます。
                         (了)

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