公共の電波を通して好きな人にメッセージ。いいなあ。ー韓国映画『ユ・ヨルの音楽アルバム』を観て
韓国コンテンツ、いつもは平均16話くらい続く、ドラマを観ている。1話当たり、1時間はかかる。とても長い。そんな長いドラマに慣れると、そのノリで観る韓国映画はなんかすごい余白みたいなものを感じるんだよね。2時間で収まりきらない!という感覚にもなるし、逆に、細かい部分が描かれてないから、観る人の想像の余地があるというか。登場人物も多くを語らなくて、それはそれでいいかなって思う。
で、この作品。内容はあまりタイトルと一致してない感じ。「ユ・ヨル」さんは別にほとんど出てこない。(笑)
時代設定は90年代。ちょっとレトロな感じ。ドラマ『トッケビ』で有名なヒロイン、キムゴウン演じる「ミス」が姉と営む小さなパン屋に、無口な少年「ヒョヌ」がやってくる。このヒョヌね、チョンヘインが演じてるんだよね!!童顔で甘いマスクなんだけど、ムッキムキで、普段優しいのに好きな女にはちょっと強引なところ。男を見せてきて、毎回やられちゃう、チョンヘイン。
ミスとヒョヌは、大人になっても、出逢いと別れを繰り返してるんだよね。お互いに好きだと自覚した時も、二人は離れ離れになってしまう。そうそう、ヒョヌが軍隊に行くからっていって別れる時に、ミスが、ヒョヌにメアドを作ってあげて、紙に書いて渡したのね。メールのやり取りができるように。パソコンがまだWindows90の時代。なのに、ミスが、パスワードを書き忘れて、せっかく離れても連絡取れると思ったのに、取れないの。でも、ミスは、ヒョヌのそのメアド宛にメールを送り続けて。
でね、いつも聴いてるラジオ番組があって。そこにミスがお便りを送ってたんだよね。その番組のパーソナリティが「ユ・ヨル」さんってだけなんだけど(笑)お便りで、ミスは、兵役から帰ってきたらこの家で待ってる、っていったのに、ミスはその家を引っ越しちゃって、彼が訪ねて来られないこと、見てもらえないアドレスにメールを送り続けていることを書いて、ユ・ヨルさんに読んでもらったのね。で、「パスワードは私の学生番号よ!」って最後に言うの。彼もその番号多分覚えてるから。
いやあ、なんかこのシーンほんとに好きで。彼に連絡する術がどこにもなくて、ラジオにぶつける感じ。彼が聴いてるかわからないけども、どこかで淡い期待もしちゃうだろうし。この切ないけどドキドキする、みたいな感じ、めっちゃいい。
それから、しばらく経って、彼はついにパスワードがわかって、メールにログインできた!連絡も取れるようになったんだけど、また会えなくて。でも、また、思いがけないところで出逢って。お互い綺麗な女、かっこいい男に成長してた。そして、やっと、男女の関係になった。普段のドラマと違って、ostが流れないのがまたよくて、2人の息遣いだけで関係が進む感じも、演出の工夫なんだろうけど、2人の熱量が画面越しにも伝わってきて、心拍数が上がった。
まあでも、物語はそれだけでは終わらなくて。ヒョヌは、少年時代から保護観察を受けていたり、ガラの悪いといっていいのかわからないけど、そういう付き合いがあって、因縁が残っているというか。その関連で、ミスがヒョヌの為を思って、ヒョヌの知り合いに会いに行ったりしたんだけど。それがとても気に障ったというか、彼女であるミスには知られたくない、見せたくない過去の部分で、そこから2人は別れちゃう。
こういうのって、カップルのよくある命題的なものかなって思う。愛する人だからこそ知られたくないことがあるけど、隠された方は、そういうのも含めて受け入れたいのに、隠されたことにショック受けるし。相手の為を思ってなんかしても、それが相手にとっては余計なことになってしまったり。
この辺、それこそ、この映画には余白があるので、自分で割と気持ちを想像しているだけなので、言い切るのは難しいんだけど。
まあでも、どんな関係になっても、相手の踏み込まれたくない部分には一線を引く、みたいなことは必要だよなとは個人的に思う。相手がそれを守ってくれてることに、愛を感じるだろうし。
そんなこんなで、今日の映画の感想は終わり。
キムゴウンがどんどん綺麗になっていって、ふるまいも可愛かったり、かっこよかったり、演技の幅が広くて素敵だなあ。
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