見出し画像

【カタールW杯】史上最強日本代表26名大予想!サプライズは長谷部誠、落選は柴崎岳、古橋亨梧か?


11月1日、開幕が迫ったワールドカップカタール大会に出場するサッカー日本代表のメンバー26名が発表される。日本は7大会連続のW杯出場となるが、毎回のようにサプライズ選出、まさかの落選がある。大会直前の監督交代も起きた。今大会は新型コロナウイルス感染症対策のため、従来の23名から3枠増えた影響も出て来るだろう。果たして、今回もサプライズ選出はあるのだろうか?

現日本代表「史上最強」説

カタール大会に挑む現在の日本代表は「史上最強」と称されている。その理由の1つに、海外組の多さがある。日本が初めてW杯に出場した1998年のフランス大会のメンバーは全員が国内のJリーグでプレーする選手で構成されていた。それが4年後の日韓大会では4人が海外組となり、2006年のドイツ大会では6人に増えた。

その後、海外組が4人に減った2010年の南アフリカ大会でベスト16に進出。これ以降、日本自慢のMF以外のポジションの選手にも、欧州クラブからのオファーが殺到するようになった。2014年のブラジル大会では12人、直近2018年のロシア大会では15人となり、今大会は過去最多20人前後が海外組となることが濃厚だ。

しかし、本当に史上最強なのか、は怪しいところだ。筆者の見解では、現時点までの「史上最強」は、2014年のブラジル大会のメンバーだ。香川真司と岡崎慎司はドイツで年間2桁得点を挙げ、世界最高峰イングランド・プレミアリーグ優勝を主力として勝ち取った。その香川と岡崎を両翼に従えた本田圭佑は名門ACミランのエースナンバー「10」を背負っていた。「凋落のミラン」と揶揄された低迷期だったが、腐ってもミランはミランだ。

ただし、ブラジル組は主力が最強であったが、6人もの選手が未出場に終わったように、選手層は薄かった。逆に現在は招集メンバーが毎回のように議論されるほど選手層が厚い。

それが実現したのは、森保一監督が設定した「攻撃」「守備」「攻撃から守備への切り替え」「守備から攻撃への切り替え」というサッカーにおける4局面に対する基本コンセプトが浸透したからだ。「良い守備から良い攻撃へ」が合言葉となり、攻守の切り替えは驚くほど速くなった。

また、前で奪う守備、引いてブロックを組む守備、反転速攻など、それまでの日本代表では観られなかったプレーも多い。選手層が厚くなったことで特徴が見えにくく、地味な印象もあるが、戦術的にオールマイティーなチームになっていることは間違いない。

初戦ドイツ戦に勝つための26名

森保監督は基本コンセプトを理解しているメンバーしか招集しないだろう。サプライズはない。ただし、東京五輪代表チームの指揮も執っていたため、フル代表の実績は浅くとも東京五輪で活躍した選手を最終リストに載せる可能性はある。

また、日本は出場した過去6大会で3度グループリーグ突破に成功しているが、その全てで初戦に勝点を得ていることが大きなポイントとなる。逆にグループリーグで敗退した3大会は全て初戦で敗れている。

日本は今大会の初戦で強豪ドイツと対戦する。W杯4度の優勝国から勝点を奪うのは過酷なミッションだが、可能性がないわけではない。

ドイツの大手紙『キッカー』で今季のブンデスリーガ全フィールド選手中の平均採点でトップに立つMF鎌田大地、2年連続で1対1の競り合いによる勝利数トップとなった「デュエル王」遠藤航ら、日本にはドイツで高評価される選手が多くいる。「ドイツが警戒する選手」がいるのだ。よって、ドイツに勝つためのメンバーリストを作るべきだ。

以上のことを踏まえ、筆者なりに選んだ26人は以下の通りだ。ポジションごとに寸評を交えていきたい。(年齢は原稿執筆時点)

【GK・DF陣】強豪を相手に堅守で戦うベースは堅く!

【GK】
権田修一(33歳、清水エスパルス)
シュミット・ダニエル(30歳、シント・トロイデン/ベルギー)
川島永嗣(39歳、ストラスブール/フランス)

GKは9月の欧州遠征で起用されたのが、権田とシュミットの2人だけだった。彼らは確定だろう。川島は過去3大会の日本戦全11試合に出場して来た。その経験を細かい部分から伝え、後輩たちを支えて欲しい。4枠となる場合は、上記3選手が全員30代であるため、東京五輪で守護神を務めた21歳の谷晃生(湘南ベルマーレ)の選出が確実視される。

【CB(センターバック)】
吉田麻也(34歳、シャルケ/ドイツ)
冨安健洋(23歳、アーセナル/イングランド)
板倉滉(25歳、ボルシア・メーヘングラッドバッハ/ドイツ)
谷口彰悟(31歳、川崎フロンターレ)
伊藤洋輝(23歳、シュツットガルト/ドイツ)
【SB(サイドバック)】
酒井宏樹(32歳、浦和レッズ)
長友佑都(36歳、FC東京)
山根視来(28歳、川崎フロンターレ)
中山雄太(25歳、ハダーズフィールド/イングランド2部)

CBは9月のアメリカ戦で久しぶりに実現した吉田と冨安のコンビは連携面も含めて鉄板ぶりを発揮。現状3番手の板倉は『キッカー紙』採点のDF部門でブンデス4位にランクインするほど「ドイツが嫌がるDF」だ。現在は怪我で離脱中だが、本大会期間には回復する見込み。ボランチでも起用できる多機能性も高く評価すべきで、多少の無理をさせてでもカタールには連れていくだろう。彼等3人は東京五輪でもプレーしており、連携面での不安がないのも大きい。

4番手の谷口は目下2連覇中の川崎の主将。現在の日本代表に川崎出身の選手が多いことも彼を推す理由になる。伊藤は所属するシュツットガルトで監督交代が起きて以降、出場機会が減少。しかし、CB陣唯一の左利きで、左SBでファーストチョイスになる可能性もある。メンバー入りは確実だろう。

そのSBはコンディションが良好なら右の酒井宏樹は鉄板だが、ここ1年ほどは5度もの負傷離脱を経験するなど、不安がある。山根は中央エリアでもボールを受け、司令塔役や相手のカウンター阻止を担う個人戦術「偽SB」のタスクをこなせる現代サッカーのプロトタイプなので不可欠。

左は長友と中山が併用される状況が本大会を前にしても続いている。その中で長友が本大会が近づくに連れて、1対1の守備での粘り強さを発揮している。全盛期のような「全試合MVP級」な活躍はできないが、守備重視で挑む本大会で頼りになる存在となりそうだ。

CB枠から伊藤を回す可能性もあるが、9月の欧州遠征ではCB起用に終始。3バックを採用して、ウイングバックにアタッカーを入れるオプションを有効活用するのがベターな選択だ。守備陣は強豪を相手に堅守をベースに戦うため、選考も堅くなるだろう。

【MF・FW】鎌田大地を軸に据えたチーム作りに必要な1トップは?


【セントラルMF】
遠藤航(29歳、シュツットガルト/ドイツ)
守田英正(27歳、スポルティング・リスボン/ポルトガル)
田中碧(24歳、デュッセルドルフ/ドイツ2部)
長谷部誠(38歳、フランクフルト/ドイツ)
【トップ下】
鎌田大地(26歳、フランクフルト/ドイツ)
南野拓実(27歳、モナコ/フランス)

遠藤と守田、田中のスリーセンターは鉄板だったが、[4-3-3-]は主導権を握れなれば厳しい。オーソドックスな[4-2-3-1]へのシステム変更により、攻撃型の田中が控えとなる。遠藤と守田は攻守に置いて万能で、どちらかを欠くと日本の戦術や戦力値が大きく変わってしまう屋台骨だ。

そして、もう1人の控えは、攻撃型では使い道がない。柴崎岳(レガネス/スペイン2部)はパフォーマンスも芳しくない。強豪のドイツとスペインを相手にする本大会で必要なのは、リードした展開で守備固めに入ったり、安定感をもたらせる選手だ。

それは偉大なる日本代表の前主将・長谷部誠以外にいない。今大会は欧州サッカーのシーズン真っ只中に開催される異例の大会であり、そのために日程も過密さが増している。それでも約1カ月前後をチームと過ごすことになる。そんな集団活動の中では日々のルーティーンワークやコンディション管理、メンタルやモチベーションのコントロールが重要となってくる。そんな時、2010年から3大会連続で日本の主将を務めた長谷部がチームにいる意味は大きくなる。

ドイツで2008年初頭から15年近くプレーしているだけに、ドイツを徹底分析するためにも必要だ。9月の欧州遠征でもチームに帯同していたが、経験値だけでなく戦力としても不可欠だ。唯一のサプライズ人事があるとすれば、「長谷部枠」のみだろう。

そして、日本は今季のブンデス最高のフィールド選手である鎌田を軸にしたチームを作るべきだ。彼をトップ下に据え、その控えにはパサータイプの彼とは異なる点取り屋の南野を置くことで、攻撃にバリエーションがもたらされる。

【ウイング】
伊東純也(29歳、スタッド・ランス/フランス)
堂安律(24歳、フライブルク/ドイツ)
久保建英(21歳、レアル・ソシエダ/スペイン)
三笘薫(25歳、ブライトン/イングランド)
相馬勇紀(25歳、名古屋グランパス)

W杯アジア予選までのウイングは、右にスピードスターの伊東、左にセカンドストライカー役の南野が起用されたが、現状は異なる。豪州戦でW杯出場を決める2ゴールを挙げた三笘が強烈なアピールを続けているが、彼のその特徴は本大会でも攻撃のスイッチを入れる「スーパーサブ」起用がチームの躍進や自身の活躍のためにも最適解だろう。

個人技でも味方との連携でも突破できる堂安は貴重な存在だ。ドイツでは守備面でも評価されている。伊東をスーパーサブ役に回しての先発抜擢もありうる。堂安と東京五輪でダブルエースを組んだ久保も今季から移籍したソシエダで充実の一途を感じさせる。

彼ら4人は不可欠で、最後の1枠に相馬を挙げたい。東京五輪でも「突破力」に関しては堂安や久保よりも勝っていた。守備にもアグレッシブで、キャラクター的にも年上に可愛がられるタイプの彼がラストピースになりそうだ。

【1トップ】
大迫勇也(32歳、ヴィッセル神戸)
上田綺世(24歳、サークル・ブルッへ/ベルギー)
前田大然(25歳、セルティック/スコットランド)

最後の最後まで軸となる選手さえ見つからなかった1トップだが、アメリカ戦での前田は超人的だった。あの強烈なハイスピード・プレッシングは、プレッシング大国のドイツ相手にも通用する。浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)よりも周囲と連動できる点で勝る。浅野は復帰間近だが、爆発的なスピードを武器とする選手が靭帯の怪我から復調するのには時間がかかるだろう。

上田は、これまでゴール前でしか持ち味を発揮できなかったが、エクアドル戦で柔軟なポストプレイを披露して周囲を活かす場面が目立った。プレーに幅と丁寧さが出て、味方への思いやりも出て来た。一躍、新エース候補だ。今夏に移籍したベルギーではトップ下などFW以外での起用が多い中、ここまで15試合出場で5ゴール。守備重視で攻撃に人数がかけられない中でも結果を出すのは、日本の本大会での求められる状況にも酷似する。

逆に代表戦で全く良さが発揮できない古橋亨梧(セルティック)は選外か。森保監督の起用法が問題視されることが多いが、それは現体制には合わないことの証明だろう。

そして、本来の軸であった大迫がここへ来てJリーグの連戦下でも先発出場を続け、多くのゴールに関与する救世主的活躍で神戸のJ1残留に貢献し、劇的にコンディションを上げて来た。また、現在の日本代表は鎌田仕様のチームになって来たが、鎌田が所属するフランクフルトの1トップには、大迫のように巧みなポストプレイで周囲を活かし、今季リーグ最多の8アシストを記録するフランス人のランダル・コロ・ムアニが据えられている。鎌田を最大限活かすためにも、大迫の代表復帰はプラスだ。最後まで見つけられなかった「大迫の代役」だが、持ち直した本人を招集することで落ち着くだろう。
 
筆者の予想は上記の通りだが、正式な代表メンバーは11月1日の火曜日、14時から発表される。果たして森保監督が選ぶ26名とは?いよいよ本番モードが加速する!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?