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最高のアトリウムを探せ!
アトリウムといえばガラスで覆われた自然光を取り入れた開放的な大空間、その多くはパブリックなスペースだったりするが、起源はローマ時代の住居において、玄関奥に配置された天窓のある広間のことらしい。
現代のアトリウムの中には、商業主義的というかドヤ感が鼻につくアトリウムもあるが、内にいながら外を感じさせる空間もあって、個人的には好きである。
ルッカリー(フランク・ロイド・ライト)
オフィスビルのアトリウムのリニューアル。白い鉄骨と派手になり過ぎない金色の装飾、そしてライトらしい幾何学的なデザインの照明が、オフィスビルとは思えないリッチな空間をつくっている。
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コペンハーゲンIT大学(ヘニング・ラーセン)
冬場の北欧は日照時間が短いので、少しでも多くの自然光を取り入れたいところ。この校舎もそんな環境が反映されているのかもしれない。飛び出しているのは学習室。適度なオープン感もあって、積極的に勉学に励むかも?
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東京都現代美術館(柳澤 孝彦)
このアトリウム、比較的シンプルで作品展示にも適していると思うのだが、エントランスからのアプローチが遠いことが難点。もったいない!
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メストレ・エンジェル病院(エミリオ・アンバース)
またマニアックな建築! 設計はアクロス福岡でも有名なエミリオ・アンバース。建物に植物を組み込むという彼らしさもしっかり表現されているが、何より病院らしく見えないことがポイント。
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ニューヨーク近代美術館(谷口 吉生)
2019年にも拡張を行ったMoMAだが、こちらは2004年の増築部分。谷口さんの名前をさらに有名にした名建築。天井の高い空間に抑えられた光が落とし込まれ、程良い明るさで作品が鑑賞できるようになっている。
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モエレ沼公園・ガラスのピラミッド(イサム・ノグチ)
広大な公園を象徴する建築。いや、"建築"ではなく"彫刻"と言うべきか? 札幌観光で一度は訪れるべき施設だが、決して敷居が高いということもなく、近所の人たちが普通に散歩したり遊んでいる公園でもある。
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イェール大学英国美術研究センター(ルイス・カーン)
コンクリート、オーク材パネル、天井ガラスの組合せが絶妙なアトリウム。英国アートの雰囲気にどっぷりと浸かることが出来る。同じくカーン建築では、フィリップス・エクセター・アカデミー図書館でも圧倒される。
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ミネアポリス中央図書館(シーザー・ペリ)
来訪者を迎え入れるアトリウム。そこはビジネス街とアート街をつなぐストリートとしての役割も果たしていた。図書館という特性のためか、この建築でも自然光の取り入れは抑えめだが、それ故に照明も含めて、"光"が強調されている。
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京都市京セラ美術館
新築ではなくリニューアル。管理者も利用者も気付いていなかったオリジナルの良さを復活させ、そこに新たな要素を付け加えて、より魅力的な建物に仕上げるという素晴らしい事例。
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シカゴ・ユニオン駅
アメリカの主要都市の駅舎には荘厳な建築が多い。シカゴのこのボザール様式の建築もその一つ。数々の映画のロケ地にもなり、隣には映画「アンタッチャブル」の階段もある。
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ボストン美術館新館(ノーマン・フォスター)
本館と新館の間をアトリウムとしている。カフェとして利用されており、ちょっと一息入れるにはちょうど良い。この時の企画展はロートレック展とフリーダ・カーロ展。もちろん常設展も充実している。さすがボストン美術館。
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オーフス市庁舎(アルネ・ヤコブセン&イーレク・ムラ)
1941年に開館した市庁舎のホール。ありきたりの表現だが、とても北欧らしい建築で、何より今でもキレイに使われていることに驚く。もちろんそのデザインを損なうような"張り紙"もない。
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小牧市中央図書館(新居 千秋)
名建築として知られていた象設計集団による小牧市図書館。その建物が閉館となり、移転新築された。階段が印象的なこのアトリウムだが、新図書館の設計者・新居さんはルイス・カーンにも学んだことがあるそうで、何となく納得できる。
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グッゲンハイム美術館(フランク・ロイド・ライト)
あまりに有名なライトの傑作。吹き抜けのアトリウムを中心に螺旋状のスロープを歩きながら作品を鑑賞する。美術館としての評価は賛否あるようで、確かに建築が目立ち過ぎてはいる。
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ワシントン・ナショナル・ギャラリー東館(I.M.ペイ)
ルーヴル美術館もそうだが、ペイはアトリウムも上手い。ナショナル・ギャラリーも多数の名作をコレクションする巨大な美術館だが、東館ではこのアトリウムが出迎えてくれる。A・カルダーのMobileがアクセントになっていた。
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ブラッドベリー・ビルディング
「ブレードランナー」のロケ地としても有名なこのビル。映画では退廃的な雰囲気であったが、実際には光溢れるとても豊かで贅沢な空間。逆に言えば、リドリー・スコットの映像美がスゴいということでもある。
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紀尾井清堂(内藤 廣)
一般的にアトリウムと言えば明るい空間であるが、ココは必ずしもそうとも言えない。そもそも"用途不明"という摩訶不思議な建築なのだから…。
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ワールド・トレード・センター駅(サンティアゴ・カラトラバ)
9.11テロ事件の跡地にできた新駅舎。ターミナル駅としての機能だけでなく商業施設も入り、中央ホールはスタイリッシュなアトリウムとなっている。しかしプロジェクト全体のコストは40億ドルだったとか…。さすがカラトラバ。
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Allen Lambert Galleria(サンティアゴ・カラトラバ)
またカラトラバで申し訳ないが、トロントのツインタワーのアトリウム。彼の比較的初期の建築である。この狭いエリアにこれだけの鉄骨を使いながらも重量感はなく、むしろ軽やかですらある。
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フォード財団ビル(ケヴィン・ローチ)
マンハッタンにおいて、初めてつくられた植物園のような緑あふれるアトリウム。オフィスからもその緑を眺めることが出来る(らしい)。もちろんオフィスには入れないが、アトリウムは見学可能。まあ誰も観光目的では訪れないだろう。
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タイトルには「最高の」と書いたが、自分の住む街にも日本にも世界にも素敵なアトリウムはまだまだたくさんあるだろう。定番なので今回は外したが、東京国際フォーラムのアトリウムも嫌いではない。
ということで、最高のアトリウム探し(つまり建築探訪)はまだまだ続く。
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