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他文化を盗用・私物化することの無責任さ

グローバル化って?

昨今ずっっっっっと「グローバル化」という言葉を聞きますよね。テレビでも政治家の講演でもどこでも聞くようになりました。「グローバル化に伴って〜」「グローバルに活躍できる〜」などなど。でも、グローバル化、グローバルになるってどういうことなんでしょうか?

結論 : 一つの文章で表すのって無理な気がします。グローバルな世の中?何についてのグローバルになのか、そこが欠落してることが多い気がします。貿易のグローバル化、資本(capital)のグローバル化、それとも音楽のグローバル化なのか。とりあえず、グローバルな〇〇って言っとけば教養ありそうだしいい感じに聞こえるし自分も正直よく使う(笑)。だから、このnoteでは様々な視点から話すグローバル化シリーズのようなものをできていけたらな、と思います。もちろん、私が別にエキスパートでもなんでもないのでただの21歳の大学生がなんか言ってるなくらいのテンションで読んでもらえたらな、と。

今回は、「文化」のグローバル化について書いていきます。その中でも、「文化の盗用・私物化」というトピックに焦点を当てていきます。これは大学の授業や海外生活の中でずっと考えさせられてきたトピックなので少し長い記事になると思いますが、自分の考えをしっかり精密に伝えられるようにします。

文化の盗用・私物化とは

そもそも、「文化の盗用・私物化」とは一体なんやねんってなりますよね。日本語でのソースがあまり見つからなかったのでOxford Dictionaryから引用すると

The unacknowledged or inappropriate adoption of the customs, practices, ideas, etc. of one people or society by members of another and typically more dominant people or society. 日本語に直訳すると「ある人々や特定の社会の風習、習慣、考えなどを、他人(一般的に、より優勢的な人間や社会)が、本来の意味を無視しながら、または不適切な形で借用すること」

だそうです。「文化の盗用」とも日本語には訳されますが、盗用はちょっと言葉のインパクトが強すぎるので文化の私物化、借用、なんていったところでしょうか。英語では「Cultural Appropriation」と呼ばれるもので、もともと自国の文化ではない、つまりは他の国の文化を(本来の意味を無視しながら)自分のものにする、取り入れる行為のことをさします。

身近な例で言うと、元々西洋の文化であるハロウィンが最近日本でも普及していることでしょうか。去年のハロウィンに仮装をした若者が渋谷に集まってどんちゃん騒ぎをしてトラックを意味もなくひっくり返したりする事件ありましたよね。その話をアメリカ人の友人にすると、「日本人のハロウィンに対する理解の仕方はどうなっているんだ」と驚かれました。

逆の例で言うと、着物を西洋風のドレスとミックスしたデザインのドレスを作った海外のアーティストが日本人から「日本の文化をバカにしている」「日本の文化を変えないでほしい」とバッシングを受けたり。

では、なぜこれがグローバル化に関係しているのか?テクノロジーが普及してソーシャルメディアが世の中の必要不可欠なものとなった今、海外の文化の情報をメディア上で簡単に目にすることができるようになってきました。文字通り、自分の手の平の中で見つけることができるようになったのです。つまり、それまである一つのエリアでしか存在しなかった文化が、簡単に世界中の人々の生活に取り入れることが可能になった為(文化のグローバル化 / 世界規模化)、他国の文化を取り入れる / 私物化する行為が大きな話題になってきているのです。

なぜ気にするのか

そんなんどうでもよくない?法律で文化勝手に私物化したらあかんとかないし?

確かに。

別に着物を海外で勝手に好きなように改造されたって気にしやんで?

まあ、確かに。

けど、それってその文化の重要性を理解せずに文化の本質をただ無視しているだけの無責任さから生まれている考え方なのではないのか、と思います。一つ一つの文化には歴史があり、そこでしか共有できない意味があり、お互いに尊敬されるべきだけの価値があると思います。そして文化はその地域、国の人の大きなアイデンティティメーカーの一つです。その一方で、文化のグローバル化に伴い他文化を取り入れる行為が簡易化され、文化の価値が過小評価されてしまっている気がします。そんな時代だからこそ、一つ一つの文化の重要性を見直して、お互いに尊敬するべきなのではないのでしょうか。

超!簡単に言うと、他人の作品や知的財産に著作権があるように、文化にも"著作権"が必要じゃないのかなということです(ちょっと違うような気もするけど超わかりやすく言うとそんな感じ?)。

文化の私物化に必要なこと

じゃあ、何を具体的にするべきなのか?

初めの一歩として先ほども言いましたが、その他文化のオリジナルの意味を理解して尊敬を払うことでしょう。ただ、日本のハロウィン事件のように現実的な話、全員がそれをすることって難しいような気もします。Glocalization (Globalization + Localization)と言われるように、文化のグローバル化に伴い、他国の文化を"自国流"として取り入れて"自国オリジナル"の文化になってしまうことも実際にはおきています。それも仕方ないのかな、とも思いますしそうやってどんどん文化も"進化" (それとも退化?)していくのだとも思います。

ただ、それと同時に

①「オリジナルの文化」としてその文化を保存していくこと

②   文化を尊敬すること

「文化の私物化 (Cultural Appropriation)」について議論すること

が何よりも大事ではないのかと21歳の大学生は考えてみました。

最後に

ちゃんと自分の考えが全て抽出されたかどうかは不安ですが、大学に入ってから(もちろん幼少期を海外で過ごしたことも踏まえて)ずっと授業内や日々の生活の中で考えさせられてきたトピックなので、とりあえず一旦自分の脳みそをデジタル化しておきます。何回も言いますが別にエキスパートでもなんでもないので異論だったりこういう考え方もあるんじゃないか、などあったらコメントしていただけたら幸いです。

2019年5月22日

hiroaki