フランス葬儀事情#03
世界のお葬式に関する話題をお伝えしています。
※2011年にフランスの葬儀業界を視察した際の内容を業界誌で「フランス葬儀業界探訪記」として特集して頂いた内容の抜粋となります。記載されている数値は当時のものになります。
安置室へ
次はご遺体の安置室です。サロンと呼ばれており、遺族・面会者が入る入口とご遺体の搬入口が別の導線になっています。室内からご遺体の搬入口には出られないように、扉に取っ手がついていません。また、ご遺体の搬入口側の通路には、いたるところに「静かに」という注意書きがあって配慮がされています。
サロンの内部は星空をイメージした天井に、木を使った内装でご遺体を安置するスペースとソファ等があり、遺族や面会者が過ごすスペースを格子状の扉で区切られるようになっています。これは習慣から遺体を見たくないというケースもあり、遺族が扉の開閉を行う事で調整します。
エンバーミングを行なう場合は48時間の対面が可能であり、遺族は鍵を渡され自由にお別れを行ないます。
エンバーミングを行なわない場合は1時間しか対面ができずに、すぐに保冷庫に安置されます。
サロン入口には、モニターがあり、故人名・没日。安置されている時間が表示され、同じ内容がインターネットからも確認できるようになっている。
葬儀場と火葬場へ
葬儀式場は119席あり、参列者は20名のときもあれば400名のときもあり、年間で1,500件のセレモニーが行なわれるが、約1,300件は宗教的なセレモニーを行なっているそうです。開放感のある素敵なつくりで、利益を設備投資の充てられるというのを改めて納得です。また、大量の木箱が。何に使うか尋ねると、埋葬スペースは限られているので、5年経過すると掘り起こして、木箱に移し変えて埋葬場所を効率的に利用するとのことです。
ボリュームたっぷりの昼食をはさんで(フランスの方はよく食べます。)、火葬場に向います。
当日も火葬場の利用者がいらっしゃいました。
見学中に遺族が施設に来られた際に、急に小声でこそこそと、その場を立ち去る様も万国共通です。
火葬場の入口には、いつ火葬されたかがわかるようにデータベース化されたものを遺族が見ることのできる端末が設置されています。最近、法律で義務付けられたそうです。
火葬中の休憩室にはモニターが設置されていて、火葬がどういうものか説明するビデオを見た後に、柩が火葬炉に入るところが見ることができるようになっています。ラテン系のお国柄ということもあってか、柩が火葬炉に入る場面では感情が高ぶる方が多いそうで前後に自然映像を流すなどの配慮をしているそうです。
火葬場にもセレモニーができる部屋があり、お別れができるようになっています。
柩の台はエレベーターになっており、階下の火葬炉に柩が移動できる仕組みになっています。これは土葬の再現でもあるそうです。最近取り付けた、LEDの照明が好評だそうです。
この地域では1,800件の火葬が行なわれているそうですが、そのうちの1,400件はPFIの火葬場で行なわれているとの事です。
火葬場の敷地内に散骨場もありました。散骨は遺族が行なうことも、職員がおこなうこともあるそうですが、職員に任せる場合は、遺族は柩が火葬炉に入った後は帰ってしまうそうです。お骨に対する考え方が大分違いますよね。
フランス葬儀事情#04に続きます。
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