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バリ島葬儀事情#01

世界のお葬式に関する話題をお伝えしています。
※2012年にバリ島の葬儀を視察した際の内容を業界誌で「特集して頂いた内容の抜粋となります。記載されている数値は当時のものになります。

パリのつぎは、バリへ
昨年、フランスの葬儀事情を学びにパリへ行きました。カトリック教徒が大半を占める国で土葬ではなく火葬が急激に増えているという事実。つまり宗教離れ、また葬送に対して合意性を求める結果、葬儀自体が簡略化される傾向の裏にはいったいどのような意識の変化があるのかを学び、同じ先進国である日本の葬儀がこれからどうあるべきか考える良い機会となりました。
 次に開発途上国における、より原始的な葬儀文化に触れることで、日本の葬儀文化の根本にあるものは何なのかを考えたいと思いました。
今回はインドネシアのバリ島を選択しました。


以前「風葬の村」という本を読んだのですが。そこにはバリ島北部、バトゥール湖畔にあるトルニアン村で行われる風葬について記載がありました。トルニアン村では独特の宗教文化のもと現在でも風葬が行われているということでした。
風葬とは「遺体を風にさらし風化を待つ葬制」で日本でも沖縄や奄美などで以前は行われていました。

トルニアン村はBali Aga(バリアゴ)と呼ばれ(バリ原住民というイメージかと思います。)、現在のバリ人は、元々ジャワ島からバリ島に逃れて来た人達の事なのですが、バリアゴとは、それ以前からバリに住んでいた人達のことを言います。そのため葬儀の風習以外にも独特の習慣をもっているそうです。

 また、バリ島探訪と同じ時期に、施設のシンボルとして「グリンシン」というバリ島で作られている布を入手することにしました。
「グリンシン」は「魔除けの布」とされる特別な布で、昔は人の血液で染めたともいわれており、古来からの製法を守り、糸の染色から完成まで長いものでは10年以上の歳月を費やすという世界でも最も貴重な布の一つです。
ダブルイカットと呼ばれる特殊な製法で織られており、この製法で織られる布は現在では、日本とインドそしてこのバリ島のトゥガナン村など世界でも数カ所しかないと言われています。

今回の旅は「風葬」と「グリンシン」を求めての冒険の旅となりました。

前回のフランスは、既に視察に行ったことのある方々に協力を仰ぎながらの準備でしたが、今回は全く伝手の無い状態からの準備でしたので、最初は本当に行けるのか不安でしたが、準備中に現地在住の商社の方とコンタクトを取ることができたことから、現地での行動もスムーズにできました。
周囲の方のご協力・またとない幸運に恵まれながらの旅を皆様にもご紹介したいと思います。

バリの宗教
まず最初に、バリの宗教事情について、簡単に概要をお話します。
全国民の90%近くがイスラム教徒というインドネシア共和国ですが、バリ島はほとんどがバリ・ヒンドゥーと呼ばれる、バリ島独自の宗教を信仰しています。他民族が集まる島なので、イスラム教徒もカトリック教徒も居ますが、ほとんどのバリ人はヒンドゥー教徒といえます。その宗教が基礎となり独自の文化・風習が栄えました。
バリ島へは、基本的にジャワ島を通して文化が入ってくることが多く、4~5世紀頃には、インドからジャワ島を通してヒンドゥー教と仏教が入ってきたと言われています。15世紀後半にジャワ島を支配したヒンドゥー教王国と言われるマジャパイト王国が滅亡すると、宗教者がバリ島に移り住んだことで、バリ島に根付いていた土着のヒンドゥー教とジャワ島のヒンドゥー教が混成されたのが現在のバリ島のヒンドゥー教の大本になっています。
ただし、ヒンドゥー教と一口に言っても、バリのヒンドゥー教には独特の教義があり、もともとインドで発祥したヒンドゥー教とは一線を画しています。

バリ島葬儀事情#02に続きます。

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