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ヒルクライマーならば気になる低酸素トレーニングについて~RSH(Repeated Sprint Training in Hypoxia)のススメ~

4月も半ばになりシーズンインされている方も多いと思います。そして、前半戦の大勝負であろう富士ヒルクライムまで2ヶ月弱。歴史のある乗鞍ヒルクライムまで4ヶ月です。

どちらも標高2000mを超える高地でのレースとなり、その影響でパフォーマンスを上手く発揮できなかった経験のある方もいらっしゃると思います。

その理由としては、標高が高くなればなるほど気圧が減り、併せて酸素濃度も下がります。標高1000mで89%。2000mだと79%にまで落ちると言われております。

人間は酸素を取り込むことでエネルギー源を燃やし体を動かしております。酸素の量が減ればそれだけ発揮できるパワーも下がります。具体的には、標高2000mの地点では高地順応している人でも10%近く。高地順応していない人の場合、発揮できるパワーはおよそ13%減少するとのことです。

こういった低圧・低酸素環境下に暴露すると、必要な酸素濃度を確保するために赤血球数やヘモグロビン濃度等を増加させ酸素の運搬能を改善させていきます。

この記事では低酸素環境による身体への影響と具体的なトレーニング方法についてご紹介いたします。

前半は低圧・低酸素環境が身体に与える影響と、従来の長期間滞在する高地トレーニングについて。

後半は週に2~3回、期間は2~5週間。1回60分未満といった比較的短時間かつ低頻度で効果を見込めるRSH(Repeated Sprint Training in Hypoxia)についてお話しいたします。

富士ヒルクライムや乗鞍ヒルクライムといった高地でのレースに向けて、高地への適応方法について悩んでいる方。もしくは高度に訓練されており通常のトレーニングでは伸び悩みを感じている方は是非ご覧ください。

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