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クリムゾン・ドラミングを継ぐ者現る(プログレ構文すみません)〜black midi@梅田クラブクアトロ

すごいライブを体験したのでこれはnoteに書かなきゃと思い書いております。12月5日に行われたblack midiの梅田クアトロライブ。春ぐらいからソーシャル上でイギリス若手ロックバンドでプログレやっている奴らがいると聞きつけてどうも来日するらしいとぼんやりしていたら東京公演のチケットはあっと言う間に売り切れて仕方なく大阪に遠征したのですがこれがかえって良かったようです。

black midiについての紹介を〜最初noteで検索したら少ないかなと思って書いたら何故か後からたくさんのblack midiについて書かれた記事が上がってきまして。。。ご存知の方には申し訳ないですがせっかくなのでそのまま掲載させてください。

ブラック・ミディ (black Midi)は、2017年にロンドンで結成されたロックバンド。マスロック、プログレッシブ・ロック、ポストパンクなどのジャンルを融合させた実験的かつアグレッシブなサウンドを追求している。2018年にデビューシングル「bmbmbm」をリリースし、2019年6月21日にデビュースタジオアルバム『Schlagenheim』をリリースした。全英アルバムチャートのトップ50に入り、2019年のマーキュリー賞にノミネートされ、批評家からも絶賛された。2ndアルバム『Cavalcade』は2021年5月26日にリリースされ、3rdアルバム『Hellfire』は2022年7月15日にリリースされた。

ジョーディ・グリープ (g,vo,b〜1999生まれの21歳!)
キャメロン・ピクトン (b,vo,g〜彼も1999年生まれの22歳!)
モーガン・シンプソン (ds~彼は1998年生まれらしい。子供の頃から数々の受賞をしていた神童ドラマー。)

Wikipediaより

みんな若いですね!あまりにも老練な演奏はもっと年上かと思っていました。そもそもあまりメンバーのことも調べずにライブに行っていました。キーボードの人も含めた4人編成だと思っていたのですが今回一緒に来日したセス・エヴァンス(kb)はサポートメンバーのようです。しかしながら優しそうな見た目とメンバーとのコミュニケーションでレギュラーメンバーのような佇まいでした!

入場番号も悪かったので開場30分後ぐらいに梅田クアトロに入りましたがすでの会場はいっぱい。中2階の中ほどに位置取りして待っていました。オープニングは京都の女子4人組、おとぼけビ~バ~さん、30分で15曲という超熱量のパンクで変拍子も入っていてかっこよかった。black midiの初来日の際に打ち上げに入り込んで仲良くなり海外ツアーやフェスを一緒にやってるそう。今回は地元・関西で満を持してオープニングアクトを務めるというエモいストーリー。おとぼけビ~バ~さんのかっこよさについては別途書きたいと思います。

ステージ上では大幅なセットチェンジ。その間、ビルラズウェルやらレジデンツやらシルヴァーアップルズ、ファウスト、それと知らないハードコアやノイズぽいのがかかっていていい感じです。でも30分ぐらい待たされました。そしておもむろに「Sugar/Tzu」の冒頭のようなリングアナウンスが流れてメンバー入場しライブがスタートします。

ステージ下手からキーボードのセス、ベースのキャメロン、ギターのジョーディ、一番右よりにドラムのモーガン。ドラムキットを横向きにセッティングしているおかげでモーガンの手元がよく見えます。ここで正直に書きますがアルバムをSpotifyで聴いていましたがどれも同じように聞こえてしまい中々聴き込めないでいました。なので始まるまでどの曲がどれだったかあまり良くわかっていませんでした。ライブ後にツイートされているセトリ画像と

どなたかが上げてくれたセトリプレイリスト

でようやく理解したというレベルです。

いやそんなんでレポート書くなよと突っ込まれそうですが、とても印象的に残っているシーンがいくつかあります。

まずモーガン・シンプソンのドラムが凄まじい。すごいパワーとヒットの音が突き抜け、また超高速のタムロールの連打、モーガン自身はアフリカ系イギリス人ですがものすごいタイトでロックフィーリングのドラミングです。そしてそのスピーディーなドラミングに完璧についてくるベースとギター、キャメロンはベースを高めに構えているのでジェントル・ジャイアントのレイ・シャルマンを思わせます(プログレおじさん構文ですみません)。そしてジョーディのヴォーカルのイギリス人声、スティングやピーター・ガブリエル、フランシス・ダナリーのようなあの声です。「Sugar」とか「Eat Men Eat」などの変態的な超高速リフを弾きながら歌います。black midiの実際のライブバージョンはもっと複雑かつスピード感マシマシで一切同期なども使わずにものすごい演奏。途中「Still」「Near DT, MI」と言った曲はベースのキャメロンがギターに持ち替えてリードヴォーカルを歌っていたような気がします。彼もとてもいい声をしていました。あとキャメロンの「アリガトゴザイマース!」がすごく自然で優しかった。なんかイマドキ女子にモテそうな人です。

そしてまたプログレおじさん構文で申し訳ないのですがモーガン・シンプソンのドラミングがあの音を思い起こさせました。かつて見た80年代のディシプリン・クリムゾンの頃のビル・ブルーフォードのプレイを思い起こさせます。スタジオテイクではわからないのですが実際のライブだとスネアのチューニングも高めになりストロークも早くなっており手数も多い。どの曲かは失念しましたがある曲でキング・クリムゾンの「Indicipline」の2分20秒から出てくるフィルインをまんま再現してました。これは確信犯やろ!と思いライブの後、彼のインスタグラムをチェックしてみるとありました、ビル・ブルーフォード御大と一緒に写っている記事が!そこには「私の絶対的なヒーローと会見する特権を得た!」と嬉しそうなモーガン氏がいます。

https://rockinon.com/misc/detail/199990

なんとロッキンオンで記事になっていますw。後半が掲載されたバックナンバーを取り寄せていますので入手したらまた書きたいと思います。

そしてもう一つ書いておきたいのがラスト曲前に披露されたまだ未音源化の「Magician」という曲について。ジョーディの不思議なアルペジオから始まって朗々と歌い上げる美しいバラードです。後述するOTOTOYのライブレポでは”フランク・シナトラを彷彿とさせる〜”なんて書かれているがセスのキーボードとモーガンのドラムも盛り上げ途中フレディ・マーキュリーのようなピアノの弾き語りになり「あなたのハート、あなたのテキスト、あなたのセックス〜」うまく聴き取れませんでしたがこんな感じでジョーディーがアカペラになって歌う箇所がありとてもイギリス的で超ドラマチックな大作、シアトリカルなプログレと言っていいでしょう!。感動のあまり涙が出そうになりました。最後は変拍子ジャズ・ロックの「Slow」で終わった約90分、入場から3時間あまりの立ちっぱなしにも関わらずとても幸せな気持ちになりました。

4人組という編成のせいでしょうか、チケットを押さえておきながら行けななくて後悔がずっと残っているイット・バイツの1989年10月の渋谷クアトロ公演はきっとこんな感じだったのかなあとメランコリーになってしまいました。

OTOTOYによるライブレポート

ライブ動画探していたらプリマヴェーラのオーディエンス映像があったのでシェアします。今回の公演のもう一つの未音源化曲「Lumps」もやっています。ちょっとカンタベリーっぽいと思ったジャジーなナンバー。この時はサックス奏者もいますね!

あとレッチリの「Can't Stop」て曲やってたらしいけどおじさんレッチリは「Mother's Milk」で止まっていてわからんかった。「John L」の前ぐらいで若者たちが異常に反応していたからあのあたりだったのかなあ。


最後まで読んでいただいたありがとうございました。個人的な昔話ばかりで恐縮ですが楽しんでいただけたら幸いです。記事を気に入っていただけたら「スキ」を押していただけるととても励みになります!