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『1兆ドルコーチ』から学ぶチームビルディング② やっぱり信頼!とにかく信頼!

前回の復習

前回の記事
前回の『1兆ドルコーチ』に関する記事でも、
「信頼が大切」というような内容を書きました。

本書は、第3章のタイトルを「『信頼』の非凡な影響力」とし、
ビル・キャンベルが
・どのような相手と
・どのように
信頼を構築していったのかを詳細に記述しています。
今回も引き続き「信頼」というキーワードを深堀りします。

1.信頼の定義

そもそも「信頼」ってなに?というところから。
同書では、以下のように記されています。

pp.127-8
同書では
「信頼とは多面的な概念だ」
と前置きをした上で、論文を引用し、その要約を以下のようにまとめる。

「要は信頼している相手には安心して自分の弱さをみせられる、ということだ」

この定義とビル・キャンベルについて話す場合の信頼は意味合いが異なるとし、
ビル・キャンベルの信頼を以下のようにまとめる。

「信頼とは『約束を守ること』だ。ビルに何かをすると言ったら、それは守られなくてはならない」
「信頼とは『誠意』だ。お互いに対し、またお互いの家族や友人、チームや会社に対し、誠意を尽くすことをいう」
「信頼とは『率直さ』だ。ビルはつねに率直で、相手にもそうあることを期待した。信頼とは、相手が約束したことを実現できる才能やスキル、勤勉さなどを持っていると信じられる能力でもある」
「信頼とは『思慮深さ』だ。エリックがグーグルのCEOだったとき、経営陣の一人が重病だと診断された(いまは完治している)が、エリックをはじめほかのメンバーにはそのことを伏せていた。唯一知らされたビルは、誰にも口外しなかった。エリックは後になってそれを知ったが、ビルが教えてくれなかったことを悪く思わず、むしろ彼への信頼を厚くした」

要するに・・・

「約束を守って」
「相手に対して誠意を示し」
「一度信頼したら疑わずに率直であり」
「深く考え気遣いをすること」


です。
信頼の内容は明確になりましたね。

全部できたら、その人ってスーパーマンですね。
でもビル・キャンベルって全部できたんでしょうね。


加えて、同書は、信頼を下記のように論じます。

p.130
「信頼はただ大切というだけでなく、実り多い人間関係を築くために、何よりも先に生み出さなくてはならないものだ」

つまり、信頼があって初めて「実り多い人間関係を築く」ことができる、と。
本当にその通りだと痛感します。
信頼関係のない相手と話していても、疑うばかりで生産性がない。
わたしのように信頼関係を築くのに時間がかかるタイプの人間にはキツい一言です。

余談
ビル・キャンベルがコーチングしてきたヤバすぎるメンツ

スティーブ・ジョブズ
エリック・シュミット
ラリー・ペイジ
セルゲイ・ブリン
ティム・クック
スンダー・ピチャイ
ジェフ・べゾス
マーク・ザッカーバーグ
シェリル・サンドバーグ
マリッサ・メイヤー
ジョン・ドーア
ベン・ホロウィッツ
その他テクノロジー業界の面々

こうみると、改めて凄すぎます。
わたしごときは話をしてもらえなかったでしょうが、
ご存命のうちに一度でいいからお会いしお話を聞いてもらいたかった。

2.どのような相手なら信頼関係を築ける?

ビル・キャンベルは、誰に対してでもコーチングをしたわけではありません。

p.137
「彼の仕事は、人をよりよくするということだった―ただし、相手がコーチャブルな場合だけだ」とし、コーチャブルな要素として下記4要素を挙げる。
「正直さ」
「謙虚さ」
「あきらめず努力を厭わない姿勢」
「つねに学ぼうとする意欲」

この4要件を満たすことが、ビル・キャンベルからコーチングを受ける条件。
わたしはどうだろうな…。
圧倒的に謙虚さが足りない気がするな。
謙虚でありたいですが、謙虚であるってすごく難しいですよね。

pp.137-8
「なぜ正直さと謙虚さが必要かといえば、コーチングの関係を成功させるには、ビジネス上の関係で一般に求められるよりも、はるかに赤裸々に自分の弱さをさらけだす必要があるからだ」
「人は自分の欠点について話したがらないからこそ、正直さと謙虚さが必要になる。自分自身とコーチに対して正直になり、自分が完璧でないことを自覚できるほど謙虚になれなければ、コーチとの関係を深めることはできない」

これもその通りです。
もっと「正直」に、もっと「謙虚に」。
これをわたしのキーワードにします。

「はるかに赤裸々に自分の弱さをさらけだすことができる人間」
に、人間は生涯何人出逢えるんだろう。



同書は、ビル・キャンベルが嫌いなタイプの人間にも言及します。

p.139
「正直で謙虚な人の反対は、ウソつきだ。
『ビルはウソつきに我慢がならなかった』と、スタンフォード大学の元学長で、ビルと多方面で親しく仕事をしたジョン・ヘネシーは言う。
ビルがウソつきを嫌ったのは、彼らが他人にだけでなく、自分にも不正直だからだ。コーチングを受け入れるには、まず何よりも自分に残酷なまでに正直にならなくてはならない。
ヘネシーは言う。
『ウソつきは、コーチャブルではない。そういう輩は、そのうち自分の言葉を信じはじめる。自分のウソに真実を曲げるから、余計にたちが悪い』」

わかるわ、めっちゃわかる。
ウソつく人って絶対にまたウソつくから。
もうそれって一種の病気で、治らないんですよね…。
治そうと思ってしまうと「課題の分離」という問題にぶつかる。
そして誰も幸せにならない。

わたしも自分にウソをついていないかどうか気になります。
もっともっと成長するためには、自分と向き合わないとダメですよね。
残念ながら、わたしにはコーチングをしてくれる人がいません。
本当はCEOにこそコーチングが必要だな、と痛感しています。


3.まとめ

今回は引用多めですが、いつも気がつくと長くなっちゃうんですよね。

信頼関係を築くのは大切です。
でも信頼関係を築くために「誠意」を求めるのはダメ。
「誠意」を示すかどうかはこちらの課題ではなく相手の課題。

『1兆ドルコーチ』は示唆に満ちた素晴らしい本です。
「どうしたら信頼関係を築くことができるのか?」
「なぜ信頼関係が必要なのか?」
という点について、今後も深堀りしていきます。

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