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『1兆ドルコーチ』から学ぶチームビルディング① 信頼を構築するためにプロセスにこだわろう そして課題を分離しよう

最近『1兆ドルコーチ』売れているみたいですね。

わたしもこの本を読んで
「自分にもコーチングをしてくれる人が必要だ」
と痛感した一人です。

今回から『1兆ドルコーチ』で響いた部分を数回に分けて紹介します。

同書p.94より引用
以下で紹介するのはビル・キャンベルとマリッサ・メイヤーのストーリーです。
「アンサンブルの姿勢をとるのがとくに難しいのが、意思決定を担うマネジャーが、何をすべきかをすでに知っているとき(または知っていると思い込んでいるとき)だ」
「チームと問題を話し合うとき、君はいつも最後に話すようにしろ。君は答えを知っているかもしれないし、それは正しいかもしれないが、答えをただ与えるだけでは、力を合わせるチャンスをチームから奪ってしまう。正しい答えに辿り着くのは大事だが、チームみんなでそこにたどりつくプロセスも同じくらい大事だ」
「そんなわけでマリッサは、チームが問題を議論するあいだ、柄にもなく静かにすわっていた。不本意だったが、うまくいった。彼女はチームと彼らの問題対処能力を見直した」


1.能力でマウントをとらない
マリッサ・メイヤーがYahoo!でしたことへの賛否はともかく、
正解を知っているのにmemberの話を傾聴する姿勢ってすごいですよね。
わたしにはできません。

いや、違います。
お客様に対してはできます。
「人間は自分が納得したことでないと行動しない」
「計画達成に最も必要なことはお客様のコミットだ」

ということをいままで様々な場面で痛感してきたからです。
お客様のBESTをともに考え導くのが弊社の使命なので、
その使命達成のために必要であれば喜んで対応します。

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問題は社内。
①はマネジャーが答えを出すパターン
②はスタッフを含め全員で答えを導くパターン
辿り着く答えが同じなのであれば、②のほうが優れているというのが本書の結論ですね。

すごく簡単にみえて、不思議と自社でこれを実行するのは本当に難しい。
・オレのほうが正解に近いし会社のこと考えてるから
・時間もったいないから先に答え言っちゃうね

わたしの場合は、この二つが「静かにすわる」ことができない要因です。
こう文章に落とすと、なかなかダメなヤツですね…。

でもスピード感を求められているときは、気づきを待てない場合もあります。
ちなみにこれGoogleの話です。
並の会社の従業員は、Googleの従業員ほど優秀ではありません。
なので、時には力技も絶対に必要です。



2.正解獲得ではなく信頼構築の手段としての議論
では、何故答えへの最短距離ではなく、こういった方法を選択するのか?

「チームみんなでそこにたどりつくプロセスも同じくらい大事」

だからですね。

ところで「チームみんなでそこにたどりつくプロセス」が何故大事なんでしょうか?
この問いに対するわたしの回答は、下記のとおりです。

・チームのみんながそこにたどりつく能力を所持しているのを確認するため

その結果として

・チームのみんなを有能な人物だと信頼することができるようになる


これ本当に大切ですね。

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ただでさえわたしはあまり人のことを信頼しないので、
信頼に至るプロセスをたくさん確保しないといけません。
いままさに人を信頼できるようになるトレーニングを積んでいる最中です。


3.信頼できない人と一緒にいると…
人は信頼できる人と空間を共有したほうが間違いなく幸せになれます。
逆にいうと、信頼できない人とは空間を共有するべきではありません。
仕事・・・パフォーマンスの質
生活・・・毎日の生活の質
信頼できない人と空間を共有すると、これらのクオリティが著しく落ち込みます。
人を疑いながら生きていくことは、精神衛生上よくありません。

本文上ではチームですが、これは個人でもおそらく一緒です。
たとえば1on1の最中、ある問題に対して意見が相違し、
かつ客観的に明らかにわたしが正しい場合、
「時間がもったいないから、言うこと聞いて」となってしまいがちです。
でも、ビル・キャンベルは違う。
「相手に気付く時間を与えること」
「相手が気付くことで得る成長機会」
を大切にしています。

他人に対して「この人なら正解を選べるだろう」と信頼するって、
当たり前のようにみえて本当に難しいです。

突然ですが、以下『嫌われる勇気』の引用です。

「信じるという行為もまた、課題の分離なのです。相手のことを信じること。これはあなたの課題です。しかし、あなたの期待や信頼に対して相手がどう動くかは、他者の課題なのです。」
「たとえ相手が自分の希望通りに動いてくれなかったとしてもなお、信じることができるか。愛することができるか。アドラーの語る「愛のタスク」には、そこまでの問いかけが含まれています。」

他人を信頼することで信頼を更に加速させる、ってすごく難しい。

アドラーのロジックは、下記思考フローを辿ります。
「信頼するかどうか」という行為は自分の課題
「信頼に足る行動」をするかどうかは相手の課題
「希望どおりでなくてもなお信じるかどうか」は自分の課題

ビル・キャンベルはビジネスが前提なので、相手が「気づく」ことに重点を置き、
「相手に気付く時間を与えること」
「相手が気付くことで得る成長機会」

と論じます。
相手の課題をちゃんとマネジャーが取り上げることを大切にしています。

他方でアドラーの理論は、ビジネス以外の場面にも適用されることを前提に書かれていると想定されます。
たとえば家族であったり友人であったり恋人同士であったり。
なので課題の解決が主眼ではなく、相手がどう思うかは論点ではありません。
あくまでも「課題を分離」し「相手の課題に踏み入らない」と説く。
ぐうの音もでないですね。
こう考えるとアドラーって無敵ですね。


『1兆ドルコーチ』から学ぶ編第1回目はこのへんで。
第2回はこちら

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