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MBA Essentials 2020<総合コース>秋 第4回 バリューチェーンとビジネスモデル

2020/11/4(水)にタイトルのセミナーを受講したのでアウトプットします。

概要:バリューチェーンとビジネスモデル
講師:菅野 寛 先生
   早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授

経営コンセプトの中でも事業の新規立案、あるいは再検討・再構築のための強力な武器となり得る「バリューチェーン」と「ビジネスモデル」。よく聞く経営コンセプトであるにもかかわらず、必ずしも結果に繋がる正しい使い方をされているとは限りません。具体例を使ったミニ演習形式で、受講生が自分の頭を使って「バリューチェーン」と「ビジネスモデル」の本質を習得していきます。

<バリューチェーン>今回は基本形が学習対象

以下のような図が基本形です。

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<バリューチェーン>の進化

かつては簡単に外せないチェーン(鎖)であった。
 ↓ 問題:チェーンの前後が他社であるとコストが高かった。
②鎖がゆるむ
 ↓
オープン化によるプレイヤー組み替えが容易になる。
 ↓
プラットフォーマーが出てくる。
 ↓
エコシステムへ。(プラットフォーマーすら不要に)

エコシステムなんかの話は今後の別の講義で学べるそうです。


<バリューチェーン>自社の把握と目の付けどころ

①自社業界のバリューチェーンを作成する。
②<問い1>
 ・自社はバリューチェーンのどこにいるのか?
 ・なぜそこにいるのか?
③<問い2>
 ・バリューチェーン上のポジションを変えるべきか?
 ・どこに移動すべきか?
④<問い3>
 ・バリューチェーンの構造を変えるべきか?
 ・どう変えるべきか?

(私)普通に働いているだけではバリューチェーンを意識することもなかったので、自社を理解するために一度書いてみるというのは面白いと思いました。会社の研修で書いてみる、そんな研修があったら面白いかも(自社の理解も深まるし)。


<バリューチェーン>オープンかクローズか

(事例1)
 家電業界では、「町の電気屋さん(ナショナルショップ)」というクローズなバリューチェーンから量販店のようなオープンなバリューチェーンに変遷した。
 →講義では「それはなぜか?」でディスカッションしました。

(事例2)
 自動車ディーラーは、ずっとクローズなバリューチェーンのままである。
 →講義では「それはなぜか?」でディスカッションしました。

オープンがいいか?クローズがいいか?

これは、大変難しい問いのようです。視点としては以下を考えます。

①製品の視点
 コモディティ度、複雑性、販売後のサービスの必要性、…
②顧客の視点
 来店前の情報入手性、購買行動、…
③メーカーの視点
 販売をコントロールしたいか、販売後にサービスを提供したいか、…
④流通の視点
 メーカー/顧客どちら側のエージェントか、複数メーカーの複数商品を取り扱うか、…

これらの視点でオープンにYESが多いかクローズにYESが多いかを見て決めていくわけですが、「オープン的要素が多いからオープンがよい」と決め付けられるわけでもないのが難しいポイントのようです。

また、一般的にはオープンになっていく(事例1の家電業界のように)ようです。


<バリューチェーン>分析の留意点(☆重要)

「価値(WHAT)とプレーヤー(WHO)を混同してはいけない」

ここ、先生的に重要なポイントとのことです。

例えば、

 自社(体温計メーカー)→薬局

をバリューチェーンと言っているのを見かけることがありますが、
これは間違い」です。
なぜか?
これが、「プレイヤー(WHO)」視点だからです。

では、薬局を価値(WHAT)で表現するとどうなるか?
例としては以下です。

 物流→集客→店頭での販売・コンサルティング→顧客情報の収集→購入後のフォローアップ

違いがわかりますでしょうか。

ちなみに、
価値(WHAT)で表現されたバリューチェーンを作ったあとに、プレイヤー(WHO)(じゃあ、それは誰が担うの?)を分析します。

つまり、あくまで分析するときは「価値(WHAT)で表現されたバリューチェーンを描くのが先」(順番が大事)ということです。


続いて、ビジネスモデルの話です。


<ビジネスモデル>とは

実は明確な定義がないです。みんなちょっと違うことを言っているそうです。

先生ご自身は

「儲けのしくみ」

というシンプルな表現をされています。わかりやすくていいです。


<ビジネスモデル>よく聞くようになった理由

:「作れば売れる」時代には、儲けのしくみが短期で激変することはなかった。

 ↓

:「デジタル化」によって、
①儲けのしくみが激変しやすくなった。
②自分で作り変えることが可能になった。

また、ビジネスモデルはバリューチェーンとセットで語られることが多いようです。(なので、本講義もセットになっているわけですね)


<ビジネスモデル>構築手順

①顧客に対する提供価値(バリュープロポジション)を考える
 ・誰に?
 ・どんな価値を提供するか?
 ↓
バリューチェーンを考える
 ・その価値提供にはどんな機能が必要か?(WHAT)
 ・各機能を誰が担うか?(WHO)
 ↓ 
レベニューモデルを考える
 ・顧客は、誰にどんな名目でいくら払ってくれるか?
 ・レベニュー分配の仕組みはどうするか?
 ・誰に、どうやって、いくら分配するか?
 ※レベニュー:定期的な収入
 ↓
経済性を考える
 ・各プレイヤーの経済性は成立するか?(全員儲かる?)


<ビジネスモデル>目の付けどころ

バリューチェーンのどこかに「関所」はないか?

(事例:初代プレイステーション)プレステ本体を売ることと、特殊なCD製造費をソフトメーカーから徴収するという「関所」になることで儲かった。(あの黒いCDですね。懐かしい)

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当時は関所で儲かっていたソニー(SCE)ですが、時代は変化します。
(ネットでダウンロードしてプレイできる。PCでも遊べるようになる。など)

この後、演習として「当時のSCEの社長になったつもりで、チェーンが崩壊していく中でどうするか?」という課題で楽しみました。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます! 楽しく、読みやすいnoteになるように今後もがんばっていきます。