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Never come the summer again. <海野教授の華麗なる冒険シリーズ> あの夏はもう2度と来ない。

この企画書は僕らの憧れのあの人のその先の大冒険を夢見て描かれた世界です。 All rights reserved by {HIRAKATA_HIROAKI_2006}2018

第2話
『TIKIの怒り』

登場人物

海野洋彦   
パンパシフィック大学ハワイ校 環太平洋環境工学教室教授 

   
物理学者であり、考古学、音楽、スポーツそして海を愛する。
週末はハワイ諸島の小さな島に住みクルーザーで大学に通勤している。
10年前にハリケーンよる海難事故で妻と長男を亡くしそれ以来、島で
研究に没頭その内容はさだかではない。
また彼は、”太平洋に散らばる小さな島々に生きる人々は、古代に栄えた環太平洋文明の末裔である”と考え、
太平洋の島々と海中の遺跡の調査研究とポリネシア、ミクロネシア、メラネシア、アジア、そして日本の優秀な若者たちを教室にあつめ、
”その血のなかにながれる文化の誇りを忘れるな”と呼びかける。

サファイア  
本名、長岡亜沙美、黒崎平八郎の末の孫


環太平洋環境工学教室に助手として学ぶ、マリンスポーツと格闘技が得意なおてんば娘、一本気な性格は祖父ゆずり、幼なじみのボーイフレンド、ダイロクがワイキキでサーフショップを経営してるがあまりその気が無い。
実家は東京、母と姉達がいる。


デーヴ   ヨラナ 


ワイキキに大きなカジノを持つネイティヴハワイアン,

カメハメハクラブというネイティヴハワイアンのための意識向上団体の会長で神聖な神の丘を守ろうとするが、、。


ハナ ヨラナ

 
ワイキキに大きなカジノを持つネイティヴハワイアン,デーヴヨラナの娘、
パンパシフィック大学ハワイ校 芸術科でテキスタイルを学ぶ、父の意識の変化に気づき心を痛める。


ジェフリーホワイトJr. 

ハワイ島のミネラルウォーター、マウナスプリングス社の2代目。

父、ジェフリーホワイトシニアはデーヴの恩人、
その弱みにつけ込んでデーヴの管理する聖なる丘を
レジャーランド開発させようと画策する。ロコサーファー時代からマフィアとのつきあいがある。

タカ 

日系四世、ハナの小さなボーイフレンド。

11才、カジノで皿洗いをしている。正義感あふれる優しい少年。

ニルバーナ 

タカの飼っているサーファードッグ、老犬。タカの保護者。

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あらすじ

海野教授とタカはハワイ諸島のはずれにある伝説の小さな島にTIKIの調査にやってきた、タカはそこで見なれない小さな白い花を見つける。ハナにあげようとペットボトルに入れてその花を持ち帰る。

ワイキキでも大きなカジノTIKIは、ハワイを愛する男、デーヴヨラナが経営している。彼はまたネイティヴのための信用金庫もやっている。
土地の権利をネイティヴ以外に渡さないためだ。とくに島の至る所にあるTIKIのいる場所、聖なる丘を。

その娘ハナは最近父デーヴがいままでとすこし違うことに心を痛めている。
それもハワイ島のミネラルウォーター、マウナスプリングス社の2代目ジェフリーホワイトJr.がよく顔を見せるようになってからだ。
そしてカジノは近ごろ突然流行りだした、父は大喜びだ。ハナにはそれも不可解だが、とくに理由が見つからない。
 
実は、その原因はジェフリーホワイトJr.が掘り当てた聖地の水にあった、それを飲むと人は楽しくなり、自分の意志がなくなる魔の水、
それを手始めにカジノで使ってみたのだ。
ジェフリーホワイトJr.は、ネイティヴハワイアンのための意識向上団体カメハメハクラブで、魔の水を使ってデーヴヨラナとネイティヴたちを
コントロール下に置き彼らから聖なる土地を次々に手に入れアミューズメントパークを建設しようとたくらむ。

ハナは海野教授とサファイアに相談する。興味を持つ海野、彼が調べているTIKIの伝説の歌に同じ様な事が歌われていたのだった。

タカは水の秘密を知ってしまう、それをカメハメハクラブで公表しようとするがジェフリーホワイトJr.に監禁されてしまう、
そして土地をとられてしまった人々もまた。

失踪したタカと人々を探す海野教授たち、

老犬ニルバーナのお手柄で水工場で彼らを発見するが逆に捕らえられ監禁されてしまう。    が、そここそ魔の水の水源だった。


手に入れた聖地のTIKIをこわして新たなる魔の水の水源を得ようとするジェフリーホワイトJr.、その時、大いなるTIKIの怒りか、突然雲行きが怪しくなる、風向きがかわる、雷鳴とすさまじいスコール、
そして暴風雨、そして落雷がパワーショベルに落ちる。嵐の始まりだ。

水源に監禁された海野たち、そしてタカと人々、楽しそうに歌をうたい自分達の状況がわからないネイティヴたち、
ひとりまたひとり眠りに落ちてゆく、

それは魔の水の重症者だ。そしてタカもまた眠ってしまう。


海野は老婆が歌ううたに耳を傾ける、その歌こそ彼が研究しているTIKIの伝説の歌、

そしてその失われた後半部分を老婆は歌っていた、

”水は空のTIKIからの授かり物、泉は大地のTIKIからの贈り物。怒りの水は笑い水眠り水、TIKIの怒りを鎮めよ、レフアの花でレイをつくれ、レフアのTIKIと手をつなぎ踊れば優しい王様になるよ”


水を欲しがりうなされているタカ、水源の水は飲ませられない。ハナはタカの握りしめているペットボトルの水を口に含ませると、不思議なことにタカが目覚める。

それはあのとき伝説の小さな島でタカがつんだ花の入ったペットボトルの水だった。

TIKIの歌と花の水の関連に気付く海野、あの島に咲いている小さな白い花が魔の水に効くのだ。
そしてここに打ち捨てられた怒りのTIKI,これを持ってあの島へ一刻も早くゆき怒りを解き人々のために花を持って帰らなくては。

策を練り奇を衒ってやっとのことで脱出する海野たち、嵐の中あの島へ向かう。
彼らを追うジェフリーホワイトJr.とマフィア、魔の水とレフアの花は商品価値のある薬物なのだ。
海野、サファイア、ハナ、タカそしてニルバーナは嵐の中、島に上陸する。
岩清水のそばのレフアの花畑へニルバーナが先導するが、しかし嵐で花が散ってしまっている。
追い付くジェフリーホワイトJr.とマフィア、海野たちに銃が向けられる、”案内ご苦労、だがここで死んでもらう” 絶対絶命か。
TIKIの怒りも最高潮に達したのか雷がジェフリーホワイトJr.とマフィアの銃に落ちる。


歌の通りに怒れるTIKIをレフアのTIKIと並べる、TIKIとTIKIのマナが会話する。 嵐がおさまると美しい月が雲の間から姿を見せる。

そのとき月の光をあびて花が咲きはじめる、それがレフアの花。

花を摘みレイを作るサファイアとハナ。人々はレフアの花で魔の水から解放された、そのときニルバーナが魔の水を飲みはじめた、なぜだしかもなんともない。
不思議だが魔の水の性質まで変わってしまったのか。

ジェフリーホワイトJr.とマフィアは警察に逮捕された。
すべては平和にもどった、ハナの父デーヴヨラナも正気を取り戻した。

カメハメハクラブはTIKIの怒りに許しを乞う祭りを行っている。

FDAに魔の水の調査を依頼していた海野のところに結果が送られてきた、おいしいミネラルウォーターです。それが分析結果だった。

祭りのステージから呼ばれる海野教授、みんなが彼のうたを聞きたがっている。

海野は歌う、”水は空のTIKIからの授かり物、泉は大地のTIKIからの贈り物。怒りの水は笑い水、眠り水、TIKIの怒りを鎮めよ、レフアの花でレイをつくれ、レフアのTIKIと手をつなぎ踊れば優しい王様になるよ”

魔の水の不思議は解明されなかったが、海野はマナの力であると確信していた。
祭りは続く、そして夏はまだ始まったばかりだ。



『はじめての海外はTAHITIでした、僕ぁ、小さな小島をロケハンしました!』

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