EXTREAMERS the beginning_#11
EXTREAMERS 3.6 パパとママのいない世界
アキレス研究所の前に総合学校の子供たちが集まってきた。
幼い子を庇いながらもみんな泣きながら集まってきた。
どうしたの、、、。
ママがいないの、パパもいないの、、、。
また何かが、変更された。
学校中の子供たちが同じ時間に消えてしまった。
ニュースをつける、ここだけではない、日本の、そして世界中の子供たちのパパとママが消えた。
残されたのは、それ以外の大人たち。
子供たちを学校に集めて夏休みを中止、地域ごとに学校中心の生活プログラムが始まった。
ダイくん、大丈夫かな? ナノはダイの変化に気づいていた、
あの台風の日から。
実際、ダイは性格が少しだけ荒れてきていた、さらに俺たちは選ばれてるから、と達観した意識が芽生えてきていた、小さな英雄気取りだった。
6人の生活も学校に移った。
それぞれの班に分かれて行動する、
ゆいはダンス部をつくった、
まどかはファッション部をつくった、
あおいは女子サッカー部、
セイヤはサーフィン部、
レオナは科学部、
ダイは男子サッカー部、
最初はみんな真面目にやっているのだが、やはり覇気がない。
両親に会えない憂鬱が子供たちに満ちていた。
生産実習は午前の時間行われる。そいつは5年生のイサキ、南の断崖にある野菜畑できっかけをつくった。
おまえたちが来てからだ。おかしなことばかり起る、パパとママが消えたのもおまえたちがやったんだろう、研究所で変な実験やって、それで失敗して、おまえたちがやってきて、帰れ!帰れ!
6人から子供たちが離れてゆく、
パパとママが消えたのはオレらも同じだ、
悲しいのはみんないっしょだ!
わかるもんかー! 帰れ!帰れ!
誰かが小石を投げた、小さな子供までなげた、
やめろー!ダイが飛び出そうとした手をあおいが止めた。
石をよけもせずイサキの前にあおいが歩み寄る、
弱虫と言い放って、平手打ちを食らわした。
泣き出すイサキ、かまわずみんなを呼び戻し作業を続けるあおい。
みんな、ここで帰ったら、二度と戻れないから。
黙って作業をつづけた、その日はみんな黙っていた。
そのとき、黒い小さな粘菌のようなものがイサキに付着する。
黒い岩盤の進化形だ。
その日からイサキが変わる、弱さをなくして、
リーダーシップをとれるようになった。
そして、イサキの仲間が増えてくる。
(つづく)20220407
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