一般人がフォントにこだわるのに優しい時代になっている
フォントの重要性
デザイナーではない方で、フォントについて考える必要性を感じている人はどのくらいいるだろう?自分の経験では、フォントの話をすると、デザインに興味がある人以外は、だいたい「へぇ…」くらいの反応な気がする。でも、多くの人は仕事などで文書やスライドを作ることあると思う。その際にフォントを適切なものにすると、とてもよいと思う。
それは、読み手に優しいからだ。
情報を伝える・受けるとき、その伝達プロセス中のストレスが少なければ少ないほど、結果として伝わる情報は速く・多く・正確となる。音声伝達の場合、明瞭なアナウンサーによって伝えられた方が、受け手は聞きやすいだろう。同じように、テキスト伝達の場合は、いかに読みやすいかがポイントであり、その中でフォントは重要な役割のひとつだと思う。フォントの違いによって見やすさ・読みやすさが変わるという点については、フォントメーカーであるモリサワの資料を見てみるとよい。
では、どのフォントを使うといい?
自分たちは日本人なので、ここでは和文フォントを紹介しようと思う。まずは、導入が簡単なものから紹介する。
游ゴシック体 / 游明朝体
字游工房によるフォントファミリー。OS X Mavericks 以降の Mac 及び Windows 8.1 以降の Windows で OS 標準インストールされている。
OS に標準インストールされているフォントの中で最もデザイン性に優れたフォントなので(OS X / macOS にはヒラギノフォントもあるが)、とりあえず游フォントを使っておけば大丈夫と言える万能フォント。少し柔らかい感じになるのもいい感じだと思う。
注意点としては、Mac と Windows とでインストールされているウェイトが異なるため、互換性に気をつける必要がある(OS搭載の游書体一覧)。
ヒラギノ角ゴシック体 / ヒラギノ明朝体
これも字游工房によるフォントファミリー。OS X / macOS に標準インストールされている。游フォントと比べてかっちりした印象。OS X El Capitan 以降でヒラギノ角ゴシックが10ウェイトとなってからは、見出し・本文・脚注などにウェイトを変えて使うことができ、とても使いやすくなっている。
源ノ角ゴシック(Noto Sans CJK) / 源ノ明朝(Noto Serif CJK)
Adobe が Google と共同開発したオープンソースのフォントファミリー。
という説明の通り、世界中の言語を同じスタイルで揃えることができ、さらに7つのウェイトを持つ、それでいて無料というすばらしいフォント。Mac と Windows とで互換性を持ち、ウェイトも豊富という点で、最も使いやすいフォントであると思う。字面も正統派といった感じでいい。
ダウンロード:下記リンク先の検索フォームで「Japanese」と入力すれば、「Noto Sans CJK JP」と「Noto Serif CJK JP」が見つかる。
さらにこだわる人はUDフォントも使おう
ここまで紹介したフォントは全て無料であるが、昔はデザインされた優良フォントは有料であった。では、今お金を払ってでも使いたい和文フォントといえば?そのひとつは、ユニバーサルデザイン(UD)フォントだと思う。
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