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マレーシア・クアラルンプール旅行記 2日目

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2日目は各地を巡り、様々な文化に触れる1日となった。

朝カフェからギャラリーへ

2日目午前は決まった予定がなかったので、アートギャラリーに行ってみることにした。
ホテルからの経路を調べていると、中間あたりに気になっていたカフェを見つける。ルートに組み込んで寄り道することにした。

FEEKA by the Park

事前にFeeka Coffee RoastersというBukit Bintang地域にある有名なカフェをおすすめされていた。こちらはその支店である。
オフィスビル1階に入るテナントの一つなので席数は少ない。店内は朝食をとる人やPC作業をする人で混雑していた。
どうすればよいかわからず佇んでいると店員さんが声をかけてくれた。
「ハイ、お一人ですか」
「そうです」
「ちょっと待ってね…」
店内を見まわして、2つの机でできた4人席を分けて席を準備してくれる。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「注文が決まったらカウンターで言って、できたら席まで持っていくから待っていてね」
「OK」
メニューを決めるのに時間が十分に取れるのはありがたい。
今日も徒歩で移動してきたので、身体を冷やすためにコールドブリューを頼むことにした。

ドライオレンジが嬉しい

コーヒーが入った小ぶりの瓶と、氷とドライオレンジが入ったグラスを提供される。
バンコクのカフェでも体験した、柑橘系とコーヒーの組み合わせ。かなりはまっているので、日本にもほしい。
自分でグラスに注いで少しずつ飲んでいく。冷房の効いた店内とよく冷えたコーヒーで頭も身体もスッキリと回復できた。


カフェを後にして10分ほど歩くと、ILHAM GALLARY(イルハム ギャラリー)に到着した。ILHAM TOWERというオフィスビルの中にあるギャラリーで、マレーシア出身のアーティストを発信していく趣旨のもと展示を行っているそうだ。

ビルの3、5階がギャラリーとなっているのだが、入り口がよくわからない。
思い切って手近な自動ドアを進んでみたところ、明らかに改装中のホールですぐさま引き返す。
出てきたところで、一部始終を見ていたであろう警備員のおじさんがにっこりとこちらに顔を向けていた。
「すみません、イルハムギャラリーに行きたいんですが」
「こちらのドアですよ」
優しく教えてもらって、隣の自動ドアから入る。
しかしここでまた関門が待ち構えていたのである。
エレベーターのデザインがオシャレすぎて、エレベーターを呼ぶためのボタンがわからない。見た目を言葉で説明しきれないのが悔しいが、とにかく反応しそうな箇所がわからないのである。
再び焦っていると、やさしい警備員のおじさんがこちらの様子を気にしてくれているのが視界の端にちらついた。
エレベーターに乗るところまでサポートしていただく訳には、と色々押していたらボタンが点灯した。
一安心してギャラリーへと向かう。

入り口にて、写真は撮ってもいいがフラッシュはNGなど、簡単な説明を受けて中へ入る。
こちらのギャラリーは無料だった。どの展示も期待していた以上に面白くて、本当にお金を払わなくてよいのか心配になるほどだった。

当たり前のことかもしれないけれども、土地や文化が異なると出力されてくる作品も異なって興味深い。
海外で近代のアートに触れるのも、長期旅では良い過ごし方だと思った。今後も候補に入れていきたい。

同じ階にはギフトショップがあって、ポストカードやコースターやバッグなど、魅力的で大切にしたいおみやげになる品々が並んでいた。同じスペースにカフェもあり、談笑するグループもいて良い空間だった。
のんびりと店内を見ていたところで、妻から連絡が入る。数点を選び抜いて購入し、合流しに向かう。

炊いたご飯とバトゥ洞窟

昨日歩ける範囲はかなり回ったので、昼食は市街地から少し離れた店を選んだ。
タイ旅行でもお世話になった配車アプリGrabを使って向かう。日本のタクシーアプリと使い勝手は近いが、呼ぶ際に値段が決まるのでありがたい。

Heun Kee Claypot Chucken Rice

クレイポットライスという釜飯のような料理が有名で、あのミシュランにも選出されている。
到着したときには列ができていた。口コミによるといつものことらしい。
店の外で先に料理を注文して、番号の書かれた紙をもらう。人気店だけあってシステムが確立されている。

入店待ちの集団の横では、炎にかけられた土鍋がいくつも炊き上がりを待っていた。風に吹かれて煤が時たま飛んでくるのも趣がある。

ひたすら炭火で炊き続ける

20分ほど待って、入店することができた。
事前に作りはじめてくれたおかげで、クレイポットライスはすぐにテーブルにやってきた。

クレイポットライス・小

具材は色々な組み合わせがあったが、こちらが定番のものと思われる。小サイズを2人でわけてほどよい量だった。
鶏肉とソーセージがのっており、そこに焦げた醤油が香る。小皿に入った魚の塩漬けを少し取って混ぜると、味が締まってこれまた乙だった。
加えてさつまいもの茎の炒めも頼んだ。こういった中華料理店の野菜の炒めは、ただ炒めただけに見えるのに謎にうまい。


お腹が満たされたので、郊外にあるバトゥ洞窟へと観光に向かう。洞窟の中にはヒンドゥー教の寺院が建つ、自然と文明がミックスした名所だ。
主に電車とGrabの2通りの行き方があり、今回は後者を選んだ。
Grabの料金は、物価もあれど、日本のタクシーよりも格段に安い。もちろん電車はさらに安いのだけれど、時間と体力の節約を優先した。
Grabの使い勝手があまりに良くて、結局今回の旅では電車に乗ることがなかった。

目に入ってくるものが多い

渋滞に巻き込まれつつも、後半から車を飛ばしてくれたおかげで、バトゥ洞窟へと予定通り到着した。

どでかい像とカラフルな階段が否応にも目に飛び込んでくる。階段は元はただの石段だったのが、近年色鮮やかに塗られたそうだ。
景観にプラスして階段手前の広場には大量の鳩、階段を登る両脇には猿と、想像していたよりも雑然とした気配で溢れている。
偶然にも犬までやってきて、リアル犬猿の仲を見せつけられたのも楽しかった。

犬vs猿 相当やり合っていた
やはり猿はバナナが好きらしい

目を引くカラフルな階段はなかなかの勾配で、もし雨の日に来たら登るのを躊躇うほどだ。
足にも負担がかかっているのだろうが、そこら中にいる猿の様子を眺めながら登っていくと意外と早く終わりまで到達できた。
ただ、少年がロティを奪われたり、出店のおじさんが目を離した隙に水を盗られる一幕も目撃した。猿に油断は禁物である。

登りきった洞窟の中も派手

微妙に時間があったので、もう一つ行きたかったところへ足を伸ばすことにした。


芸術と食で多文化を体感する

またもや移動はGrabに頼り、ヒンドゥー教にまつわるバトゥ洞窟からイスラム美術館へと移動してきた。

服飾、調度品、書物、武器などなど、イスラム文化を表すあらゆる品々が展示されている。写真などですら目にしたことのないものばかりだ。
世界各地のモスクのミニチュア展示も面白かった。アラブ圏のモスクの規模に驚かされたり、国ごとに見た目が異なる建造物としてのモスクの面白さを知ったりした。

ホールの天井さえも見惚れる
かわいらしい曲線

この美術館はギフトショップもおすすめで、イスラム芸術を取り入れたアイテムは目を引くものが多く、おみやげにいくつか買って帰った。
旅で買ったものは別でまとめるので、その際に紹介したい。

美術館の閉館時間も迫り、時刻もちょうど夕食どきになった。
1日の観光を終え、今宵はまた麺を啜りたい。
アジア圏だと大抵ご当地麺があり、お腹への影響が小さいのでついつい麺食に偏りがちになる。

Lot10というショッピングモールのフードコートに行くことにする。
こちらではクアラルンプールにある中華系の有名店が支店として軒を連ねており、お手軽に様々な料理を食べることができるのだ。

Kin Kin 建记辣椒板面

チリパンミーという料理をはじめて出したお店である。
店名にもある辣椒板面というのがおそらくチリパンミーのことで、実態は細めのうどんのような麺を使った汁なしの混ぜ麺(辛い)というものである。

チリパンミー 麺はうどんに近い

シンプルだけどクセになってくる味だ。
辛味部分が小皿に分けられているのも、自分で調整できるので助かる。
昨日の牛肉麺と同じく、少しずつ足して安全なボーダーラインを探りつつ、美味しく完食した。


Kim Lian Kee

妻が選んだ店は、真っ黒な炒め麺ホッケンミーが名物である。これを食べるためにこのフードコートを選んだと言っても過言ではない。
味は見た目に反して優しい醤油味で、具材となっている海老や豚肉の旨味がしっかりと口に広がる。

色ほど味はキツくなく、旨味が強い


麺一皿だけで終わるか、もう別の店で一品食べるか相当迷った末、明日以降を考えてお腹を休めることにした。
これが短期の旅行だったら食べていただろう。食事の回数と食べたいものを天秤にかけて旅行している。

クアラルンプールに到着してからの勢いは落ち着いてきた。
今後の日程を日々楽しむ姿勢へと移ってきている。
翌日は朝早くから遠出が予定されているので、早めに就寝した。

3日目へ続く



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