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すぐに役立つ必要エネルギー量の計算

今回は、「怪我した時の栄養面からの考え方」についてお話していきたいと思います。

病院に行くときの1番の理由として
怪我があげられます。
特にスポーツ現場においては肉離れや靭帯損傷などが起こるリスクが格段に上がります。

身体を動かすだけでなく、組織損傷の修復にもエネルギーが使われる!

当たり前のように思うかもしれませんが、
意外と見落とされていることが多いと感じます。

特に学生の部活動をしている子に多い気がします。
(個人的な意見です。)

僕自身も高校生の時に怪我をして体重が増えるのが嫌で食事の量を減らしていました。笑

また、病院においても栄養面についてセラピストもしっかり考える必要があると個人的には思います。

その理由として、どんなにいいアプローチを行っていたとしても、低栄養状態であればそれは逆効果になるからです。

トレーニングを行った経験がある方は聞いたことがあると思いますが、カタボリックとアナボリックという言葉を聞いたことがありますか?

・カタボリック
  筋肉の合成スピード<筋肉の分解スピード

・アナボリック
  筋肉の合成スピード>筋肉の分解スピード

低栄養状態はカタボリックの状態です。

せっかくリハビリをして筋肉をつけようとしているのに、リハビリ自体が筋肉を分解する原因になるからです。

今回のnoteを通して、推定消費エネルギー量を知ることができれば、1日の食事量の目安にもなりますし、トレーニングの負荷調節にも繋がると考えています。

また、3食の食事が十分にとれていないのであれば、リハビリや運動の後に間食として栄養補助食品などを摂取しようという考えにもなると思います。

そうすることで早期の段階からリハビリや運動の効果を十分に発揮することにつながります。

前提として知っておいてほしいことは怪我をした時のエネルギー量の内訳です。

①リハビリ以外のエネルギー消費量
②リハビリによるエネルギー消費量
③エネルギー蓄積量
です。

この分のエネルギー量を摂取しなければ除脂肪体重は減少します。

ではどのように栄養について考えていくべきか?

それは血液データと必要エネルギー量の計算式を比べながら見ていくのがよいと思います。

血液データとしては総タンパク量(TP)アルブミン(Alb)を見ましょう!
これも当たり前のこと
だとセラピストの方は思うと思います。

ここで注意してほしいのは、CRP値が高い場合はAlb値は低く出るということです。

Alb値が低いからといってすぐに低栄養だと断言するのは早いです。必ずCRP値も確認しましょう!

しかし、血液データを頻繁にとっている病院は疾患にもよると思いますが非常に少ないと思います。

そこで、基準として考えられるのがエネルギー量の計算です。



①基礎代謝率(BMR)について

まずは基礎代謝率(BMR)を知ることが大切です。

BMRとは生命を維持するために必要なエネルギー量のことです。
言い換えると1日何もしなくても消費するエネルギー量のことです。

そのため摂取カロリーがBMRより低くなると何もしなくても痩せていきます。その時に真っ先に分解されるのが筋肉です。
しかし、筋肉量が減ることはデメリットしかないので絶対に避けるべきです。

BMRの計算式

スクリーンショット (262)
R SC PHYSIO


※BMRとBEEは同じ(日本リハビリテーション栄養の文献はBEEの表記が多い)

海外の論文ではMifflin-St Jeor方程式の方が正確性であると報告されています。1)

しかし、日本のリハビリテーション栄養の論文ではHarris-Benedict式が使われています。2)

上の2つの式では性別は分けられていますが、筋肉量については考えられていません。

例えば、体重70kg(体脂肪率25%)の人と体重70㎏(体脂肪率15%)の人ではどちらが基礎代謝率は高いと思いますか?


正解は体脂肪率15%の人の方が筋肉量は多いため基礎代謝率も高くなります。

また、体重70kg(体脂肪率25%)と体重60kg(体脂肪率12%)では体脂肪率12%の方が除脂肪体重が多いため基礎代謝は高くなるのです。

除脂肪体重とは身体から体脂肪を除いた体重のことです。
※除脂肪体重(LBM)の計算式はこちら
LBM(kg)=体重(kg)×(100-体脂肪率(%))÷100

少し話がそれてしまいましたが、
スポーツやトレーニングを行っている人はLBMが行っていない人より高いため個人的な意見としてはこちらの式を使用した方がよいと思います。

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