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【歌詞】タイトル未定


たった一年前まで
見慣れた日本家屋があった裏路地
どこにでもあるような
マンションにかわったのはあっという間で

つまらないや なんて
無責任にこぼした気持ちは
音にならずに消えていった

あの高い窓の向こうの住人は
きっと一年前の風景を知らない
それが無性にやるせなくて
でも 僕も一年前ここにいた人たちのこと
何も知らないんだな

いつの間にかまたひとつ
空き地が増えて 頭に浮かんだ空き家がある
どうかまだかわらないで
なんて足早に帰る僕は勝手で

置いてかれた 鉢に
綺麗な花が咲いていたんだ
ただそれだけでこの街が好きだと思った

空き地にも綺麗な花は咲くだろう
だけど誰かの帰りを待つあの花とは
違うんだって悲しくなる
でも 僕は一年後ここにあった風景を
きっと忘れている

何かを攫われそうで風の行く先を睨んだ
かわりはじめるまで気づかなかったくせに

あの高い窓の向こうの住人は
きっと一年前の風景を知らない
それが無性にやるせなくて
でも 僕も一年前ここにいた人たちのこと
何も知らないんだな
そして少しずつこの気持ちも薄れていく


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