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規格外!サイボウズ株主Meetup

きっかけ

サイボウズさんの株主Meetupという企画を知人のFacebookで見つけ、「株主のから騒ぎ」等ユニークなIR活動をされていることを思い出し、ぜひ体験してみたいと思い参加しました。イベントでは、大学生の方の柔軟な思考行動に驚いたり、サイボウズさんの経営観や資本市場に対する問題提起にも触れることができ、とても充実した、楽しい時間になりました。
こちらに当日の動画が掲載されていますので、ぜひ御覧になって下さい。
https://youtu.be/NlY2jVKLqRU


Meetupの構成

Meetupは3部構成になっていて、
1.産業能率大学倉田ゼミの方による「ストック重視の資本主義」の考え方を使った投資ポートフォリオ構築について
2.山田副社長と倉田ゼミの方のトークセッション
3.二次会
という流れでした。
私は当初は二次会に参加する予定はなかったのですが、雰囲気の良さに魅かれて最後まで参加させて頂きました。


参加した感想

具体的な内容は動画を見て頂くこととして、私は下のような感想を持ちました。

倉田ゼミ生によるプレゼンテーション
〇柔軟な思考・行動に驚き
ゼミ生の方が提示されていたアプローチは、常識・慣れ・惰性にまみれた自分からはとても新鮮に映りました。「共創型アプローチの能力を持つ企業を抽出し、理想的な投資ポートフォリオを作る」というゴールを設定し、定量スクリーニング、定性スクリーニング、企業訪問を通じて丁寧に実行されているように感じました。特に、企業に問い合わせメールを送りその反応に基づいてスクリーニングを行うという方法は他の参加者の方も驚いていたと思います。それを今回のMeetupに繋げるサイボウズのIRチームの柔軟さ・懐の深さにも驚きです。

〇投資にも感性が大事
上の内容とも重なりますが、スクリーニングにおいて躊躇なく自分達の感性で評価をしている点もいいなぁと思いました。職業として投資をしていると、説明責任が気になってしまい、ロジックに偏った思考・行動になってしまいやすいと反省しました。無意識に感性をないがしろにしていないかどうかという観点で、自分を客観視する癖をつけたいと思います。


トークセッション
〇嵐のファンクラブ会員のような株主
山田副社長から、「株価が上がると売りたくなる。株主をやめないと利益は確定できない。株価が上がるから持つではなく、気持ちよくずっと持って欲しい。これは簡単そうだけれど、難しくて悩んでいる」という株主との関係性についての考えを話された後、嵐のファンクラブの話になりました。

「嵐は300万人の会員、会費年4000円。会員は別に4000円で利益を得ようとしていない。元を取ろうという思考もなく応援し続ける。これが100万円とか高額だといくらで売れるか、という思考になってしまう」

株式投資はどこまで行っても不確実性を排除することはできません。その意味で必ず投機性があるのですが、それを超えて投資を行う背後には、応援したいという感情があると思います(もちろん儲かりそうだからという金銭的動機は否定しませんが)。現時点では想像もできませんが、技術的な進歩や人々が物質的なものよりも意味のようなものを求める流れを考えると、将来的には金銭的見返りを期待しない投げ銭投資のようなものが広まるかもしれません。

〇何によってファンが生れるのか?
視聴者からの質問をきっかけに、何がファンを作るのかという話になりました。サイボウズさんの正直&丁寧なメール返信、インスタグラマーのフォロワーへの対応、(ある意味競合ですが)Slackさんの会社訪問に来た学生への対応、といった事例を聞き、自分は「普通だと割に合わないようなことをしてもらった時に人はファンになりやすい」、ということではないかと感じました。だとすると、企業と株主がお金の関係だけで結ばれていたら、ファンのような要素は生まれないでしょう。


二次会
〇ファンのような株主と経営
二次会では参加者も対話ができる環境だったので、山田さんにファンのような株主を増やすことと経営の繋がりについて質問させて頂きました。回答ではとても熱く語っていただいたのですが、特に私の印象に残ったのは、「世代を跨いでサイボウズらしい経営のバトンを繋いでいくためには多くのファンのような株主に支えてもらうのが一番良い、そのためには隠し事なく公明正大でなければいけない」という内容でした(私なりの解釈です)。このお話を聞き、私は山田さん・サイボウズさんのファンになりました!

〇IRのあり方、機関投資家の姿勢
二次会では、今のIRを取り巻く環境や慣習、機関投資家の上場企業に対する姿勢についての問題意識も共有して頂きました。正直職業投資家としては耳の痛い内容ではありましたが、インベストメントチェーンが変わることで企業の経営に良い影響が生れるはずという自分の考えは間違っていないのでは、という想いを持ちました。


最後に

サイボウズさんが大事にされている公明正大という考えは、企業経営・IRにおける重要なキーワードの一つのように感じています。今まではどちらかというと、外部に出す情報を一定制限するという前提(そしてそこに投資家がつけ込める可能性が生まれる)だったように思うのですが、隠し立てせず出せるものは出してしまうことで、ステークホルダーとの関係性をよりポジティブにする一歩になるように思います。
上記以外にも、興味深い内容が多く、学びの多い、とても楽しいMeetupでした。このような機会を頂きありがとうございました。ぜひ次回以降もよろしくお願いいたします。

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