見出し画像

『竜馬の如く夢は世界を駆けめぐる』   第5章 『米国に一歩足跡を残す』

坂本龍馬暗殺される

 幕末の慶応3年11月15日(1867年12月10日)坂本龍馬と中岡慎太郎が京都河原町近江屋井口新助邸において暗殺される。京都見廻組の仕業であるとされている。 その時、竜馬33歳の年齢だった。            不思議なことに竜馬が暗殺されて数年後、米国の新天地を踏み締めることになるとは。神の悪戯か、気まぐれか、私に命を与えてくれた。

画像1

画像2

『人として生まれたからには太平洋のように、でっかい夢を持つべきだ』 

 日本を離れて実に遥か遠くにやって来たものだ。          『これが夢にまで見たアメリカだ。』丸い小さな窓から地上の光景を目にした途端、日本での嫌な思いは全て一瞬の内に吹っ飛んだ。米国にはどんな人にでも希望と夢を与える。米国の懐の大きさ豊かさが私をそうさせるのか?それ共、竜馬が私を動かすのか?しかし、実感はずっと後になって知ることになる。米国の大地が小さな人間を変えるのだ。竜馬とは本当に奇妙なものだ。すべての人に『夢と希望』を与える存在なのだということだけは理解できる。

万延元年1月19日(1860年2月10日)勝海舟は通訳として随行した福沢諭吉、中浜万次郎と共に咸臨丸で遣米使として米国に旅立つ。

画像3

画像4

『万事、見にゃわからん』

 1862年12月9日幕府政事総裁職の松平春嶽から幕府軍艦奉行並の勝海舟への紹介状を受けた坂本龍馬は門田為之助、近藤長次郎と共に勝海舟の屋敷を訪問する。坂本龍馬を別世界へと導いた。               1863年10月神戸海軍塾塾頭に任じられる。

1865年3月18日神戸海軍操練所廃止と同時に薩摩藩の出資を受け設立されたのが亀山社中(日本で初めての商社、株式会社)である。

『何の志も無きところに、ぐずぐずして日を送るは、実に大馬鹿者なり』

『世の人は我を何とも言わば言え 我が成す事は我のみぞ知る』

新しい人生に足跡を残す

 人は人生で何度も失敗する。しかし、手を差し伸べてくれる人は誰もいない。1年間の山籠りの中で考えなければならなかったこと。       1)何をすべきか? 自分に今できることは?これから先の人生の目標は、何をして生きていくのか? 私は考えなくてはいけない。        2)自分を改革するには何が必要なのか?最低限の知識を得ることが大切だそのために何を勉強すれば良いのか?                3)今の自分を受け入れてくれる国は? 求める知識を与えてくれる国は?

 94歳米国女性が大学を卒業する。高校を卒業後に大学進学を志したが、 当時は世界恐慌のまっただ中で希望は叶わず、看護師の仕事に就いた。『大学に行きたいと言う熱意は決して失わなかった。とても長い時間がかかったけれど、ついに実現した』

画像5

 初めて友人が敵に見えてくる。こんな勉強で友人と競争せねばならないのか? 初めて『学生生活が自分の人生と噛み合わないことを味わう』自分の好きな勉強が好きな様にできない。将来何をやれば良いのか? 何を望んで取り組みたいのか? 今やっている勉強が何に役立つのか?       良い先生に巡り合えば、きっと人生も変わる。しかしながら、何と高校の先生が遠くに感じられることか? 生まれた時代が悪いと慰めれば良いのか? 先生も自信を失っている。生徒にどの様に教えれば良いのか思考錯誤を重ねている。言葉で生徒を導けないと知ると暴力で押さえつけようとするが、生徒は殴られても平気な顔で無視するだけだ。だんだん意思疎通ができなくなる。何も与えてくれない『暗黒の3年間』を過ごすには、あまりにも長すぎる。この青春の大切さを知らない若者から貴重な時間を奪い取るだけで良いのか? 高校生と言っても、まだ子供だ。何が分かると言うのか? 理屈をこねても親を説得できない。所詮誰にも分からないのだ。こんな時に教師に相談に行けと言うのか?自分の意思で授業をさぼることが何と楽しいことか、肌で感じられることを教えてくれた。先生に殴られようが、自分が間違っていようが意思は曲げない。実に無駄な青春を過ごしたと思う。別の道が何かあったのではないか?しかしながら、考える暇も与えてくれずに過ぎ去ってしまう。別に未練はない。唯、無知だけであった。人は進路を間違えると、人生の多くを無駄に過ごすことになる。しかし、後悔はないはずだ。好きで行ったわけではない。行くのが本道だと無責任に誰かが教えただけだ。これだと言えなくても、過去の辛い未練などは、この広い太平洋に捨て去ってしまえ。脅迫にも似たような感情の高ぶりが、全てを一転させる。それがいま踏み締めている国『米国』だ。過去の嫌な思い出も一瞬の内に闇へと葬り去る。二度と嫌な思いは浮かばない。人生は失敗をすればするほど良い経験が身に付く。人生を何度でもやり直しができる。米国は君たちに、そっと耳元で教えてくれる。叩けば全ての人に門戸を広げ、受け入れくれる国『米国』だ。人生をもう一度取り戻せる、やり直しができる国それが『米国』だ。誰もが自分の運命を自ら切り開ける国『米国』だ。何を見ても珍しい、何を見ても又見たくなる。何でも触れてみたくなる。当たり前だ。君はきっと笑うだろう。今の私を見たら多分。この『米国』をこの肌で感じているのだ。鼓動が聞こえるのだ。日本を発って初めて妙な気持ちが襲ってくるのを感じない訳にはいかない。

画像6

どんな人でも受け入れる寛容さ、古い習慣、因習に取り憑かれ、心にわだかまりを蓄積し苦痛する人に自由の女神像が鎖を解き放す国が『アメリカ』だ

画像7

ごく普通な私が今、米国の大地に足跡を残している。不思議なことである。日本はまさに人を狂わすバブル経済を謳歌していく時代へと突進して行く。

画像8



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?