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【まいぶっく03】別世界への入り口~へんてこもりにいこうよ

本を読みながら声を出して笑えるなんて幸せだ。
「まるぼ」という名前からして本当に「へんてこ」。
作者のたかどのほうこさんは、どこからこの名前がわいてきたのだろう。

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小学1年生のころ、「森」と呼んでいた場所があった。
普段の遊び場は、たくさん並ぶ平屋の公営住宅の間。
かくれんぼ、おにごっこ、かんけり、ゴムとび、ボール遊び。
  ( 昭和感満載(^^; )

「森で遊ぼう!」だれかのひと声が冒険の始まり。
みんなでかたまって「森」をめざす。
ちょっと離れたところにあるその森は、
   空気がひんやりしている。 
   声の聞こえ方がちがう。
   どことなくこわさも感じる。
   ここに一人残されたら、
    半泣きで走って帰る。
さっきまで遊んでいた場所とは違う「別世界」だった。

今でも「森」と聞くだけで、「わくわくとドキドキ」が心のすみにわいてくるのは、このころの体験も影響しているのだろう。

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さて へんてこもり。
ようちえんの休み時間、
いつもの入り口とは別の入り口からへんてこもりに入ったその日、
4人のこどもたちが出会った生き物は?

次は何が出てくるの?
「どうぶつしりとり」って、こんなことが起こるの?!
え?!?!「ん」で終わらないと、こんなふうになっちゃうの??
「お茶」まで「へんてこ」だよ。
(飲むようにすすめられても、私もことわってしまいそう。)
そうか、すべりだいがあっちとこっちをつなぐのね。

へんてこな動物たちのとぼけた表情。
たかどのさん自身の絵がいい味を出している。
安心して笑える。
安心してへんてこもりの世界にひたれる。
とっても「へんてこ」で、とっても心ひかれる「森」。

この本には、たかどのさんからサインをいただいた。
まるぼの絵もある。大切な一冊だ。

へんてこもりにいこうよ (A)
      たかどのほうこ 作・絵
        偕成社   1995年

読んでいただき ありがとうございました。