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本の繋がり(2021)

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読んで良かった本を紹介しながら、考えた問いを書いていくマガジンです。小説、エッセイ、人文書、漫画など、ジャンルは問わず。本を通すことで、偶然の繋がりが広がっていくさまを記録してい…
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#Pha

基礎を考える|2021年12月に読んだ本

考えすぎて煮詰まったとき、勝手に複雑にしていたのは自分の思い込みだったりする。基礎に戻ってみると、悩みのタネは大概はシンプルだ。年末は自分の基礎を振り返っていく。 2021年12月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでみた。 誰かの選書のヒントになれば嬉しい。 青が散る|宮本輝大学という空間が好きだ。ひらけているようで、閉じられているような人間関係の曖昧さ。翻弄されつつも、どこか居心地が良かった。過去に戻りたいとはあまり思わない。だけど、大学時代に写真を始めて世界が広

選択肢を考える|2021年5月に読んだ本

選択肢は多ければ多いほどいい。 本当にそうでしょうか? 最近はさまざまな媒体で、自分の個性を発信する人が増えています。人それぞれの生き方のお手本が提示されているから、昔よりも辿り着く選択肢が増えたように感じます。 でも、選択肢の多さが生きやすさに繋がるとは思えないんです。今度はその中から「どの選択肢を選ぶのか」を悩んでしまうようになる。これが結構深みにハマると苦しいから。なかなかちょうど良くはならないものですね。 「正解はコレ!」と1つの選択だけ提示されるのも、「AかB

正しさを考える|2021年3月に読んだ本

人が「正しさ」「正解」「正義」の言葉を口にするとき、「想像力」には注意が必要です。なぜなら、人や環境によって「何が正しいと信じているか」はそれぞれ違うからです。 話題の「教え魔」は、正しさの押し付けから生まれます。経験を積むと、知識が増えて、色んなパターンに対処してきたから、ある程度新しいことにも動揺しなくなるんですよね。だから、初心者や歳下の人がしていることに、つい「自分の正解」を教えてしまう。それが相手にとっては「的外れな意見の押し付け」に感じることがあるから、「教え魔

ルールを考える|2021年2月に読んだ本

ルールって何のためにあるのでしょう? 上手く活用すれば、ルールは「考える」という面倒な過程をスキップして、無意識に楽に過ごせます。だから僕たちは「何のためにルールを守っているのか」という本質をすぐに忘れてしまう。「ルールを守ること」が最優先になって、快適に過ごすためのルールに束縛され、疲れ果てていく。 先月は様々な自分の習慣が崩れがちで焦っていました。自分で作ったルールを何も考えずに守るばかりで、本質や生まれた疑問の解決を忘れていたような気がします。だからなのか、読んだ本